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Live2D歴12年。「アツドリ」で挑む2D表現の新境地

Live2Dデザイナー fumi

< 経歴 >
専門学校の卒業制作でLive2Dの可能性に着目し制作技術を習得。2014年にゲーム会社へ入社し、社内初のLive2Dデザイナーとして制作フローの構築に貢献。2018年に独立後は、VTuber制作や技術書の執筆、ゲームのモデル設計ディレクションなど、業界の第一線で幅広く活動。2025年よりフロムトーキョーに参画。12年に及ぶキャリアとVTuber制作の知見を融合させ、新作「BanG Dream! Our Notes」にてLive2D表現の限界に挑んでいる。


キャリアの軸となるLive2Dとの出会い

ーこれまでのご経歴を教えてください

学生時代はイラストレーター志望として、専門学校でゲームやキャラクターコンテンツの制作について学びました。

Live2Dに最初に触れたのは、専門学校の卒業制作のときです。オリジナルゲームを作ることになっていたのですが「ただ絵を描いてノベルゲームを作るのは面白くないな」と悩んでいたところ、ゲーム系のメディアの「2Dイラストにアニメーションをつける技術」に関する記事が目に留まりました。当時はまだ「Live2D」という言葉自体、ほとんど世の中で知られていませんでしたが、自分の絵柄をそのままアニメーションにできるという技術に興味を持ちました。

当時は今のように誰でもLive2Dを制作できるような環境はなかったので、Live2D社さんに直接企画書を持っていって「やらせてください」とお願いしたんです。その結果、ありがたいことにインターンのような形で受け入れていただいて、Live2Dを学びながら卒業制作を作らせてもらいました。

その後、2014年に新卒で入社したゲーム会社では、これもまた不思議なご縁なんですが、ちょうどLive2Dを使ったゲームの開発が進んでいたんです。でも社内にLive2Dを制作できる人が一人もいないという状況で。たまたまノウハウを持っているのが私しかいなかったので、新卒研修のかたわら、実際の開発現場に入ってLive2D制作を担当させてもらいました。

それから今に至るまで、Live2Dを軸にキャリアを重ねてきました。

VTuberの流行をきっかけにフリーランスへ

ーフリーランスになった経緯を教えてください

2018年頃から、VTuberが流行り始めたことがきっかけでした。私はよくSNSに自主制作のLive2Dを投稿していたので、それを見たクライアントから「VTuberの制作をお願いしたい」といった依頼がたくさんくるようになったんです。

Live2Dの初心者向けの書籍を出版したのも、この時期です。編集者さんの先見性がすごく「これから絶対Live2Dが流行る」と早い段階で見抜いて、「初心者向けの本を出すべきだ」と声をかけてくれました。VTuberの流行も追い風となり、「Live2Dを作りたいけど何からすればいいか分からない」という多くの方に手に取っていただけたようで、出版した甲斐がありました。

そうした時代の流れもあり「需要が高まっているこのタイミングを逃さず、自分の強みをさらに伸ばして新しい挑戦をしたい」と、思い切ってフリーランスになりました。

フリーランスになったことで、VTuberの制作はもちろん、「Live2Dを導入したいがノウハウがない」というゲーム会社からモデル設計や外注制作のディレクションといった仕事も受けられるようになりました。結果として途切れることなくゲーム業界に身を置きながら、Live2D制作の最前線で様々な経験を積むことができたと思っています。

クリエイター個人と会社が一緒になって高みを目指す

ーフロムトーキョーに入社した理由を教えてください

久しぶりに「組織に所属する」という選択をしたのは、個人としての仕事と、組織だからこそできる仕事、その両立がフロムトーキョーなら実現できると考えたからです。

代表の森川さんからは入社前に、以前からお付き合いのあるクライアントとの仕事も、引き続き個人で受けて構わないと言われました。さらに「もし個人では受けきれない規模だけど挑戦したい案件があれば相談してほしい」とまで言ってくれて。個人のキャリアを尊重しながら、必要に応じて会社のリソースも活用できるという可能性を提示してもらえたことに驚きました。

また、コーポレートサイトなどで個人の実績をオープンにできることも大きな決め手でした。一般的に、企業に属すると個人名を出しての実績公開は制限されがちです。しかし、フロムトーキョーでは基本的に「クリエイターの名前が売れることは本人にとってプラスであるのはもちろん、巡り巡って会社に良い仕事を引き寄せることにも繋がる」という考え方なんです。

クリエイター個人と会社。双方が持つ価値を最大限に生かしながら一緒に次のステップを目指そうとする。こうしたクリエイターへのリスペクトが根底にある環境だからこそ、ここで新しいチャレンジをしたいと思えました。

