漫画家アシスタント移住物語 13 まごころとは絶妙な調味料!
《 写真上:チェンマイ郊外から、市街へ戻る時のハイウェイの夕日です 》
お薦め:古いですが「漫画家アシスタント物語・エントランス」もどうぞ!
こりゃタイ編 その13
《 歳を取っても馬鹿のまま‥‥ こんなもんさと諦める!》
全ての仕事( 漫画家アシスタント、非常勤講師などの仕事 )を辞めて気付いたことについて書いてみたいと思います。
タイで隠居暮らしを始めてから5年目( 2022年 )になるのですが・・・・・・・・
「 退職してから早5年~♪ 今じゃ呑気な楽隠居ォ~♪ 」( クレイジーキャッツの『 五万節 』調 )
今回は、はじめてブログで音楽動画を引用させていただきます。これをBGMに少しだけ、C調( 無責任の意 )でいきまチョ~♪
植木等・ハナ肇とクレイジー・キャッツ Official Channelより
はじめて耳にする方も多いかと思いますが‥‥‥‥ これが60年前の流行歌なのです。 さて‥‥ このお気楽ぶりと、今回のブログのテーマには重要な関連があります・・・・・・・
ここからは、いつもの私のペースでいきますので、もう「五万節」はストップした方がよいかもしれません。( 錯乱する危険性があります )
では、つづきを‥‥
私は、若い頃から漫画家アシスタントの仕事が好きだった事は一度もないし、仕事を楽しいと思った事もありませんでした。
あくまで、目標は漫画家に成る事であり、アシスタントはそのためのステップでしかありませんでた。( 跳び箱を越せずに、踏切板の上に40年立ち尽くすのと同じ )
『 早くアシスタントなんか辞めたい・・・・・早く漫画家に成りたい・・・・・・・ 』
毎日、毎月、毎年・・・・・・そう思って年数だけが過ぎていく・・・・・・・・
気持ちだけがあぶられる様に空回りする・・・・・それは、先へ進めぬ檻の中のハツカネズミのようなもの・・・・・・・・・
時々、疲れてダウンして、また起きる‥‥‥
ここで、ちょっと‥‥ 一息‥‥ のんびりした画像を‥‥




アシスタントの仕事場の‥‥ ある日の会話‥‥
40歳過ぎになって中年太りしたアシスタントの先輩たちが薄暗い仕事場で机に向かいながら・・・・・・・
「 仕事をしている時って充実するんだよなぁ・・・・・ 」
とか・・・・・・・
「 そ~じゃの~、生きがい感じるの~ 」
・・・・・・・ってな会話には、私はとても付いては行けませんでした・・・・・・・。
朝起きてから寝るまで、土曜も日曜日もなく、ただ漫画家に成るために生きているだけでした‥‥‥‥
それを他人は「 夢のある仕事 」とか思うのかも知れませんが・・・・・・・なんだか味気ない殺伐とした日々なのです。
食事をしていても、常に本を読んだりDVDで映画をみたり、電車に乗っても本を読み( 皆さんスマホを見ていますが、車内で文庫本を読んでいる変わり者は私位なもんです )、映画を観ても常に漫画の勉強のためと気を張りつめているわけです。
数年に一度だけ旅行したタイでも、毎日旅行記を書いたり本を何冊も読んだり・・・・・・・漫画制作の現場からは距離があっても、片時も漫画が頭を離れる事がないわけです。( ‥‥‥‥これはウソ、漫画の事を忘れて遊んでました! )
師匠だったジョージ秋山は、自宅にいる時、少しの間は秋山勇二本人に戻り、それ以外の時間はジョージ秋山となって意識を集中( 感性の戦闘モード )させていました・・・・・・・
「 俺ぃはよ、ジョージ秋山だぜ‥‥いつもな 」
‥‥そんな事を言ってました。 実際、40年間一緒に仕事をしていて、本当の「秋山勇二」を見せた事は、ほとんどありません!
