薬剤師が看護師さんに、こっそり伝えたいこと
ある看護師さんから、
こんなコメントをいただいた。
薬が変わっても薬剤師さんから質問が来ないので、どうしたらいいのか不安になることがあります。
読んだとき、正直ドキッとしました。
たぶん、薬剤師側にも言い訳はある。
忙しい、タイミングが難しい、そもそも何を聞けばいいか迷う。
でも患者さんの薬が変わっているのに、病棟に何も聞きに行かないのは……やっぱり、よくない。
同時に思ったのは、
「看護師さんにとっても、薬剤師が何を知りたいのかって、わかりにくいよな」ということだった。
毎日患者さんのそばにいて、たくさんのことを観察してくれている看護師さん。でも「どの情報が薬剤師の役に立つのか」については、教わる機会が少ないかもしれない。

橋を架けてみませんか??
だから今日は、私が実際に病棟で「これを教えてほしかった」と思った場面を、3つ書いてみたいと思う。
看護師さんに届いてほしい記事だけど、同じ薬剤師さんにも「こういうふうに動いている薬剤師がいるよ」という話として読んでもらえたら嬉しい☺️
では、いってみよー✨
場面① 薬が変わったとき
薬が変更になったとき、薬剤師が一番知りたいのは、変える前と後で患者さんがどう変わったか。
採血でわかることには限りがある。
薬の効果や副作用は、数値より「様子」に出ることの方が多いと思うんです。
✨看護師さんへ✨
処方が変わったとき、こんなことを記録に残してもらえると、薬剤師はとても助かります😊
変更前の様子:眠れていたか、痛みの具合はどうだったか、食事はとれていたか
変更後の変化:いつ頃から、どんなふうに変わったか
気になる症状:眠気が強い、ふらつく、吐き気がある、発疹が出た……
「先生に報告するほどじゃないかな」と思ったことも、記録に残しておいてほしい。案外、薬剤師はそういうところを拾いに行っているものです。

✨薬剤師さんへ✨
声をかけるタイミングは、
処方変更から3〜7日後が情報を得やすいと思っています。
ただ、「何か変わりましたか?」という聞き方は、看護師さんも答えにくい。忙しい中で急に聞かれても、何を答えていいか迷ってしまう。
私は、聞くなら具体的にが一番!が信条です💡
「〇〇さん、△△から▢▢に変わりましたよね。
眠気やふらつきの様子、ここ数日でどうでしょう?」
薬の名前と、確認したい副作用をセットで伝える。それだけで会話の中身がぐっと変わるんじゃないかなと思います。
看護師さんの観察記録が「検査値」の代わりになる場面は、どの病棟にもある。だから、聞きに行くこと自体に意味があると私は思っています。
補足 精神科系の薬が変わったとき
場面①の話とつながりますが、
精神科系の薬の変更は少し事情が違います。
抗精神病薬や気分安定薬は、
効果が数値に出にくい。
採血で「効いているかどうか」を判断できる薬は限られていて、多くは患者さんの「様子」がすべての判断材料になる。
そして、副作用が本人から訴えにくいことも多い。
眠気、ふらつき、過鎮静——こういった変化を一番早く気づくのは、毎日そばにいる看護師さんです。
✨看護師さんへ✨
精神科の薬が変更になったとき、
特にこの点を意識してほしい。
行動・表情の変化:落ち着き度、会話の量、表情の豊かさ、活動量
眠りの様子:眠れているか、逆に眠りすぎていないか、日中の過眠はないか
身体症状:ふらつき・手のふるえ・よだれ・口の渇き・便秘
食事の様子:食欲の変化、食べるスピード
「なんとなく元気がない」「最近ぼーっとしている気がする」という肌感覚はもう、最高です✨✨。
私はたいていの疑義照会が、この看護師さんの肌感覚から来ています🌸
数値にならない変化を言葉にしてもらえると、
私たち薬剤師はとても助かるんです。

✨薬剤師さんへ✨
精神科の病棟では、薬剤師から声をかけないと情報が集まらないことが多い。看護師さんも「薬剤師に何を伝えればいいか」がわからないまま、記録しているだけになりがちかもしれません。
まず一歩。
「最近どうですか?」ではなく、
こんな聞き方はどうですか?
「〇〇さん、△△から▢▢に変わって1週間ですね。日中の様子や睡眠、何か変わったことはありますか?」
変更から1〜2週間は、
特に副作用が出やすい時期でもある。
私は、積極的に病棟に足を運ぶタイミングとして意識しています。