ーLive2Dの魅力について教えてください

やはり「イラストレーターの絵をそのまま動かすことができる」ということでしょうか。

3Dは3Dの良さ、2Dは2Dの良さがあって、どちらが優れているという話ではありません。ただ、2Dキャラクターへの人気が根強いのもまた事実で、イラストが動いたり、会話したりといったことを喜んでくれるお客さまがたくさんいます。

VTuberも最初の頃は「2、3年で廃れるだろう」と言われていましたが、結局10年近く続いていますし、その間にLive2Dの表現もどんどんリッチになってきました。黎明期の映像と今のものを見比べると、表現の幅が格段に広がっていることが分かると思います。3Dと2D、どちらが新しいという話ではなく、それぞれが独自の進化を続けているんです。

信澤さんのインタビューでも語られていたように、フロムトーキョーが目指す「つくりたいコンテンツに対して最適なクリエイターが最適なクリエイティブをつくる」という組織の在り方と、クリエイターのイラストをそのまま動かせるLive2Dはとても相性が良いはずです。Live2Dがフロムトーキョーがつくるコンテンツの魅力をさらに引き出してくれる表現手段になると思っています。

「アツドリ」で挑むLive2D表現の限界

ー「BanG Dream! Our Notes」でのチャレンジについて教えてください

この記事を読んでくださっている方の中には、既にご覧になった方もいるかもしれませんが、ちょうど先日新作モバイルゲーム「BanG Dream! Our Notes」(以下、アツドリ)のティザーPVが公開されました。

動画内で映っているのはほんの一部となりますが、「アツドリ」ではスマートフォンゲームにおけるLive2D表現の限界にチャレンジしています。

一般的なスマートフォンゲームのLive2Dは、あらかじめ用意した動きをプログラムで再生する仕組みのため、実際の人間の動きをリアルタイムで再現するVTuberのモデルと比較すると、どうしても表現の幅に制限がありました。

そこで「アツドリ」では、これまで培ってきたVTuberモデルの制作手法を、スマートフォンゲームのLive2D制作へ取り入れることで、より生き生きとしたキャラクター表現を可能にしています。特にシナリオパートにおける各キャラクターの表情は、類を見ないほど豊富になっています。キャラクターの感情がより深く伝わるようになるとともに、「この子ってこんな表情もするんだ!」という驚きも感じていただけると思います。

もちろん表情だけでなく「動き」の方も、一段上のレベルで「よく動く」ようになっています。

既存バンドのモデル制作にあたっては、これまでの「バンドリ!」のライブ映像やアニメなどを徹底的に研究し、キャラクターの個性を丁寧に引き出していきました。一方、新バンドの「millsage」「一家Dumb Rock!」は参考資料がほぼない状態からのスタートだったので、シナリオチームに一人ひとりの性格や関係性をヒアリングしながら、「この子ならここでこう動くはず」というイメージを自分なりに噛み砕いて形にし、それをチームとすり合わせていきました。ゼロからモデルを作り上げる作業はかなり苦労もしましたが、キャラクターに命を吹き込む作業でもあり、楽しさの方が大きかったですね。

「アツドリ」を手に取っていただいた皆さんに「Live2Dってこんなに生き生き動くんだ!」という驚きを感じていただけるよう、最後までブラッシュアップを続けていきます。

Live2Dの魅力をより様々な形で、より多くの方に

ー今後チャレンジしたいことを教えてください

「アツドリ」はお伝えしてきた通りLive2Dにかなりこだわって制作しているので、お客さまに喜んでいただけるクオリティになっている自信があります。だからこそ、ゲームという枠を超えてその魅力を活用し、コンテンツ全体の盛り上げに貢献できたらと考えています。

例えば、Live2Dでまるまる1曲分のミュージックビデオを制作したり、リアルライブの会場で等身大のLive2Dと一緒に写真や動画を撮れるような体験を用意したり。現時点ではあくまでアイデアベースですが、常識に捉われず、Live2Dが持つ可能性を様々な形でお客さまに届けていきたいです。

私自身の挑戦で言えば、個人として活動する「fumi」とフロムトーキョーの「fumi」、この二つの立場を持つことで生まれるシナジーを最大化していきたいと考えています。

個人での活動で培った経験やネットワークを会社に還元しながら、会社のリソースを活用して個人ではできなかった規模の新しいチャレンジをしていく。そうして実績を積み重ねていけば、個人にも会社にもより良い仕事が集まり、さらに大きな挑戦ができるようになる。そんな好循環を作っていくことが目標です。

野心的に聞こえるかもしれませんが、名前だけで仕事が舞い込んでくるようなLive2Dデザイナーになって、Live2Dの魅力をより多くの方に伝えることはもちろん、Live2Dデザイナーを目指す方のよいロールモデルになれたら嬉しいです。


採用情報
フロムトーキョーでは、一緒にコンテンツをつくる仲間を募集しています。
募集職種などの詳細は、弊社コーポレートサイト採用ページよりご確認ください。


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