漫画家アシスタント移住物語 先生は死んでしまった‥‥
《写真上:1983年12月、忘年会。貴重な写真を先日見つけました。 画質が悪くて申し訳ありません。 これは、先生と一緒に撮影した唯一の写真なのです。 スーツ姿でマイクを持っているのが先生で、右が私です。》
お薦め:古いですが「漫画家アシスタント物語・エントランス」もどうぞ!
先生は死んでしまった‥‥
こうした追悼文のようなものを書く事になるとは思っていませんでした。
先生( ジョージ秋山、1966年デビュー『 銭ゲバ 』『 アシュラ 』『 浮浪雲 』、私は1978年に師事、2017年退社 )には怒られてばかりだったし、このブログ自体も嫌っていたその先生を追悼するブログを書くなんて・・・・・・・・・・なんだか申し訳ないような・・・・・・・・・・・・・・
そこで、今回は先生をしのびながら‥‥‥‥
最近( 2週間ほど前 )見た「 夢 」について書いてみたいと思います。
久しぶりに見た先生の夢です・・・・・・ これは、追悼文というより酔狂文に近いかも・・・・・・・・・
先生が亡くなったのが2020年5月12日・・・・・・・・・・ それを私たち元アシスタントが知ったのは、だいたい半月ほど過ぎてからでした。
そして、私が見た先生の夢というのは、それからさらに3週間ほど経った某日という事になります。
先生の夢は、今までに何度か( 何十回か )見ていますが、この夢もいつもと同じように仕事場が舞台になっていました・・・・・・・・・・・・










それでは‥‥
私の夢の話をつづけたいと思います。
夢の中では、私は先生の死を知りません。
まだ、仕事場で先生と仕事をしているつもりなのです。
仕事場は、他のスタッフが帰宅した後で、私と先生しかいません。
ただ、仕事場の雰囲気がいつもとかなり違います・・・・・・・ 机も椅子も片付けられ、ただ書籍やファイル、雑多なゴミや空き瓶、空き缶が床に散らばっているのです。
まるで、引っ越しの後片付けでもしている様な・・・・・・・・・・・・
私は、仕事場の中央に立ち、先生がいる個室に向かって歩いていきます・・・・・・・・
『 今日でいよいよ最後なんだなぁ・・・・ 』
・・・・・・漠然とそんな事を考えながら・・・・・・・・・・
「 最後 」といっても、私がアシスタントの仕事を辞めるという意味なのか、先生が引退して仕事を辞めるという意味なのか・・・・・・・・・ どちらなのかはわかりません。
窓から差し込む光で床に紙くずや空き缶が散らばっているのが分かります・・・・‥‥ やけに殺風景なのです・・・・・・・・・
『 最後なんだなぁ・・・・ 』
外は、曇り空なのか雨でも降っているのか、昼間なのに薄暗い室内・・・・・・・・・・・
私は、先生のその薄暗い個室に入ります・・・・・・・・・・・
いつもと同じ様に先生は、こちらに背を向けて机に向かっている・・・・・・・・・
いつもと同じ様に私は先生に声をかける・・・・・・・・・・・・
いつもと同じ様に「 センセ・・・・ 」と小さな声で・・・・・・・・・・・
しかし・・・・・・・・・・・
「 センセ 」と声をかけようとした時に、先生のデスクには、見た事のない漫画のキャラクターが描かれているのに気付きます。
『 まだ仕事をしているのだろうか 』と思って声をかけ損ねていると・・・・・・・・・・
「 これは、新しいやつだぜぃ~ 」
先生は新作のキャラクターデザイン( なんだか『 銭ゲバ 』っぽいけど )を描いていたのです。( 髪の毛に少し薄墨を入れている )
「 ここに付けるんだよ 」
先生はそう言って、わきに置いてあったA4ほどの大きさの「 厚紙模型 」を出して私に見せるのです。
その模型は、紙で作ったもみの木に雪が積もっている様な、クリスマスの飾り物みたいな模型で、「 ZENIGEBA 」というロゴが入っていました。
新作なのに、「 ZENIGEBA 」というのは変だなぁ‥‥‥‥ と思いつつも・・・・‥‥
この模型にキャラクターの絵を重ねてプロモーション用の写真でも撮るのかと・・・・‥‥ 私は勝手に納得するわけです。
『 きっと、後で編集員がカメラ機材を持って何人もやって来るな・・・・ 』
先生の部屋を出て仕事場へ・・・・‥‥
『 新連載かなぁ・・・・ こりゃ、仕事が忙しくなるなぁ! 』
私はスタッフを呼ばなくてはならないし、仕事の準備に入らなくてはならないと焦るわけです。
ところが・・・・・・・・・・・・
誰もいないはずの雑然とした仕事場には、もうスタッフが何人も集まっています。
それも、40年も前に辞めたスタッフも一緒にいるのです。
ヌイちゃん、50年以上も前の最初のアシスタント。1年間、風呂にも入らず、パンツも替えない伝説の人。今はフリーのアニメーター。
ガーさん、先生よりも女にモテる東京下町育ちのイケメン。少年キングでデビュー。その後、風俗人情物でカムバック。
シンさん、優しく美しい童謡の世界を志向したのに、現実は多重債務で眠れぬ夜を過ごした。苦しいアシスタント生活だった。
ケンちゃん、秋山プロで一番の背景プロ。他の有名漫画家からもスカウトされていた。( 故人 )
ヨシちゃん、坂本龍馬と維新史に詳しい「 歩く幕末 」と言われた堅物。
ノリちゃん、ユニークで個性的、毎日の様にスナックで朝まで( 吐くまで )飲んでた広島男。秋山プロで、最後までアシスタントを一人続けた。
先生は、そのスタッフたちに囲まれる様にして立っている。
スタッフの後ろには、担当だった「 ビックコミックオリジナル 」の担当編集員氏も来ている。
先生は、いつもの様に冗談( だか何だかわからない )を飛ばして皆を笑わせる。
「 やってるか? 」
仕事の話かと思うと・・・・・・・・・
「 女とやんなきゃダメなんだよ! 」
先生・・・・・・ 先生の話がもっと聞きたい・・・・・・・・・
皆が笑っている・・・・・・・・・・・ 面白そうだなぁ・・・・・・‥‥
先生・・・・・・・!
「 おめぃ~は、いつもよぉ~・・・・・・ 」
先生の話が・・・・・・・・
でも‥‥ もう夢が覚めている・・・・・・・・・・・
私は、目を閉じたまま先生やスタッフたちを追う・・・・・・・・・・・
しかし、もう誰もいない。
先生はいない・・・・・・・・・・
閉じた目には雑然とした仕事場が浮かぶだけだ・・・・・・・・・
紙くずとビールの空き缶・・・・・・・・・
「 おめぃは‥‥よぉ・・・・・ 」
もう聞けない先生の声・・・・・・・・・
ごめんなさい先生・・・・・・・・・・
ホントに・・・・・・ 馬鹿な弟子でした‥‥‥‥
その馬鹿弟子の思い出話は・・・・・・次回に・・・・・・・・・・
《 2020年7月:ブログ公開 》
「こりゃタイ編 先生との思い出1」 へつづく・・・・
「その10」 へもどる‥‥
「もくじ・こりゃタイ編」へ‥‥
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