20年前のカミングアウト(5):背負わせてしまった重荷
こんにちは、しみっく(@simik_gay)です。
20年以上前に親友4人にゲイをカミングアウトした話 5つめです。
2004年大学4回生の冬、悪口を言わないタイプの親友タカノにカミングアウトした話になります。
初めから読んでいただける方はこちらです。
前回の話はこちらです。
タカノについて
まずはタカノについて簡単に説明します。
タカノは同じ学科ではありましたが、一学年上でした。
いろいろ事情があったんだと思いますが留年していて、大学2回生の頃ぐらいから同じ授業で会うようになりました。学年が違うこともあってか、最初は一歩引いた感じでしたが、授業で話すうちに仲良くなっていきました。
少し人付き合いが苦手な感じで、思い込みが強いところがありますが、筋が通っていて、誰かを貶めるようなことは決してしない、誠実な人間です。
あと、シバタとタカノは同じゼミで、緊密に連絡をとっていました。
人を傷つけるようなことは言わない人なので、今回カミングアウトすることにした親友たちの中でカミングアウトがうまくいかない可能性が一番低いと勝手に考えていました。
カミングアウトしたものの、わかってもらうのは難しそう
タカノにもシバタと同じように「話したいことがあるねん」ということを伝えて予定を合わせてもらい、2004年2月6日、二人で半個室っぽい感じの喫茶店にいきました。ランチがまだだったのでランチを食べながら、世間話としてタカノが主催した内定者の集いの話を聞いたりしました。
世間話が落ち着いてから、タカノから「それで、話って何なん?」と聞かれました。
シバタに比べて、タカノは自分からどんどん突っ込んでくるタイプではないので、自分から話始めなければなりません。
いろいろカミングアウトの切り出し方を考えてはいましたが、結局はその場の雰囲気に合わせるのが一番です。いきなり「女に興味ないねん」というのは合わないと感じました。
まず言えたのは、「一つ大きな嘘をついててん」という言葉でした。そしたらタカノは「1年ぐらい彼女がいるって言ってたけど、実は付き合ってなかったとか?」と返してきました。そのとき私が考えて、返せた言葉は「彼女っていうか、、、彼氏やねん」でした。
その言葉を聞いてタカノが物凄く動揺したことが目に見えてわかりました。最初は完全に動きが止まっていました。
そこから少し会話しましたが、タカノはお茶を飲んだりケーキを食べたりする時以外は下を向いてしまうことが多くなり、私とはほぼ目が合いませんでした。
会話も、どうもわかってもらえていないように感じました。タカノの最初の質問はシバタと同じで、ホモは「治るかどうか」でした。私は「今は別に治そうと思っていないし、そもそも治せるものでもない」ということを伝えましたが、「治そうと思えば治せる。変えようと思えば変えられる」と思い込んでいるようで、その場で私が言葉を変えて伝えてもわかってもらえず。
これ以上話をしても今わかってもらうのは無理だなと思ったので、とりあえずこの場はお開きにするしかありません。2人で喫茶店を出ました。
気まずいまま解散
その後も駅まで歩きながら少し話をしましたが、タカノは凄く早足で歩き、会話を拒否しているように感じました。私も会話を続けるにしても何を話していいのかわからなくなったりしました。
最低限伝えなければならないこととして、ヤスダとシバタにはすでにカミングアウトしていること、近々マスイにカミングアウトしようと思っていることは伝えました。タカノは私がマスイにカミングアウトすることについて反対だったようで、「そんなこと知らなくてもええやん」と言われました。きっとマスイにというより、カミングアウト自体に否定的だったんだろうと思います。あと、「ずっと心臓がドキドキしてる」とも言われました。
そのまま駅に着いて、気まずいままに解散しました。
きっと知りたくなかったんだろう
あのときのリアクションから、きっとタカノは私がゲイだってこと知りたくなかったんだろうなって考えました。彼にとって簡単に受け入れられないくらいにショックなことだったように思えます。私は私の都合だけでタカノにカミングアウトしてしまったことを少し後悔しました。
あのとき、もしかするとタカノは同性愛関係で嫌な目にでもあったことがあるのかもしれないとすら思えました。高校時代から含めてカミングアウトした友人はタカノが5人目ですが、他の人と比べてのタカノの反応は特別大きかったように思われたからです。
あと、私と別れた後、タカノはシバタに私のカミングアウトの件について相談したらしく、翌日シバタから「ウブなタカノにあの話は重かったみたい」とメールが届きました。どういうやりとりがあったのかは聞けませんでしたが、悪いことをしたなと思いました。
一方で、これも自分勝手な話ですが、最初のカミングアウトをタカノにしなくてよかったとも思いました。シバタの後にカミングアウトしたからタカノはシバタに相談できましたけど、そうじゃなかったらタカノは誰にも相談できなくて一人で抱えることになっていたと思いますし、それでタカノを今以上に大きく悩ませてしまっていたなら私も他の二人にカミングアウトできなくなっていたでしょう。
あと、タカノの反応をみると、ホモが嫌いとか以前にカミングアウトされることで大きなダメージを受ける人がいると言うこともわかりました。それも含めて、マスイにカミングアウトすべきかどうかは大いに迷うことになってしまいました。
次はホモ嫌いの親友マスイへのカミングアウトの話です。
