「創作大賞2025」授賞式の前の日の「前日交流会」から行ってみた、という話。写真少なめ。(授賞式レポート1)
普段はTALESでコツコツと小説を書いております、紘野 流(ひろの ながる)と申します。noteはたまにしか書かず、使い慣れていません。
今年の春頃に「TALESというサービスが始まった」と周囲の噂で聞いて、普段は小説を読むことすらないのに、なんとなく小説を書いて投稿するということを始める機会なのかもしれないと思い、いろいろ試行錯誤をしながら半年ほど書いていました。
自分には何が書けるのかも知らない(ホラーとかミステリーとかのジャンル名の定義もよく知らなかった)ので、最初に歴史物を書き始め、次にラブコメも書いてみて、3つ目にミステリーというジャンルのものを書いてみようと、ミステリーの定義も知らないのに無謀にも書き始めたのが、『靴音はラプソディアのように』という小説でございました。「小説」の定義も合っているかどうか分からないけど……。

「靴磨き師が、靴を見て謎を解く」という、いや無理ありすぎだろという設定からなんとかこねくり回して形にしたお話で、案の定ミステリーと言いながら大した事件も謎も起こらず、なんか靴を磨いてるらしいという話です。
でもでも、この『靴音はラプソディアのように』、どうも作者には分からない魅力が生めたようで、好評の声をいただき、ランキングやコメント数なども次第に上がっていって、作者はもうその理由がわからずにビビりながら、なんとか書き進めておりました。
そしてこの度、「創作大賞2025」の#ミステリー小説部門において、
という大手2社の出版社様のご推薦をいただきまして、「入選」となりました。本当に過分な賞をいただき、身に余る光栄です。ありがとうございます。
既定の文字数まで書き進められたのは、読んでくださったりコメントくださったりしてくださった読者の皆さんに背中を押されたからに他ならず、ひとえに読者の皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。
「前の記事にも書いただろ。何回書くんだよ」という批判が来そうだなと察知したので、「いやこの記事で初めて読んだという人のために書いてます」と予防線を張りまして、先に書き進めます。
10月24日(金)に「創作大賞2025」の授賞式が東京恵比寿で開催されるとのことで、入賞者も参加してねとご連絡をいただけて、ド素人の私なんかが行く場じゃないだろうと最初はビビっておりました。
しかも翌日の10月25日(土)は、小学生の次男と三男の運動会の日。地方在住の私には、金曜の夜に開催の授賞式が終わってすぐ飛行機で帰っても、次の日の朝に帰っても間に合わないので、無しかなーと思ってました。
でも子どもたちは「行ったほうがいいと思う。練習してる運動会のダンスはあとで家で見せてあげられるけど、授賞式に出られるのは一生に一回かもしれない」と背中を押してくれまして、上の長男も「こっちは何とかなるから大丈夫」と頼もしげに言ってくれて、弟たちの運動会もオレが保護者として見てくると言ってくれるので、思い切って東京に行ってみることにしました。
長男が生まれてから十何年間、毎日子どもたちの夕食を作り続けなければならないから飲み会や食事会などの類に一度も行ったことがなく、友達もおらず夕刻以降はいつも家にいてせっせと買い物や料理をしている私のことを、長男は気遣ってくれてたみたいです。
特に授賞式参加を強く勧めてきたのは、小5の次男です。彼はどうやら創作に興味があるらしく、私がTALESをやり始めてコメントに一喜一憂しているのを見て、私の知らないところでこっそりとTALESで物語を書いて投稿していたことがあるのです。
私が最初に書き始めた作品は、『陰陽の濤 〜防芸厳島戦記〜』という歴史小説なのですが(ちなみに「創作大賞2025」#エンタメ原作部門で中間選考を通過したよ)、
