漫画家アシスタント物語 第9章 〈5〉 テレビが信用できない理由
《写真上: 私の右隣の音響機材、カセットテープの扉は崩壊しホコリが溜まり、ラジオのみ音が聞き取れるという代物。30年以上、昭和の音、ユーミンや小島慶子だの荒川強啓、そして野球中継を毎日聞いていました。2011年》
< この9章〈5〉は、文庫本約9ページ分 >
「第9章」は、独立した「章」ですので、「第8章」の続きではありません。ほとんど短いショートストーリーですので、「第9章〈1〉」(無料)より、お楽しみいただけます!
ただし‥‥ この「第9章」は、それぞれの話が少しだけ連続していますので‥‥ 「第9章〈1〉」よりお読みください!
それから‥‥
はじめての方は、「マガジン:第1章、第2章」(無料)がお薦めです!
その9
《 漫画家アシスタントが・・・お笑い芸人をやれるのか!? 》
確か‥‥ 2011年の11月頃だったと思うのですが‥‥
テレビの制作会社からのオーディション出演依頼( 事実上のTV出演依頼 )は、女性のADさん( アシスタントディレクター )からの電話でした‥‥( ※参照 )
「 よく分からないので、少し考えさせて下さい 」
‥‥何も分からない私は、そう答えてからネットでその番組を調べると‥‥‥‥ どうも、素人の目立ちがり屋さん( 真面目に求職してる人も )を芸能界にスカウトする様な番組‥‥‥‥
出演者を見ると‥‥‥‥ いずれもユニークな面々が‥‥‥‥ 確かに視聴者には刺激的な方々がそろっておられる‥‥‥‥
一応、民放で日曜の夜に流れるメジャーなバラエティー番組だが‥‥ お笑いのセンスや特異な芸能とは無縁な私には付いていけない‥‥‥‥
この「 テレビ出演 」の事を知ったうちのカミさんは‥‥
「 テレビに出るの? スゴ~~イ、良ィ~じゃナ~イッ! 」
‥‥と、喜んだりしたのですが‥‥
「 冗談じゃないよ、これは、結局‥‥ 笑い物になる番組だよ! 」
‥‥と、キッパリ断るつもりだと‥‥。( このブログの読者の中にも、残念に思う方もおられるかも )
もっとも、私がタレントやお笑い芸人を志望しているなら、こうしたオファーは絶好のチャンスなのかもしれないのですが‥‥‥‥
ラジオでインタビューを受けるだけでも死にそうになっているのに、テレビカメラの前でお笑い芸人のマネごとなど出来るわけもなく‥‥‥‥。
翌日、今度は局のディレクターから電話が入ります‥‥
女性の優しい声ですが、機械的でクールな感じ‥‥
「 一応、こちらの演出の意図がありますので、それにそってですね‥‥ 」
‥‥やはり‥‥‥‥!
『 ‥‥カメラの前で道化を演じなくてはならないのだ! 』
私は、相手を怒らせない様に‥‥ 慎重に断るつもりで‥‥‥‥
「 ちょっと今、忙しくて‥‥ 出られそうもないんですが‥‥ 」
「 ‥‥はぁ、そうですか‥‥‥‥ 」
私の反応を「 想定済み 」といった感じで、軽くあしらいながら‥‥‥‥
「 もし‥‥ 今、なにか本でも出しているとか‥‥ 何かやっている様でしたら‥‥ うちの番組は影響力が大きいですよぉ‥‥ 」
この「 影響力が大きいですよ 」という一言が問題である‥‥‥‥ つまり、出演は本の売り上げに繋がるのだから‥‥‥‥ という「 バーター取引 」である。
テレビカメラの前で、ほんの短い時間、「 お笑い漫画家アシスタント 」を演じる事で出世の糸口( 何の保証も無いが )をつかむ‥‥‥‥
「 やはり‥‥ 出られませんので‥‥ 」
そう断る私に‥‥
「 そうですか‥‥ よ~く考えて下さいね‥‥‥‥ もし、気が変わったらすぐに連絡を下さい 」
‥‥奥歯にものがはさまったような言い方‥‥‥‥
‥‥この「 よ~く、考えて下さいね 」という言葉がやけに心に残りました。
‥‥‥‥これは、つまり‥‥‥‥‥‥
ディレクター氏が、私に「 バカになってくれ 」と言っているのではなく‥‥‥‥
彼女は、私に‥‥‥‥
「 利口になれ! 」
‥‥と、言っているわけです。
テレビカメラの前で小さなチンチンでも空っぽの脳ミソでも、全てさらけ出す( フリをする )勇気や根性が私にあれば‥‥‥‥
もう少しは‥‥ 面白い漫画が描けたのかもしれません‥‥‥‥‥‥

その10
《 漫画家アシスタントが・・・テレビを信じない理由!? 》
良いにつけ悪いにつけ誰でもマスコミと関わりを持つことが一度や二度はあるかと思います。
私は、このブログを始めた事で新聞や雑誌、さらにはラジオやネットテレビからの出演依頼まで、ありがたい事に関わりを持たせてもらいました‥‥
そこで、今回は特にテレビについて書いてみたいと思います‥‥‥‥
日常、最もよく接しますし‥‥ また、信頼もしているテレビなのですが‥‥‥‥ その実態は、かなりいい加減なものではないのか‥‥‥‥ と、いうのが私の結論です。
