20年前のカミングアウト(3):大学生活最後の賭け、親友3人へのカミングアウトを決意するまで
こんにちは、しみっく(@simik_gay)です。
20年以上前に親友4人にゲイをカミングアウトした話 3つめです。
2004年大学4回生の冬、残りの親友3名にカミングアウトを決意した話になります。
初めから読んでいただける方はこちらです。
前回の話はこちらです。
カミングアウトしたいが、悪い方にしか考えられず涙する日々
大学2回生でヤスダにカミングアウトして、もちろんヤスダは誰にも私のことを口外しなかったものの、自分がゲイであることに関係する話はヤスダと二人きりのときでもほとんどしないままでした。
それから大学生活を続けていく中で、勉強の内容も難しくなってきて勉強会も増えたり、共通の授業が多いので飯を一緒に食ったり、一緒に旅行したり、なんやかんやで友人4人と私の結びつきは強くなっていきました。
その一方、心のどこかでいつも怯えてもいました。「ゲイだとバレたらこの関係が壊れてしまうんじゃないか」と。
親友の一人マスイはたまに同性愛に生理的嫌悪があると口にしていました。ゲイだけではなくレズビアンも嫌らしく、女性同士が手を繋いで歩いている姿すら見たくないと発言したこともありました。バレたら終わるなと感じざるを得ない状況です。
そんな状況なので、日頃から仲良くしていても本音は話せません。大学3回生の冬頃から私には同性パートナーができて毎週末その彼と会っていたのですが、当然そういった事実を大学の友人たちに話すことはできません。その代わりに「彼女」がいることにしていましたが、辻褄合わせは疲れますし、細かく突っ込まれるとボロがでます。そんな息苦しさを感じたままの関係を続けたくなくて、何度も何度もカミングアウトしたいと考えました。
ただ、何度考えてもカミングアウトするという結論は出せませんでした。もしカミングアウトがうまくいかずに気持ち悪がられたり、避けられたりしたら傷つきます。それで関係が壊れてしまったら、毎日大学で顔を合わせるのが辛くて授業に出席したくなくなるでしょう。さらに万が一、周りに言いふらされて変な噂になってしまったら致命的で、大学生活が破綻してしまいます。それこそ人生が終わってしまうぐらいの恐怖がありました。自分がゲイであることを人に教えるということは弱味を教えることでもあって、それこそ生殺与奪権を他人に握らせるようなものです。
なので、ひとりでよくカミングアウトする脳内シミュレーションをしては最悪の状況を想像して、悲劇のヒロインのように泣いていたのを覚えています。自分の置かれた状況を呪っていました。
シバタ、タカノ、マスイへのカミングアウトを決意するまで
それでも大学で一番仲の良い親友たちに本当の自分のことを話せないまま、嘘をつき続けなければならないというのは耐え難いことです。卒業後も仲良くしていきたいと思っていたので、そのためにも本当の自分の気持ちを話せるようになりたい、自分を受け入れてもらいたいと考えていました。
なので私は大学4回生の1月、2月という卒業目前の時期にシバタ、タカノ、マスイにカミングアウトすることを決意したのです。最悪、カミングアウトで関係性が終わってしまっても共通の授業はもうないので無理に顔を合わせることはなく、ダメージは小さくすみます。
その一方、仲良い親友の多くは卒業後に就職で遠くに行ってしまい、たまにしか会えなくなります。それに加えて卒業後にまた会う時は大勢で集まるパターンが想定され、そんな状態でカミングアウトするのはよりハードルが高くなります。
なので卒業直前が最後のチャンスだと考えました。
複数人に一度に話す勇気はなかったので、一人ずつ順番に呼び出してカミングアウトを決行することにしました。順番は仲良さや、性格、日頃のゲイに対する当たりの強さなどを考慮して決める必要がありました。
親友たちと行く卒業旅行が1月24-25日だったので、それが終わってからがベストのタイミングに思えました。もし卒業旅行前にカミングアウトしたら、親友たちからすればゲイであるとわかっている男と泊まりで旅行することになります。それはきっとハードルが高すぎて、旅行を台無しにしてしまうだろうと考えたのです。
ヤスダへのカミングアウトの相談
2004年1月30日に私はヤスダにカミングアウトについて相談しました。
ヤスダには「そろそろ卒業やんか。それで皆に言おうか迷ってるねん」と言いました。「ゲイ」とか「カミングアウト」とかいう直接的な言葉は言えませんでしたが、それでも言いたいことは伝わったので「ええんちゃう。多分大丈夫やで。」と言ってくれました。
それでどの順番でカミングアウトしたら良いかと相談したら、次のように考えてくれました。
1番目はタカノが良い。人のことを悪く言ったりしない。
2番目はシバタが良い。普段から口は悪くて酷い冗談も言うけれど、特にゲイに対する嫌悪を表明するような発言はない。
3番目はマスイが良い。一番常識人だけれど、口は悪いし、ホモ嫌い発言をたまにする。
自分で持ち帰って考えた結果、順番は少し入れ替えてシバタ→タカノ→マスイの順にカミングアウトすることにしました。
カミングアウトは失敗する可能性があります。伝えた相手が勝手に人に言いふらす、いわゆるアウティングをされる可能性があります。最悪のケースでは1番目にカミングアウトした人がそれ以外の人に勝手に教えてしまうことも起こりうるのです。たとえアウティングされなかったとしても、誰かとの人間関係が壊滅的な状態になってしまったら、私のメンタル的にはもう他の人にカミングアウトすることもできなくなるでしょう。
そう考えると、多少口が悪かろうが、それで自分が傷つくことになろうが、どうしても自分の口で伝えたかったシバタに最初に伝えることに決めました。シバタのことが一時期好きだったので一番伝えたかったのです。
そして、ホモ嫌いを公言していたマスイを最後に持ってきました。うまくいかない可能性が一番高かったからです。
次回はシバタにカミングアウトしたお話です。
