キャロットクラブ、募集価格はここ数年でどう変わったか ― 価格と回収率の推移
キャロットクラブが2026年度の募集確定馬94頭のラインナップを発表しました。
厩舎情報や測尺はまだ出ませんので、過去の諸々を振り返りながら皆さんと一緒に本募集を待ちたいと思います。
これを機に、キャロットクラブ単体で募集価格がここ数年どう推移してきたか、そして価格が上がった分だけ回収しにくくなっているのかを、ウマアイ -eye×AI-のデータベースで振り返ってみます。
本記事は下記の馬体診断ツール作成を作る際に出たデータ分析を元にしています。興味があれば一読ください。
2009年産→2024年産で約2.0倍

2009年産の平均募集価格は2,398万円でしたが、2024年産では4,717万円まで上昇しています。約15年で2.0倍です。
2014年産あたりまでは2,400〜2,600万円台でほぼ横ばいでしたが、2015年産で3,000万円台に乗り、2021年産以降は3,900万円〜4,700万円台と、上昇ペースがはっきり速くなっています。
回収率は2009〜2019年産平均で1.10倍

価格が上がった分だけ回収しにくくなっているのか、1頭あたりの獲得賞金÷募集価格(回収率)も見てみます。
現役途中の馬を含めると回収率が実態より低く出てしまうため、2026年時点で大半が引退している2009〜2019年産(成熟世代)に絞りました。
11年間の平均は1.10倍で、全クラブ平均(1.02〜1.05倍程度)と比べても遜色ない水準です。
年ごとに見ると0.75倍〜1.54倍とばらつきがあり、単調に悪化・改善しているという傾向は見られません。
突出した年には、突出した馬がいる
とくに目を引くのが2014年産(1.36倍)と2017年産(1.54倍、最高値)です。
2017年産は、ヴェラアズール(募集価格1,600万円)1頭だけで単騎回収率34.0倍という異例の稼ぎを叩き出しており、この年の平均を大きく押し上げています。同期にはレシステンシア(GI級)もおり、2頭の活躍が重なった年でした。
2014年産は、リスグラシュー(GI級)とレイデオロ(GI級)という、のちにJRA賞を獲るクラスの馬が同じ年に揃った、いわば当たり年です。
2018年産(1.10倍)もエフフォーリア(募集価格2,800万円)が単騎で26.3倍稼いでおり、平均を下支えしています。
逆に2009年産・2019年産(いずれも0.75倍)は、突出した大物がおらず、平均が回収ラインを割り込みました。
大当たりを除くと、平均も中央値もかなり下がる
回収率の平均は、少数の大当たり馬に引っ張られやすい性質があります。
実際どれくらい引っ張られているのか、1頭単位の分布で確認してみます。
2009〜2019年産・全915頭のうち、獲得賞金が0倍(未勝利のまま賞金を得られなかった馬など)が23.3%、募集価格の半分にも届かない馬(0〜0.5倍)まで含めると58.0%にのぼります。募集価格の1.0倍以上を回収できた馬は29.1%でした。
このデータの中央値は0.29倍。
平均1.10倍とはかなりの開きがあります(このような平均と中央値の乖離は全クラブでも同様に見られる傾向)。
獲得賞金の上位1%(9頭)だけで、全915頭の総回収額の18.6%を占めます。上位5%(46頭)まで広げると42.7%。
この上位1%を除いて平均を計算し直すと、1.10倍から0.92倍まで下がります。
つまり「平均1.10倍」は、ヴェラアズールやエフフォーリアのような一握りの大当たり馬に大きく支えられた数字であり、真ん中あたりの馬の実感(中央値0.29倍)とはだいぶ違います。
2014年産・2017年産が高く見えるのも、この大当たり馬が同じ年にたまたま集中したからです。
まぁ当たれば大きいと言えど、これが現実というところでしょうか。
この数字の注意点
回収率の「獲得賞金」はJRA(中央競走)の総賞金のみを使っています。出走手当や特別手当など、クラブ側の配分に関わる収入は含んでいません。実際の一口出資者の手取りとは別の数字である点にご留意ください(手当を含めた回収の仕組みは別記事「募集金額を回収するにはどうすればいいか」で扱っています)。
平均値は少数の大当たり馬に引っ張られやすく、「その年に出資していれば平均並みに回収できた」ことを意味しません。中央値(0.29倍)の方が真ん中の馬の実感に近い数字です。
2020年産以降は現役途中のため、この検証には含めていません。
まとめ
キャロットクラブの募集価格は2009年産2,398万円→2024年産4,717万円で約2.0倍、2021年産以降は特に上昇ペースが速い
回収率(2009〜2019年産)は平均1.10倍で、価格上昇の割に大きく悪化はしていない
ただしこの平均は上位1%(9頭)が総回収額の18.6%を占めることで支えられており、中央値は0.29倍、募集価格の半分にも届かない馬が58.0%を占める
2014年産・2017年産のような当たり年は、少数の大物馬(リスグラシュー・レイデオロ・ヴェラアズール・エフフォーリアなど)に支えられている
回収率の「獲得賞金」はJRA賞金のみで、出走手当等は含まない
最後まで読んでいただきありがとうございます。
参考になったらいいねをいただけると励みになります。
今後もこうしたデータ分析記事を発信していくので、よければフォローもお願いします。
※本記事のデータはウマアイ -eye×AI-独自データベースの集計であり、出走手当等クラブ配分は含みません。将来の募集価格や個体の成績を保証するものではありません。