この小説がTALESの「歴史・時代」ジャンルで少しずつ日間ランキングが上がってきたなーという頃に、3位だったこの『陰陽の濤』の上の日間2位に、「小学5年生が書きました」という触れ込みの歴史小説が突然現れた日がありまして。次男に「同じ小5ですごい人がいる!」と教えたら「それオレだよー」と。人生の中であれほど悔しい日はなかったというぐらいにショックを受けまして。それで悔しくて書き直したことが、中間選考通過の結果に結びついたのかもしれません。
そんな次男が、「なんかクリエイターって、夜な夜なクリエイターと交流してるっていう気がする。もっと他の人と会ったほうがいいと思う」と、運動会よりも授賞式を優先するように強く勧めてくれまして。これが決定打となった感じです。
運動会の件ですが、確かにコロナ禍からは助かっています。コロナ禍を経てから、小学校の運動会は午前中で終わるコンパクト化が進み、「給食を食べて終わり。弁当は要らない」という形式になって、弁当を作る必要も午後まで学校に拘束されることもなくなったからです。だから昔に比べると子どもたちにとっても「運動会、がんばるから絶対に見にきてね!」という大イベントでもなくなっていて、親としてはすごく助かっていたのです。
今回も「ダンスと駆けっこぐらいだしね。別に親は観に来る必要はないよ」と、子どもたちは思っているようで、授業参観よりも無関心でいいぐらいの考えのようなので、それは非常に助かりました。
そして、授賞式は夜の開催だからと、10月24日当日の朝の飛行機を予約しておいたのですが、予約した次の日ぐらいに、運営事務局から「前日の23日に、受賞者だけで集まる前日交流会を企画しましたがどうですか」という旨の連絡メールが来まして、うわー行きたかった!となりまして。
その話を子どもたちにもすると、「それも絶対行ったほうがいいよ。飛行機って予約キャンセルできないの?」と言われまして。確かに……と思って調べたらまだキャンセル料が0円で日時変更できる期間内。子どもたちも「こっちはこっちでうまくやっとくよ」と頼もしいこと言うので、お言葉に甘えて前日も行かせてもらうことにしました。
私たち親子は3年ほど前まで東京に住んでいましたが、長男がコロナ禍の中で心身が弱り始め、私もちょっと参り始めていたので、子育ては地方でやろうと思い切って地方移住をしました。東京に来たのはそれ以来。また子どもを置いて外泊するのも10年以上ぶり。飛行機に乗ったのも移住以来の久しぶりでした。
前日交流会は千代田区麹町にあるnote本社が会場とのこと。羽田空港に昼頃に着き、東京モノレール→山手線→有楽町線と乗り継ぎ、麹町までやってきました。

会場近くにホテルを取りまして、チェックイン。ラフな格好で東京に来て、そのままの格好で参加したのですが、靴だけは履き慣れてるスニーカーから、別に持ってきた革靴に履き替えて行きました。
『靴音はラプソディアのように』という、靴がいろいろ出てくる話を書いて応募しておきながら、なんでそんなボロボロのカジュアル靴なんだと絶対ツッコミが入るだろうと思って……。
そう、『靴音はラプソディアのように』の作者は実は靴のことには全く興味も知識もない人間だったのです。ほんとすみません。
ちなみに、なんでそんなに靴に興味がないかというと、15年前ぐらいに、マサイ族の歩き方ができるという「MBT」というスイスのメーカーの靴を知ってからというもの、あまりに歩きやすいのでその靴以外があまり履けなくなりまして、それ以外の靴を知る機会がなかったのです。当日に履いていた靴もMBTの革靴。「紘野さんは立ち姿勢がキレイですね」とよく言われますが、あれはMBTという靴を履いていると真っ直ぐにしか立てないのです。
で、MBTはどれだけ歩いても疲れない靴なので、開場時間までは会場近くの史跡やら何やらをうろうろと見て歩く。

前日、「あれ? もしかして名刺とかいるのでは?」と思ってしまって。会場近くの四谷で受け取れるスピード印刷屋さんに発注して、到着前に受け取りに行きました。実際、名刺を用意されている参加者さんは多くいたので、持っていってよかったです。
で、開場時間にnote本社に到着。