場面② 抗菌薬が始まったとき
肺炎や尿路感染で抗菌薬が処方されているとき、薬剤師が気にしているのは「この治療、うまくいっているのか?」ということ。
その時、採血結果だけでなく、毎日の臨床的な変化が判断の鍵になります。
✨看護師さんへ✨
抗生剤を使っている間、
こんな記録が役に立ちます。
発熱の経過:何℃が何日続いたか、今日は下がってきたか
肺炎のとき:SpO2、呼吸数、痰の色や量
尿路感染のとき:尿の混濁・臭い・量、排尿時の様子
全体的な変化:食事量、表情、動きの活発さ
「38.5℃が3日続いたけど、今日は37.8℃になった」という一文があるだけで、薬剤師の見え方はずいぶん変わります。

✨薬剤師さんへ✨
抗菌薬の処方を見たら、
自分から確認しに行く方も多いんじゃないでしょうか。
「〇〇さん、△△(抗菌薬)が
開始になったんですね。
感染源はどこですか?
次の採血予定はありますか?」
処方箋を確認した時点で、「この患者さんは今、治療のどのタイミングにいるのか」を自分なりにつかんでおく。そうすると、そこから看護師さんへの問い合わせも、自然に具体的になっていくのかなと思います。
患者さんの言語化が難しい場合——高齢の方、認知症のある方、意識レベルが変動している方——は特に、看護師さんの観察が治療効果の判断を支えていると思っています。
場面③ とろみを使いながら薬を飲んでいるとき
これは以前の記事でも書いたテーマだけれど、
コメントをいただいて改めて書きたくなった。
「嚥下だけを考えてとろみを使い続けていました。使い方によっては薬効に差が出る可能性があると学べ、目から鱗でした」
この言葉が、とってもうれしかった🌸💕
そして同時に、
「薬剤師からもっと早く伝えられたら良かった」とも思った。
嚥下機能が落ちている患者さんは、
どんな病棟にもいる。
薬を粉砕したり、とろみに混ぜたりして飲んでもらうことも珍しくない。でも、「嚥下の安全のためなら何でもいい」というわけではない。薬によっては、混ぜ方や飲み方で効果が変わってしまうものがある。
✨看護師さんへ✨
とろみを使って薬を飲んでいる患者さんがいたら、
こんなことを教えてほしい。
どんなとろみ剤を、どのくらいの濃さで使っているか(「とろみあり」だけでなく)
食事と薬のタイミングがずれていないか
服薬の様子:一口で飲めているか、むせていないか、残薬が多くないか
「ちょっとむせていた」「薬が残っていた」は、記録でなくても口頭で教えてもらえるだけでも十分助かります💕

✨薬剤師さんへ✨
とろみへの混入が問題になりやすいのは、
徐放製剤ですよね。
粉砕してとろみに混ぜると、薬の放出制御が崩れて血中濃度が急に上がることがある。
嚥下の相談を受けたとき、まず確認したいのは「今、どんなとろみ剤を、どう使っているか」。
そこから、粉砕の可否・剤形の変更・服薬タイミングを一緒に整理していく。STと連携できる環境なら、ST評価と薬の選択を組み合わせると、より現場に合った提案ができると思います😊
記事を書きながら思ったこと
看護師さんの観察が、薬剤師の判断を支えている。
でもその情報が、
うまく届いていないことがある。
記録はあるのに、薬剤師が見に行かない。
薬剤師が知りたいのに、
何を聞けばいいかわからない。
橋がかかっていない状態、と言えばいいだろうか。
薬剤師が「知りたいこと」を言葉にする。
看護師さんが「役立つ観察」を記録に残す。
その橋を、一本ずつかけていくことが、患者さんへの薬の届け方を変えると私は思っています😊
コメントを寄せていただき、私に考えるきっかけをくださったこつこつナースの投資ノートさん🌸
本当に、ありがとうございます😊
年120万を子ども食堂へ寄付することが夢という、
素敵なクリエイターさんです✨
コメントから記事ができていくって、
すごいなぁ✨
と、嬉しくなってしまいました💕
では、今回はこの辺で。
読んでくださってありがとうございました✨

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