【#68】映画memo『ほどなく、お別れです』
スキマからこんにちは。
なんだか急にビシバシ真冬の寒さがやってきましたが、皆さんお元気でしょうか。私は寒かろうがなんだろうが、お出かけして美味しいものもたらふく食べているので、元気です(小学生かよ)。
さて、「涙腺崩壊系ムービー」を観てきました。
三木孝浩監督最新作
『ほどなく、お別れです』
※少しでも展開がわかることが嫌な方は、鑑賞後にお読みいただけるとうれしいです。
あらすじ
「小学館文庫小説賞」大賞を受賞した長月天音の同名ベストセラー小説を浜辺美波と目黒蓮の主演、「アオハライド」「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の三木孝浩監督のメガホンで映画化。葬儀会社に就職したヒロインが、指南役の葬祭プランナーとともに、「最高の葬儀」を目指す姿を描く。
就職活動に苦戦する清水美空には、「亡くなった人の声を聴くことができる」という、誰にも打ち明けることができない秘密があった。そんな彼女に運命を変える出会いが訪れる。彼女の能力に気づいた葬祭プランナーの漆原礼二から、葬祭プランナーの道に誘われたのだった。なにかに導かれるように葬儀会社「坂東会館」のインターンとなった美空は、漆原とタッグを組み、妊婦の妻を亡くした夫、幼い娘を失った夫婦など、さまざまな家族の葬儀を通して、「残された遺族だけでなく、故人も納得できる葬儀とは何か?」という問いに向き合っていく。やがて美空は、誰よりも真摯に故人と遺族に寄り添う漆原の姿勢に憧れを抱くようになり、自身も葬祭プランナーを志すことを決心する。
美空役を浜辺、漆原役を目黒がそれぞれ演じ、森田望智、光石研、志田未来、渡邊圭祐、古川琴音、北村匠海ら豪華キャストが顔をそろえる。さまざまなヒット作を手がけた岡田惠和監修のもと、ドラマ「ライオンのおやつ」の本田隆朗が脚本を担当。
涙腺に、一切の休憩なし
演技派のキャストみんなが“総出”で泣かせてきます。問答無用です。
周りの席でも、泣く人はずっとズビズビやっていて、時折、はたと我に返りますが、私も7割ぐらいは泣いていました。
本編を普通に観ていてもやられるんですが、私のようなアラフィフおばさんともなると、身内を亡くしたときのことも思い出してしまい、より泣く。
まだ観ていない方で「俺・あたしはどんなタイトルを観ても泣かないぜ」っていう自信のある方以外、大事な用事の前にこの作品を観ない方が賢明ですよー。
私は鑑賞後、「目蓋が重いぞ」ってなるぐらいに泣きましたw
凛とした目黒蓮と、丁寧な浜辺美波
目黒蓮が、納棺士も兼任する“葬祭プランナー”漆原をがんばって演じています。彼には静謐な雰囲気がよく似合うので、無理して演じている感もない。大切な人を亡くしているからこそ、葬祭プランナーの仕事に真摯に取り組むことができる男性をきっちり演じており、所作も美しいです。
優しくも凛とした姿勢で遺族に向き合う様もよきですが、本作で彼の演技力の高さを改めて感じるのは、泣きのシーン。ある日突然妻を亡くし、行き場のない悲しみに慟哭する漆原の回想が絶妙なタイミングで差し込まれるんだけど、これがまた本当に上手で、ぞわぞわしちゃいます。
本作で主軸となるのは浜辺美波ちゃん演じる美空の成長物語。ふわふわしていた美空が、いろんな遺族と接し、自らの祖母の死を迎えることで、葬祭プランナーとしても人間としても育っていくわけですが、美波ちゃんのお芝居が丁寧なので、絵面としてわかりやすいです。
美空は死者の姿が見えるうえに会話までできちゃうという、いわばファンタジー設定。でも、美波ちゃんは目のお芝居がすごくいいから、「はい、この方の魂、お空へ行きました」というタイミングすら感じられて、「相変わらず芸達者さんね、あなた」って思わせられました。
志田未来と永作博美にKOされる
葬儀社の社長を演じる光石研さんも、美空の祖母を演じる夏木マリさんも、各エピソードのゲストたち(北村匠海くんや古川琴音ちゃん、野波麻帆さん、原田泰造さんら)も全員すごくいいのですが、とにかく志田未来ちゃんと永作博美さんのお芝居がずば抜けています。
美空の父を演じる鈴木浩介さんもさり気なくかなりいいけど、彼女たちの力がすごすぎて、正直霞んでしまっている感は否めない。
病に勝てなかった幼い娘の死を受け入れられない母を、志田未来ちゃんは驚愕の演技力で演じます。詳しくは劇場でどうぞ。あなたもきっと、娘を失った若い母を励ましたくなりますから。
永作さんにも毎回ビビらされちゃう。
今回、彼女に与えられたミッションは、長女を不慮の水難事故で失い、長女と一緒にいた姑(夏木マリさん)を責めるに責められず、次女である美空のためにも強く生きてこなければならなかった女性、という難役。
姑に本音をぶつけられなかった苦しみを抱えながら、同時に共働きの自分のために娘の面倒を見てくれた姑にものすごく感謝もしている。
だけど、旅立ってしまった姑に、もう思いを伝えることはできない。
そんな人が、すぐそこに存在している感じで演じているんですよ、永作さん。
ただただ、すごい。『人のセックスを笑うな』でも観直そうかしらん。
残された人が、どう前を向くか
人の死を扱っているので、多少の暗さはもちろんあります。でも、優しくあたたかい眼差しで人間を見つめた映画なので、観た人は癒されるのではないかな、と。家族や大事な人を失ったとしても、こんなふうに捉えればいいよね、というお手本にもなる気がします。
私の父も2年程前に亡くなり、最初は受け入れられず、くよくよしていたんですが、最近は「新たなフェーズに入っただけ」と捉えられるようになりました。いつも見守ってくれている感じがするし。
いつかまた会える日まで、毎日を楽しく大切に生きていきたいです。
映像的にも美しいシーンがたくさんあるし、心の奥を静かに揺らしてくれる一本。おすすめです!
まだの方は、劇場でたっぷり泣いてきてー。
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