集中力の低下は、年齢のせいか。「午後の眠気の犯人は、ひとりじゃなかった」の続き
デスクワークは集中力との戦い
起票時の入力ミス、メールの読み違い、思ったより時間のかかるデータ分析、手が止まるアイデア出し、先送りしたくなる重い判断、精査しきれないAIの出力。
デスクワークにつきまとうこうした問題は、そのときの集中力に左右されます。
言い換えれば、頭の作業領域がどれだけ空いているか、という問題です。
認知負荷の問題と言ってもいいです。
私は、若い頃と比べて集中力が途切れやすくなったと感じます。
そのため、集中力を要する仕事を午前中に寄せる、午前中の頭の冴えをよくするために朝食を抜く、といった工夫をしてきました。
当然ながら、仕事をする時間帯を全てコントロールできるわけではありません。
午後に重要な仕事を行う際は、集中力との戦い、場合によっては眠気との戦いになります。
そして私の場合、この2つは別のものでした。
眠くて集中が切れる日と、眠くはないのに切れる日がある。
この記事で扱うのは、前者のほうです。
この記事の要点
午後に集中力が切れる原因は、年齢だけなのか。原因の特定を妨げているのは、要素が複数あることではない。それらが毎日同時に動いていることのほうが問題になる。
昼食後に眠いから昼食のせい、とは限らない。午前に頭を使い切ったから、前の夜の眠りが浅かったから、その週の疲れが残っていたから。時間が近いだけの候補は、ほかにもある。
変数をひとつ固定すると、残りの影響が浮かぶ。 私は夕食を軽く保ち、朝食を固定する習慣も続けていたので、「前の晩と朝のせいではない日」を取り出すことができ、昼食という変数にたどり着いた。
これは、化学分野におけるブランクテスト(詳細後述)と狙いが同じ。差し引くか、動かさないかという手段の違いはあるが、正味を取り出すという同一の目的。
眠気が来たのは、よく噛まなかった日か、GI値(グリセミック・インデックス=食後に血糖が上がりやすいかを示す指標)の高いものを食べた日だった。私の場合は食後に10分歩くか、腿上げを30回で来なくなった。
年齢のように動かせない変数と、日によって変わる変数をどう切り分けるかは、ガイド記事に整理(末尾にリンクがあり)。
先日、午後の眠気についてnoteに書きました。
あの記事では年齢に触れませんでしたが、私の中には前提がありました。
年齢のせいにしてしまうと、その先がない、ということです。
だから、眠気が来る日と来ない日がある、その変動のほうに目をつけていました。
とはいえ、「これさえ直せば消える」という分かりやすい犯人はいませんでした。
睡眠も食事も運動も、独立した項目ではなく互いに影響し合っている。
そういう話を記事にしました。
複数を追いかければ分かる、というわけでもない
前回の記事では、前日の夕食を軽くすること、筋トレを始めたこと、早食いを改めることといった複数の変数を一斉に変えた結果、昼食後の眠気の解消につながったとお伝えしました。
また、このようなことも書きました。
ひとつの数字だけを睨んでも、原因は見えてこない。
これはその通りなのですが、では複数の数字を並べて追いかければ分かるようになるかというと、そうでもありません。
全部が毎日ばらばらに動いている間は、ある日の午後が眠かったとして、どれが効いたのかは分からないままだからです。
要素が多いことではなく、それらが同時に動いていることのほうが問題になります。
ブランクテストという考え方
私は学生の頃、ブランクテストを必ず実施することで、分析のノイズとなる部分を特定することの重要性を叩き込まれてきました。
ブランクテストとは、分析機器で化合物を測定する際に、その装置や器具に由来する信号(ノイズ)を事前に測定し、本試験の値からそのノイズを差し引くことで、正味のデータを得るという手法です。
測りたいものだけを取り出すには、測りたくないものを先に把握しておく。
分析でも、答えの見当がついていることはあります。それでもブランクを取るのは、見当を測定値に変えるためです。
このブランクテストが、午後の眠気にどう関係するのか、順を追ってご説明します。
解消したはずが、残った日があった
前回、昼食後の眠気の解消につながったと書きましたが、実は100%ではありませんでした。
昼食後、たまに頭がぼーっとする。眠気なのか、モヤなのか。
