【#47】映画memo『星と月は天の穴』
スキマからこんばんは。
ん-すごかった。どエロかったーw 本日は18禁だYO。
平日の日比谷の劇場は“エロを求めて三千里”なシニア男性で溢れていました。後半の絡みのシーンで、なぜか私の真横におじいちゃんが来て(トイレから戻ってきたのか?)、フガフガ言い出すもんだから――「ちょっと、私のエロを邪魔しないでっ」って心の中で叫んでました。
荒井晴彦監督最新作
『星と月は天の穴』。
荒井晴彦がホンも書いており、敏腕P&敏腕ラインPと組んでいるため、それはもう素晴らしかった。
※展開がわかることが嫌な方は、鑑賞後にお読みいただけるとうれしいです。
あらすじ
「あなたは軀と恋愛してるのよ」
妻に捨てられたこじらせ男の、滑稽で切ない愛の行方。
⼩説家の矢添克二(綾野 剛)は、妻に逃げられて以来 10 年、独⾝のまま 40 代を迎えていた。偶然に再会した大学時代の同級生(柄本佑)から、彼の娘が 21 歳になると聞いて時の流れを実感する一方、離婚によって空いた心の⽳を埋めるように娼婦・千枝⼦(⽥中麗奈)と時折り軀を交え、妻に捨てられた傷を引きずりながらやり過ごす日々を送っていた。実は彼が恋愛に尻込みするのには、もう⼀つ理由があった。それは誰にも知られたくない⾃⾝の〝秘密〟に、コンプレックスを抱えていることだった。不惑を過ぎても葛藤する矢添は、⾃⾝が執筆する⼩説の主⼈公・A(綾野=二役)に⾃分を投影し、20 歳も年下の大学生・B子(岬あかり)との恋模様を綴ることで、「精神的な愛の可能性」を探求していた。
そんなある⽇、矢添は画廊で⼤学⽣の瀬川紀⼦(咲耶)と運命的に出会う。車で紀子を送り届ける途中、彼⼥の〝粗相〟をきっかけに奇妙な情事へと⾄ったことで、⽮添の⽇常と心情にも変化が現れ始めた。無意識なのか確信的なのか……距離を詰めてきては心に入り込んでくる紀子の振る舞いを、矢添は恐れるようになる。
一方、久しぶりに会った千枝子から「若いサラリーマンと結婚する」と聞き、「最後に一緒に街へ出てみるか」と誘い、娼館の外で夜を過ごす。恋愛に対する憎悪と恐れとともに心の底では愛されたいという願望も抱く矢添は、再び一人の女と向き合うことができるのか……。
映画と文学の“間”に溺れたい人へ
モノクロ基調の映像に、口紅などのポイントだけ赤を差す画で、おのずと昭和レトロな空気感が漂います。映画好きにはたまらない。綾野剛のお芝居も相まって、耽美な小説のページをめくっているかのようです。
煙草やお酒、昔の車、ザ・昭和なラブホというか連れ込み宿などで1969年らしさを感じさせる。って、さすがに生まれる前なので、雰囲気しか知らないけれども。退廃的な美しさが立ち昇っていて文学少女や青年のあなたの心に響きそう。
月刊『シナリオ』で脚本を確認してみました。どこまで原作に沿っているのか、必ずしも口語的ではないのにト書きもきっちり書かれており、自然さがいいです。役者のお芝居ばかりに頼っていないことが窺え、先日の山田洋次監督作品とつい比べてしまう。
荒井晴彦映画が“荒井晴彦映画”である理由は、やっぱり脚本の強度だ。
小説家のお話なので、万年筆でサラサラと小説を書いていくところはリアル感があってよかったのですが、テロップは個人的に若干やりすぎな気がしました。
男の“性”が、キモくて愛おしい
全体通して「男ってバカでしょ。可愛いっしょ?」みたいな、女に上目遣いしてきているようなところがあります。最初は「うんうん可愛いし、可笑しいよ」って観てましたが、大学生の紀⼦に「もういいのよ」って言わせた日には、そんな甘えんじゃねえよ、っておばさんは言いたくなる。
こちらとしては、ポーズだけでも虚勢張っといてほしいので。そんな男の「女子のみんな、ボクを包み込んでくださいっ」味が少ーしキモいです。キモいといえば、エンディングの紀子のおパンツ丸見えブランコも正直、気持ち悪さが勝ちました。言いすぎかw
それにしても、殿方よ、おちんとのお付き合いが大変そうですね。性欲の程度はもちろん人によるんでしょうが、シニア男性ターゲットの週刊誌にエロが漏れなくぶち込まれていることを考えると、歳取ってからも願望がおありなわけで……。ついてなくて、よかったw
綾野剛の役者魂に、今回も脱帽す
今回も綾野剛、極まってたなぁ。
彼は本作のインタビューで、こんなことを言っています。
「感情も表情も行動も台詞に全部書かれていたので、お芝居を肉体化せず、拡声器に徹していた」と。
小説家たらんとする面もあったのでしょうが、抑制の利いた淡々としたお芝居をしていて、とてもよかったです。
作家のわりにちょっとガタイは良すぎなんだけどね。大きくしちゃっている身体をコンパクトにするのは難しいんだろうな。
足長いなー、私が咲耶ちゃんだったら現場で好きになっちゃってしんどかっただろうなー、しんどくてもいいかぁって余計な心配してましたw
女は、“上書き保存”で生きている
こじらせ矢添おじさんを受け止める女たちも面白かったです。
特に千枝⼦を演じる田中麗奈の受け芝居が最高。矢添の小説の話を聞いているときの楽し気な朗らかな様子が本当によかった。
お別れ前のところも切なくて、残酷で、うっかり泣かされそうでした。
千枝⼦には結婚話があり、心を決めているんだけど、矢添のことを好きなんですよね。ちょっと泣きつつ、気が済んだらブランコを降りて、未来へ突き進んじゃう。この辺が女のシビアなところですよねw
体当たり芝居でバンバンよがっていた咲耶ちゃん(他に言葉が見つからない)は、広田レオナのお嬢さんらしい。良くも悪くもお母さんの姿が脳裏に浮かびました。若尾文子を意識したという話し方は、聞いているとトットちゃん・徹子の姿もよぎります。
まぁとにかく、品良くエロい。大人の階段を上りたくなった方は、『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』と併せて、こちらもぜひ劇場へどうぞ!
最後まで長文を読んでくださってありがとうございます。
エロ熱で盛り上がってすみませんね。
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