しかし、私( イエス小池 )の場合はその集中の深さが全然浅いので、一生うだつが上がらなかったわけです。
さて、初めてアシスタントをやった19歳の時から46年経って( 2022年 )、現在は呑気な隠居ジジイになったわけですが・・・・・・・仕事も勉強もクソくらえってな気分の道楽隠居です。
その事で一つ気が付いた事を書いておきたいと思います。
それは・・・・・・・・・「 味 」についてです。
退職して数ヵ月後にタイへ来たのですが、それからしばらく・・・・・・・そう、2年ほどして、タイ暮らしにも少し慣れてきた頃だったと思います・・・・・・・・
ある時、青空の見えるダイニングで鳥の声を聴きながら・・・・・・ 何気に食事をしていると・・・・・・ その味がいつもと違うのです。
いつも食べてる、ただの浅漬けなのに‥‥ ただのキャベツの浅漬けなのに‥‥
なにか違う‥‥‥‥
タイでは、よく家人が味噌汁や浅漬け、焼き魚などの日本食を作ってくれていたのですが・・・・・・・
その味がいつもと違う・・・・・・・ いや、料理はいつもと同じだし、味が変わるはずもないのに・・・・・・・ なんだか変だなぁ・・・・・・ と思っていたのですが・・・・・・・
数日後、私は自身の味覚が変わってきたのだとわかりました。
いつも、本やDVDを見ながら、セコイ根性でセコイ事をあれこれ考えながら食事していたので、その食事の本来の味が分かっていなかったのです。
40年、食事の味を十分に味わう事なく生きてきたわけです。
何気ない普通の味噌汁や菜っ葉の浅漬けなどが、ホントに優しく懐かしい・・・・・・ 豊かな味わいに満ちている・・・・・・・・
『 こんなに美味い事に気付かずにいたのか・・・・・・・ 』
すっかり頭は白くなり、脳ミソのHDD容量は激減し、体もすっかり衰え、歯はガタガタ、元気だったナニ( イカせた女は5万人~♪ )も今は昔の話・・・・・・・・・・
アッと言う間に歳を取った「 老人浦島太郎 」・・・・・・・・。
これが人生の味わいといったものなのでしょうか・・・・・・・・
古い映画で「 お茶漬けの味 」とか「 秋刀魚の味 」なんて映画がありましたが・・・・・・・・
きっと、似たような味わいなんだと思います。
私の場合は「 浅漬けの味 」でしょうか・・・・・・・・
ところで・・・・・・・・
上の写真にあるミカン農園ですが・・・・・・・・
ここのオーナーさんとは親しくしていて、よく食事に招かれたりパーティーに呼ばれたりします。
実は、私が暮らすこの自宅の建築時に2ヵ月も完成が遅れ、住む場所に困っていた事があったのですが・・・・・・・。
その時に、快くこのオーナーさんが自宅の一部を私たちに無償で貸してくれました。
いくら親しい友人とは言っても、他人( それも夫婦 )を自宅の一室へ1ヵ月も無償で居候させてくれる人は少ないと思います。
それを、ニコニコと私たちを迎えてくれたわけです。( ホントにニコニコと嬉しそうに! )
60歳を過ぎたこの農園主さんと、その奥さんに年頃の娘さんが二人、まるで絵に描いた様な穏やかで優しい家族です。( もちろん、普通の家族としての細々した問題はあると思いますが )
晩御飯もよく作ってくれる時がありましたが・・・・・・・・
その料理は、ごく普通の家庭料理なのですが・・・・・・・・・・・ 他と何も変わった所はないのですが・・・・・・・・・・・ 特別高価な料理というわけでもないのですが・・・・・・・ 何故か、やたらと美味い。
不思議な話ですが・・・・・・・・・・・
食事を作ってくれる人の、その人柄や優しさで味が変わってくるものの様です。
この微妙な味の違いは、漫画家に成る事で頭がいっぱいだった若い頃には、まったく分からなかったのです・・・・・・・・。
小さな器の中に盛られているものが・・・・・・・
温かい真心だということが・・・・・・・・
《 2022年2月:ブログ公開 》
「こりゃタイ編 その14」 へつづく・・・・
「その12」 へもどる‥‥
「もくじ・こりゃタイ編」へ‥‥
いいなと思ったら応援しよう!
年金生活者にとって、とても嬉しいご支援! 感謝申し上げます!