そんな感覚が出る日がありました。
そして、心当たりがありました。
そういう日は、昼食をよく噛まなかったか、GI値の高いものを食べていました。
忙しくて昼食にかけられる時間が短い日、あるいは選択肢が少なくてそういうものしか選べない日です。
ただ、心当たりは心当たりでしかありません。
昼食のあとに眠くなるから昼食のせい、というのは、順番が近いというだけの話です。
ほかにも候補はあります。
私は集中力を要する仕事を午前中に寄せているので、午後に落ちるのは午前に頭を使い切ったからかもしれない。
前の夜の眠りが浅かったからかもしれないし、その週の筋トレの疲れが残っていたのかもしれません。
犯人の見当はついている。でも、見当は証拠ではありません。
固定していたから、昼食が残った
心当たりがついたのは、複数の変数のうち、前日の夕食を軽く保ち、当日の朝食を固定していたからです。
これは、フロントローティング戦略として新たに取り入れた習慣でした。
この2つは毎日ほぼ固定なので、日によるばらつきが少なくなります。
残る変動要素は、昼食と筋トレでした。
筋トレは週に決まった日に行っているので相関が見やすいです。
結果は、筋トレではありませんでした。
※これは筋トレ初心者初期ボーナス終了後の話です
消去法で、昼食が残ります。
ブランクテストは、ノイズを別途測って差し引くことで正味を出す方法です。
変数の固定化は、ノイズを動かさないことで差から消す方法です。
手段は違いますが、正味を取り出すという狙いは同じです。
そのため、昼食が残ったと、比較的容易に特定できました。
予想としては、最初から昼食でした。
変わったのは、それが予想ではなくなったことです。
原因が絞れると、対処はむしろ簡単になる
心当たりがついたあとは、意外なほど簡単でした。
食後に10分歩く。 その時間もなければ、腿上げを30回。 それだけです。
私の場合、これで昼食後の眠気は来なくなりました。
これは人によって異なると思うので、誰もがそうすれば解決するとは限りません。
「いいと思われる習慣をなんでも取り入れる。」
それもアリだと思いますが、新しい習慣が自分に合うか、定着しやすいかという問題があります。
私の場合、新しい習慣が自分の目標達成のために必須であると理解しているので、今のところ無理なく続けられています。
固定(この場合新たな習慣の導入)すると、変動要素だけが残るので原因が特定しやすくなる。
それが重要なポイントでした。
順序のほうを、記事にしました
ここまで書いてきたことを整理すると、やったことは3つでした。
動かせない条件と、日によって変わる条件を分ける
変わる条件のうち、どれかひとつを一定にする
それでも残った差のほうに、別の変数を探す
この順序については、以下サイトのガイド記事として、一般的な形でまとめました。
年齢のように動かせないものと、日によって変わるものをどう切り分けるか、という話。
昼食と午後の眠気そのものの仕組みについては、別のガイドで扱っています。
血糖と筋肉の話、そして「食べる順番」だけでは説明がつかない部分の話。
変数を並べる仕組みを作っています
私がやったのは、結局のところ「条件を揃えて、残った差を見る」ということでした。
ただ、これを頭の中だけでやるのはかなり面倒です。
前の夜に何を食べたか、その週にどれくらい動いたか、昼に何を食べたか。
記録は別々のアプリに散らばっていて、並べて見るには自分で表を作るしかありません。
meiseki OS は、そこを引き受けるために作っています。
散らばった記録を同じ時間軸に並べて、続いた日と続かなかった日で何が違ったのかを、自分で見比べられるようにする。
判断の材料を、見える場所に置くだけです。
体調のノイズに判断を曇らされず、自分の状態を踏まえて決められる状態。
冒頭で認知負荷と書いたのは、このことです。
それを「明晰な意思決定」と呼んで、そのための仕組みを作っています。
※本記事は私個人の体験と、一般的な生理の話であり、特定の食事法・トレーニング法や治療を勧めるものではありません。体調や睡眠、体重の管理に不安がある場合は、医療機関・専門家にご相談ください。
※補足説明を一部追記しました(2026年8月13日)
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