スマホを見たら、この日の写真はこのエレベーターの写真が最後でした。会場内の写真は一切撮ってなかった。撮る暇がないぐらい、皆さんとのお話が楽しかったという感じです。noteが主戦場ではないユーザーは、後で記事にするために写真を撮っておこうという気が回らないのだ、と後で思ってしまいました。
ここからは写真なしで、思い出しながらのレポートです。
note本社の前日交流会に集まった受賞者は、約30人。開催前日に「この約30人がくる予定」という来場者リストが運営事務局から送られてきまして、これがとても助かりました。「ああ、お会いしてみたかったあの作者さんも来られるんだ!」と前もって心の準備ができたのは、超人見知りの私には大きかったです。
中間選考通過作品の490作品は発表されてから一通り目を通していたのですが、最終結果で誰がどの賞を受賞したのかも、これ言っていいのか分からないのですが、一応受賞者は発表ページの下書きの確認があるので数日前に知ってはいました。
今回の「創作大賞2025」は、エッセイ部門の応募者や受賞者が多かったということで、note勢のほうが多く、会場でもnoteの皆さんは既に顔見知りの仲良しさんが多いように見えて、TALES出身で友達ゼロで超人見知りの私はドキドキで端のほうにポツンといました。
でも、noteとTALESのスタッフさんたちが積極的に声をかけてくださって、また他の受賞者さんのことを教えてくださったり繋いでくださったりして、私もようやくいろいろな方々とお話ができ始めました。
で、今回、超人見知りの私でも「どうしてそんな話が書けるんですか」となんとかして聞いてみたい方々が一覧の中にいらっしゃり。
まずは、#ファンタジー小説部門で入選となった2作品。
『パラダイム・ロスト 満州1942』の上村肴さん(ずっとカミムラさんだと思ってて正しくはウエムラさんでした)、『魔法が使えない魔導師と、霧の大陸の教え子たち』の稿累華さん(ずっとシマ(縞)ルイカさんだと思い込んでて正しくはコウルイカさんでした)のお二人。
というのは、「創作大賞」はこれまでファンタジー小説部門ではメディア大賞はおろか入選すら1作品も出たことがないらしく、ファンタジー全盛の「小説家になろう」や「カクヨム」など他サービスのユーザーが「創作大賞ではファンタジーでの挑戦は無理なのではないか」とSNSで言い合っているのを何度も見たことがあって。
そんな創作大賞の鬼門のファンタジー部門についに風穴を開けた2作品です。そして、やっぱりお話がとても面白い。他サービスでよく見る安っぽいファンタジーとは(小説素人の私の目から見て)格が違うというか、「そうか、創作大賞はファンタジーにここまでのレベルを求めてたんだな」ということをはっきりと分からせた作品だと感じてました。
だから、なんでそんな作品が書けるのか聞いてみたくて。「でもそちらはミステリー部門で違いますよね?」と敬遠されたら、「いや、同じ文春文庫さんの推薦もらってます!文春文庫推薦組の仲間だと思ってます!」で押し通そうと思って。そんな心配は杞憂に終わり、お二人ともすごく戦友のように仲良くしてくださって。ものすごくたくさんのお話を聞くことができました。
この2作品を読んで「自分はさすがにここまで書ける力はないから、自分にファンタジーは無理かなー」と思ってましたが、お二人の話を聞いて勇気が湧いてきて、ファンタジーも逆に挑戦は面白いかもと思えるようになってきました。いつかファンタジーも書こう。そうしよう。
そして、#ミステリー小説部門で入選止まりだった私にとっては、その上のメディア大賞(光文社賞)を受賞された『毒の声 ~法中毒学者 家達ルイの事件簿~』の高津ナジミさんがいらっしゃると知ってぜひお話を聞いてみたいと思っていて。
中間選考で私の『靴音はラプソディアのように』が通過したと連絡があって、ミステリー小説部門で通過した36作品の一覧を目にして全部読ませていただいた時、私にはどれもレベルが高くて、その中でも特に、高津ナジミさんの『毒の声』と、悠井すみれさんの『薄雲花魁 謎解き座敷』の2作品のクオリティはとてつもなく高すぎて、メディア大賞はこの2作品のどちらかが取るだろうと確信していました。(結果、どちらも大賞を受賞されました。やっぱりすごい!)
