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キャロットクラブ「母馬優先」馬は本当に走るのか ― 10年分のデータで検証

キャロットクラブの募集において切っても切り離せない要素…母馬優先制度。
これは、その馬の母がかつてキャロットクラブの現役所属馬だった場合に、当時その母馬に出資していた会員へ優先的に出資権が回る制度です。

あくまで会員側の特典制度であって、母馬の実績を審査して優先的に選ばれた「期待の一頭」というわけではありません。

本記事は下記の馬体診断ツール作成を作る際に出たデータ分析を元にしています。
興味があれば一読ください。


とはいえ、「母がクラブ生え抜きの馬」という括りなので、実際どのくらいの頭数がこの枠に該当していて、成績面でどんな傾向があるのか気になったので、2016〜2025年募集の10年分のカタログを調べてみました。

まず勝ち上がりから見る

2016〜2023年募集分(721頭、うち母馬優先332頭・非該当389頭)で比較すると、次のようになりました。

デビュー率・勝ち上がり率・獲得賞金のいずれでも、母馬優先馬の方が明確に上回っています。
母馬優先馬は全頭ベースで6割強が勝ち上がっており、非該当馬(5割強)と比べて10ポイント前後の差がついています。

制度上は「会員特典」であって「活躍が見込める馬に付くバッジ」ではないのですが、結果として「母がキャロット生え抜きで走った馬」という括りが、そのままある程度の質の高さを反映している格好です。

念のため、デビュー時期に差がないかも確認しました。
平均デビュー月齢は母馬優先31.8か月、非該当31.7か月とほぼ同じで、「優先馬の方が早くデビューできて有利だった」という説明も成り立ちません。

芝・ダートの適性別に勝率(出走回数に対する勝利数)を見ると、芝は母馬優先14.6%対非該当11.9%と差が付く一方、ダートは12.6%対13.4%とほぼ横並びでした。
母馬優先の強みは主に芝適性の産駒に出ている可能性があります。
これは全体を通して母馬優先に回ってくる馬は芝馬は多い可能性がありますね。

価格帯はほぼ同じ

「母馬優先だから高く値付けされているのでは」と思いきや、募集価格自体はほとんど変わりません。

年度別に見ても大きな傾向差はなく、年によって数百万円ブレる程度で、母馬優先だから高い・安いといった一貫した違いはありませんでした。


つまり冒頭の勝ち上がり率の差(61.4%対51.2%)は、「母馬優先馬の方が高く売られているから当然差が出る」という価格差では説明できません。
同じ価格帯でも母馬優先の方が結果を出している、ということになります。

年度別の該当頭数・比率の推移

募集年全募集頭数母馬優先対象比率



2016〜2018年は3割台でしたが、2019年以降はおおむね4〜6割台で推移し、直近2024年は6割超まで上昇しています。
母馬優先の対象になる馬の割合は、年を追うごとに緩やかに増えている傾向が見えます。

母馬優先から出た活躍馬

2016〜2023年募集の母馬優先対象馬(332頭)からは、サートゥルナーリア、マルシュロレーヌ、ヴェラアズール、ナミュール、タスティエーラ、エフフォーリアなど、GIを勝った馬が10頭出ています。
重賞級まで広げると16頭です。

母馬優先というのは「良い馬に付くお墨付き」ではなく「会員への還元制度」ですが、クラブが長く付き合ってきた牝系から結果として活躍馬が出やすくなっている、という見方はできそうです。

以上です。
みんな、牝馬を買いましょう!笑
うまうまでした。

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