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【#76】映画memo『木挽町のあだ討ち』

スキマからこんにちは。
今週の金曜も仕事が終わるやいなや、日比谷のTOHOへ向かった私。
会社が銀座にあってよかったー。19時前後の回にギリギリ間に合うんで。
 
正直に言うと、源監督の『東京タワー』や『大停電の夜に』があんまり好きじゃないので、「どうかなー、楽しめるかなー」と心配しながら観てきましたが、杞憂でした。極上エンタメでした。
 
源孝志監督最新作
『木挽町のあだ討ち』

※少しでも展開がわかることが嫌な方は、鑑賞後にお読みいただけるとうれしいです。

あらすじ

直木賞と山本周五郎賞をダブル受賞した永井紗耶子による同名小説を、柄本佑と渡辺謙の初共演で映画化したミステリー時代劇。

時は江戸時代。ある雪の降る夜、木挽町の芝居小屋「森田座」のすぐ近くで、美しい若衆・菊之助が父の仇討ちを見事に成し遂げた。その事件は多くの人々に目撃され、美談として語られることになる。1年半後、菊之助の縁者だという侍・総一郎が、仇討ちの顛末を知りたいと森田座を訪れる。菊之助に関わった人々から事件の経緯を聞くなかで徐々に事実が明らかになり、やがて仇討ちの裏に隠された「秘密」が浮かび上がる。

仇討ち事件の真相を追う田舎侍・加瀬総一郎役で柄本佑が主演を務め、森田座で謀略を巡らせる立作者・篠田金治を渡辺謙が重厚に演じる。仇討ちを成した者・伊納菊之助役で長尾謙杜(なにわ男子)、菊之助の父を手にかけ仇討ちされた無法者・作兵衛役で北村一輝、森田座の木戸芸者・一八役で瀬戸康史、森田座の立師・相良与三郎役で滝藤賢一、女形で衣裳方の芳澤ほたる役で高橋和也、小道具方の久蔵役で正名僕蔵が共演。テレビドラマ「忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段」などの時代劇や映画「大停電の夜に」で知られる源孝志が監督・脚本を手がけた。

映画.comより

序盤で「ん?」となる理由

この映画は『ブゴニア』や『クライム101』のときのように、あんまり多くを語らない方がよさげ。
でも多分、ポンコツADHDおばさんである私SUIが序盤の“あだ討ちシーン”で「あれ、なんか変だな」とすぐ違和感に気付いたので、観る人みんなが後半に突入する前に「なるほど、そういうことね」と合点がいくと思います。
 
なんで生首の血、あんなに少ないの?
どうして瀬戸康史、棒読みなの?
……って観ていて「?」がいっぱいになりました。
 
答えは、わりとすぐにわかります。つまり、ミステリーとしてはちょっと弱めかもしれません。ただ、それを余裕でカバーする面白さがあります。

芝居ラバーズによる“入れ子”構造物語

忠臣蔵を下敷きにしていたり、あだ討ちが〇〇(詳しく言うとつまらなくなるから言わないでおく)だったり、ストーリーが“入れ子”構造になっているのがよきです。
柄本佑をはじめとして、渡辺謙、北村一輝、滝藤賢一、正名僕蔵らのお芝居を愛していそうな人々が、舞台の裏側を表現しているのもいい。
 
先日観た『役者になったスパイ』でも同じような感じだったけれど、私は舞台の裏の話が好きらしいw
渡辺謙さんが長尾謙杜くんに芝居をつけたり、滝藤さんが立師となって殺陣指導を行うところは、なかなか笑えたりもする。

名台詞もいっぱいあったが、疲れているうえに何しろADHDなもので、細かく覚えてない。
パンフレットもまさかの完売で、追えず(この作品は当たるかもね!)。ご紹介できずにスミマセン。みんなの芝居愛が感じられるかのような脚本になっているんです。

お母さまに似ている佑くん

私はかつてドラマや映画を作る仕事をしていたのですが、佑くんのお母さまである角替和枝さんにお世話になったことがあります。だから佑くんを見ていると、親子だから当たり前とはいえ、「お母さまに似てるなぁ」と感じます。
お顔の雰囲気はもちろん、あの、あたたかい優しい空気感がね。とても素敵な方でした。
 
佑くんは、若い頃からたくさんお仕事をされていて、いつも面白いお芝居で魅せてくれていますが、今回の役も魅力的でした。飄々としてつかみどころがなく、人たらしの男を生き生きと演じている。お母さまもお父さまの柄本明さんも本当に上手ですよね。才能も遺伝するものなんだろうな。

個性派と演技派のガチンコ勝負

長尾くん、私は特に好みではないのですが(余計な一言を言わずにはいられないらしい)、所作がきれいでした。芸達者たちに囲まれてしまい、少し同情しちゃう。そうそうたるメンバーですから。
 
北村さんに「いいから斬れ」と迫られて「ど、どうしよう」ってなっているところがすごくよかったです。他でも大活躍している様子ですから、日本映画界で将来を期待されているんでしょう。
変な女に引っかからず、どんどんいいお芝居をして、おばさんを楽しませてほしい(と書いて「余計なお世話」と読みます)。
 
他にも正名僕蔵、髙橋和也の名演が目立ちます。お二人はなんだか夢に出てきそうな主張の強さですw 振り幅が広くて、毎回感心させられちゃいます。意外といえば、イモト。あれ、こんなに上手だったかしらんw
 
キャストたちのお芝居だけでなく、画の美しさも楽しめます。美術も東映の精鋭チームが結集しているようでいい。タイトルが仇討ちでなく、「あだ討ち」と平仮名になっていることにも意味があり、納得。
観やすい時代劇ですから、気になった方は劇場へぜひ!
 
今年もたくさん映画を観ようと思っているあなた。いつの間にか2月も終わり!
時の流れに身を任せきれない、そんな方は、フォローや「スキ」で応援してもらえるとうれしいです。
 
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