一般にテレビに出る事を‥‥ 「凄い」とか、テレビに出ている人だから「 信用できる 」とか勝手に思い込んでいますが、これは単なる錯覚にすぎません。
私は、テレビに出ている弁護士や学者をまったく信じていません。( レベルが高いとは思えない )
それには、こんな理由があります‥‥‥‥
私が「 サイコホスピダー 」という栃木県の精神病院で実際に起こった「 リンチ殺人 」事件をあつかった漫画を制作しました。 その時に、事件の被害者救済に尽力された精神科医を取材した事があります。( たまたま私の住む埼玉県の浦和に氏の務める病院があったのです )
この先生はユニークな人で、東大出身者ですが、60年代の東大闘争で活躍(?)した事もあり、また、上記の「 人権裁判 」などにも関わる「 統合失調症の名医 」と一部で高い評価を受ける人物でした。
「 先生は、テレビから出演の依頼とかはなかったのですか? 」
「 ありましたよ‥‥‥‥ でも、出ませんよ 」
「 なぜ‥‥ 出ないんですか? 」
「 事件を起こした犯人の精神分析( コメント )を頼まれたのですが‥‥ そんな事、出来ませんから‥‥‥‥って 」
ちなみに、この先生は女性です。 元東大全共闘の女活動家!( って言ったら怒られるかも )
私は、なぜ「 出来ない 」のか分からなかったので説明してもらうと‥‥‥‥
「 患者の診断は、簡単じゃないのよ‥‥‥‥ 1ヶ月位かけてやっと診断がつく場合もあるのに、テレビや新聞の報道だけで、患者( 犯人 )の心理分析をするなんて無茶なのよ! 」
さらに、先生は続けます‥‥‥‥
「 私が、そう言って断ると‥‥‥‥ テレビ局の人が‥‥ 皆さん(!)、そう言って断られるので困ってるんですよ‥‥‥‥ですって!」
「‥‥‥‥!?」
「 当り前よ、まともな医者なら出ないわよね! 」
「 じゃあ‥‥ あの‥‥ よくテレビに出ている精神科医のA先生は‥‥‥‥ いったい‥‥‥‥ 」
この質問には、先生はゲラゲラ笑うだけで何も喋ってくれないので‥‥‥‥
私は、友人の兄妹がA先生に診察を受けた時の話をしました‥‥
「 私の友人でその妹さんが鬱病でA先生に診てもらった時に、薬をもらったのですが‥‥ その薬を一度に呑んで自殺未遂( その後は寝たきり状態 )してしまったのです‥‥ やっぱりあの先生は‥‥ 」( 自殺しそうな患者に強い薬を与えるのは相当なバカ医者 )
「 えぇ~~~っ! あの人、臨床出来るの? 彼( A医師 )に診てもらう人がいるなんて信じられない! 」
専門医から完全に疑問視されている精神科医がテレビで堂々と犯罪者の精神分析( 誤診かも? )をし、アナウンサーもゲストも感心し‥‥‥‥ 挙句の果てに‥‥‥‥
「 テレビに出ている先生だから信頼できる 」
‥‥‥‥などという「錯覚」を生みだしているわけです。
医者にしろ、弁護士にしろ、本来の業務に多忙で、とてもテレビに出演なんかしている時間はないと、考えるのが健常な判断なのではないでしょうか。
( よほど天才的な先生なら両立も可能かも知れませんが )
私の友人でADHD( 注意欠陥多動症・遅刻しやすいとか気移りしやすい、自己中などの症状 )で医師の診察を受けている人がいるのですが、某テレビ放送局でこの「 ADHD 」の報道番組を作成した時に取材を受けたのです‥‥‥‥
この病気の症状は、外見上まったく分かりません。 また、その行動もほとんど普通の人と極端な違いは見られません。( 私の個人的な感想です )
「 遅刻 」や「 気移り 」などは誰にでもあることですから、程度の違いだけではよく分からないのです。
番組の取材クルーでは長い時間( 一週間以上 )カメラを回しても「 いい画像(え) 」が撮れないと、困惑していたそうです。
結局、取材班は「 見世物 」としての面白さが撮れない事にジレンマを感じていたのでしょう‥‥‥‥ そこで、一つの作戦を考え出しました。
それは‥‥
私の友人の家( マンションの一室 )の全ての部屋にカメラを設置し、24時間体制で彼を撮影し続けるというものでした‥‥‥‥
「 漫画家アシスタント物語 第9章〈6〉」へつづく・・・・
「第9章〈4〉」へもどる‥‥
「もくじ」 へ‥‥
~~~ 参照 ・第9章〈5〉 ~~~ ( 読んでも、読まなくても!)
【その9】
・テレビの‥‥ : 民放某局の「ドラフト」がど~のこ~のという番組で日曜の夜に放送している。実は‥‥私はよくわかっていない。
【その10】
・取材 : 某民放テレビ局から障害者のドキュメンタリー番組の取材を受けたのが、私の友人。彼は絵の仕事をして独立していますが、長年ADHDの症状に苦しんでいます。(外見上はまったく健常者と変わりません、仕事も優秀です)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いいなと思ったら応援しよう!
年金生活者にとって、とても嬉しいご支援! 感謝申し上げます!