この2作品をはじめ皆さんの35作品のレベルの高さに打ちのめされた私は、『靴音はラプソディアのように』は中学生の初心者の書き殴りのようなレベルでしかないなと早々に見切りをつけて、さっそく終章にしてラストへ向かい始めました。安易にミステリーなんか選んでごめんなさいと。
『毒の声』はそんな気にさせてくれたほどの素晴らしい作品で、作者の高津ナジミさんを見つけて恐る恐る挨拶をさせていただいたのですが、高津さんは「私はリサっちが好きです」と、まさかの私もとっくに忘れていたわずか12話完結の落選作品『リサっちは、調べたい!』のことをおっしゃられて。えー、ずきゅーん、と胸を撃ち抜かれてしまいました。
受賞作の序盤だけを読んでみた感想なんかで話を進めることって比較的可能なわけですが、いやいや普通『リサっち』知らんやろと。お話を聞かせていただいて、すごい好奇心と稀有な視点をお持ちでインプット力もアウトプット力も極めて高い方だと感じ、すっごく勉強させていただきました。
そして、#エンタメ原作部門の中ですごく好きだった『レンタルマイセルフ』がメディア賞を受賞しており、それも『毒の声』の高津さんの作品だというのに気づいたのは翌日の授賞式で冊子を見た時でした。ガーン。
そんな皆さんをはじめ、中間選考発表の時からたくさん読ませていただいた素晴らしい作品の作者さんにたくさん出会えて。皆さん本当に優しく接していただいて。素人の私にたくさんのことを教えてくださって。ステキな時間はあっという間に過ぎていきました。
上記のように、TALESで活躍中の皆さんには恐る恐るお話をさせていただいたのですが、note勢の皆さんの輪の中にTALESしかやってない私が入ってもいいものかどうか、本当にドキドキで躊躇していたのですが、あとで後悔したので翌日には少しずつnoteの皆さんにもお話を伺いに行きました。(お話できなかった皆さん、ごめんなさい!人見知りです)
会場の写真が全然なくて、noteに慣れない私の文章力では伝わりにくいんですが、すっごく盛り上がってました。
軽食や飲み物もたくさん用意されていて、スタッフの皆さんもたくさん人と人とを繋いでくださってて、素晴らしいおもてなしの空間でした。
そう言えば。
「『靴音はラプソディアのように』を書かれている紘野さんなら絶対に靴のことを査定されて怒られそうだと思って、靴は気合いを入れてきました!どうですかね?」という方が何人もいらっしゃって。私も靴のことは全く分からないので、大丈夫です!
それと「明るい方だと思ってたので、人見知りなのは意外です」というのもすごく言われました。生来の吃音症で極度の人見知りです。『靴音はラプソディアのように』の主人公の伊能羅磨が「セールスはしない主義」なのも、作者にセールス力がなくセールスのことは全く書けないからです。
何よりもやっぱり、読んでくださっているという方に直接お話を聞けたのは、本当に大きかったです。TALESで書いている時は、本当に孤独だったんですよね。小さなコメントが1つ来るだけでもすごく大喜びだったぐらいなのに、会場ではたくさんのご感想やご意見を一気に聞けて。
そして何より、それが「ご自身もクリエイターである方(しかも全員が受賞者という実力者)のご感想やご意見」であることがとてつもなく私には大きくて。全てのお話が、素人の私にはすごくすごく貴重な勉強になりました。
私は入選をいただいたのは過分な幸運に過ぎず、今でも何かの間違いだと思っているぐらいです。しかし、この場で受賞者という実力あるクリエイターの方々と同じ場で同じ立場でたくさんお話をさせていただけた、ということにとてつもなくありがたいと思っております。
そして、これは単なる前夜祭であって、そういえば翌日の授賞式が本番だった!とホテルに着いてから気づいたり。前日交流会でお話できなかった方や前日には来られていなかった方、そして審査したメディアの皆さんに、もっとお話を伺おうと強く思いました。極度の人見知りにはすごい勇気が必要なのです。
でも、前日の交流会がなかったら恐らく、授賞式当日にはそんな勇気もなく、ポツンと座って終わってたと思います。前日交流会という貴重な場を作ってくださった創作大賞の運営事務局の皆さんには、本当に心から感謝しております。ありがとうございます。
レポートというのは、こんな感じでもいいのでしょうか。こんな感じでもいいようでしたら、こんな感じで次の日の授賞式での話も書きますが……。長すぎじゃないかなあ。でも授賞式の会場ではもっと写真を(スマホですが)撮っていますので、もう少し分かりやすく伝えられるかも。『レンタルマイセルフ』のサービスが早く実用化されて、代わりの人が書いてくれないかな。
ということで、慣れないnoteで前日交流会のことを書いてみました。TALESで30話書いたぐらいのパワーを使いました。noteは私には難しい!
とりあえず、誰も読んでくれなくても、自分の備忘録として。
(つづく。多分)
よかったら、紘野流がTALESに書いている作品たち、お時間のある時にでも読んでみてくださいませ。小説を普段読まない人が、半年くらい書いてみたらこんな感じぐらいには書ける、ということが分かる作品たちです。
その他、「作品」ページの中に、いろいろあります。たった一つでも興味が惹かれるものがあれば嬉しいです。
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