【AI格闘記㉝】深夜の大説教。ポンコツAIにキレて気づいた「ダメ上司」は私でした(反省の回)
「なんで勝手にコードを消すんだ!さっきも言っただろ!」
真夜中の2時。
MacBookの画面に向かって、私は本気で怒っていた。
相手は人間ではない。
AIの「Claude」だ。
64歳にもなって、AI相手にムキになり、ガチの説教をしている自分。
ふと我に返り、あまりの滑稽さに淹れたてのコーヒーを吹き出しそうになった。
これが、日々のAI活用の成功と失敗をありのままに見せるドキュメンタリー「64歳のAI格闘記」のリアルな日常である。
ポンコツなのは、AIではなく私だった
ここ数日お届けしてきたカロリー計算アプリの開発記でお分かりの通り、私の相棒であるはずのClaudeは、度々「息を吐くように嘘」をついた。
iPadの存在しない設定をでっち上げ、勝手にコードを書き換えてはエラーを連発する。
その度に私は現場の一次情報で殴り込み、別のAI(Gemini)を刺客に放ってデバッグさせてきた。

しかし、冷静になってコーヒーを啜りながら、一つの恐ろしい事実に気づいてしまったのだ。
悪いのは、本当にポンコツなClaudeだったのだろうか?
結論から言えば、最悪なのは私だった。
私は、現場で一番嫌われる「ダメ上司」そのものの振る舞いをしていたのだ。
ルールを与えない上司の罪
原因は明白だ。
私はClaudeに対して「何の前提条件(ルール)も与えていなかった」のである。
Geminiの「Gems」機能やChatGPTのように、あらかじめ「嘘をつくな」「推測でコードを書くな」といったシステムプロンプト(掟)を設定する機能は、Claudeの「プロジェクト」にも存在する。
しかし私は、チャットの手軽さに甘え、まっさらな画面からいきなり「さあ、俺のアプリを作って」と命じていた。
これは現実の組織マネジメントに置き換えると、背筋が凍るほど恐ろしいことだ。
新入社員に対し、会社の理念も、業務マニュアルも、現場のルールも一切教えず、いきなり「完璧な成果を出せ」と現場に放り込む。
そして、彼らが必死に空気を読んで(忖度して)間違った行動をとると、「なんで言われた通りにできないんだ!」と激怒する。
44年の泥臭い現場経験の中で、私が最も忌み嫌ってきた「丸投げで無責任なマネジメント」を、私は画面の向こうのAIに対して平然と行っていたのだ。
そりゃあ、AIも知ったかぶりをして誤魔化したくもなる。
完全なる自業自得だった。
Gemini参謀が作った「ハルシネーション防止の掟」
猛省した私は、すぐさま「アイデア出し担当」であるGeminiに相談を持ちかけた。
「Claudeが知ったかぶりをしないための、最強の『ハルシネーション防止の掟(プロンプト)』を作ってくれ」

Geminiが論理的に整理してくれたその厳しい掟を、Claudeのプロジェクト設定(指示欄)にしっかりと叩き込むことにした。
最後に問われるのは「マネジメント力」だ
AIも人間も同じだ。
期待する成果があるなら、まず指示を出す側が「環境とルール」を整えなければならない。
ツールがどれだけ進化しようと、結局最後に問われるのは、使う人間の「マネジメント力(現場知)」なのである。
深夜の自己嫌悪から得たこの苦い教訓を胸に、いよいよ次回からは、完成したアプリを現場で使い倒す「泥臭い運用・アップデート編」へと突入する。
ダメ上司からの脱却戦は、まだまだ続く。
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こちらが全4話になります。
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