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奥入瀬から、滝まで1時間半──右足の痛みと一緒に進んだ山道|青森・函館旅行記(2018年8月)#3

レンタカーのエンジンをかけて、アクセルを踏み込んだ瞬間、右足のひざ下に、はっきりとした違和感が走りました。
痛みの正体を確かめる余裕もなく、「あと一息」と小さく自分に言い聞かせて、クルマを前に出します。

<前回の記事はこちら👇>
十和田湖が見えるまで、休む場所が分からなかったドライブ|青森・函館旅行記(2018年8月)#2|げじげじくん🎈

この記事では、目的地に着くまでの時間や、ハンドルを握っているあいだの身体の感覚について書いています。
滝そのものよりも、そこへ向かう途中に積み重なっていった時間の話です。


🚙湖沿いから、再び山へ


奥入瀬渓流の駐車場を出て、湖沿いの道を南下し、やがて山道に入ります。
後部座席を見ると、妻と子どもはいつの間にか眠っていました。
歩き疲れが出たのかもしれません。

アクセルを踏んでは離し、ヘアピンカーブではハンドルを目いっぱい回す。
一つ一つの操作に気を張っているうちに、喉が乾いていることに気づきます。
ペットボトルはすぐ手の届くところにあるのに、飲む余裕がありません。

登り切ったところで、湖を見下ろす展望台が現れました。
クルマを停めて、ようやく水を口に含みます。
ひと口飲んだだけで、身体が少し緩むのが分かりました。

展望台からは、十和田湖と、その先の山々までくっきり見えます。
右足を伸ばしながら、しばらく景色を眺めていました。

紫明亭展望台から十和田湖を眺める

🚙譲ることで、取り戻すペース


下りに入ると、今度はブレーキを踏んだり離したりの繰り返しです。
気づくと、後ろに何台もクルマが連なっていました。

左に寄せて道を譲ると、急に気持ちが軽くなります。
誰かに急かされていたわけではないのに、自分で自分を追い立てていたことに、そのとき初めて気づきました。

信号のない交差点で、カーナビの指示を見落として行き過ぎてしまったときも、少し焦っただけで済みました。
Uターンできそうな場所で停まり、水を飲み、呼吸を整えてから、元の道に戻ります。


🚙あと15分、という感覚


再び登り坂。
右足の痛みが、さっきよりはっきりしてきます。

カーナビには到着予定時刻と、現在の時刻が表示されていて、運転しながら頭の中で計算すると、あと15分ほどで到着のようでした。

数字を知ることで、距離ではなく「時間」でゴールを想像していました。
牧場らしきものが見え、山道を下りきったところで右折。
森林の中に小さな駐車場が現れ、音声案内が静かに終わります。

奥入瀬から、ここまで約1時間半でした。


🚙似ている、似ていない、その前で


駐車場から少し森を歩くと、目的地の滝に着きます。

みろくの滝。

スヌーピーに似ていることで知られている滝です。

妻は遠くから全体を眺めて、ぽつりと「似ている」と言い、それきり黙って滝を見ていました。
スヌーピー好きの妻にとっては、その一言で十分だったようです。

下のほうでは、子どもたちが水遊びをしています。
うちの子どもも混ざって、水を浴び、岩の途中まで登っていきます。
形がどうこうより、冷たい水そのものが楽しいようでした。

私はというと、滝を眺めながら、ひざ下を伸ばしたり縮めたりしていました。
景色の中にいながら、身体の一部だけが別の場所にあるような感覚です。

岩肌が横向きのスヌーピーのような「みろくの滝」

<以前、みろくの滝を取り上げた記事はこちら👇>
青森「みろくの滝」で見上げた、岩肌のスヌーピーと2018年の夏|げじげじくん🎈


🚙まだ遊びたい、もう行くよ


子どもを迎えに行くと、「まだ遊びたい」と返ってきます。
「もう行くよ」「もう少し」というやり取りを、何度か繰り返しました。

戻ってきたとき、子どもは全身ずぶ濡れでした。
それ以上でも、それ以下でもない、ただその事実だけが残ります。

滝から落ちてきた水が集まってできた沢

🚙最短ルートを選ぶ理由


帰り道は、迷わず最短ルートを選びました。
右足の疲労が、限界に近づいていたからです。

最寄りのインターチェンジまでも山道を登り下りしますが、行きに通った道だったので、どこで休めるか分かっていました。
分かっている、というだけで、気持ちはずいぶん違います。

東北自動車道に入ってからは、半自動運転機能に任せて、右足を休ませました。
アクセルを踏み続けなくていい、というだけで、ここまで助けられるとは思っていませんでした。


🚙動いていた一日が、止まる場所


子どもは首を前後左右に揺らしながら眠り、
妻とは、ホテルに着いてから何をするかを話します。

約2時間後、新青森駅に着いて、レンタカーを返却しました。
駅近くのホテルにチェックインし、荷物を置いたところで、身体の緊張が一気にほどけます。

少し横になるつもりが、そのまま眠っていました。
移動が終わったあとにやってくる、この静かな時間だけが、今日を一日としてまとめてくれる気がしました。

(つづく)

<次の記事はこちら👇>
橋の上で手をつないだ夜、青森駅と八甲田丸|青森・函館旅行記(2018年8月)#4|げじげじくん🎈

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