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前に立つ人は、最後に逃げない― リーダーの価値は、順調な時ではなく、苦しい時に決まる。

人生を変える、本質。第3章

前に立つ人の条件。

第1章では、自分自身の生き方について書いてきた。

能力、選択、人間性、責任、人生。

第2章では、人を育て、組織をつくることについて書いてきた。

育成、任せること、組織、信頼。

そして第3章では、「前に立つ人」について書いていきたい。

リーダーとは何か。

人の前に立つとは、どういうことなのか。

決めるとは何か。

孤独とどう向き合うのか。

そして、なぜ人はその人についていくのか。

私自身、まだ答えを持っているわけではない。

今でも迷う。

今でも悩む。

今でも判断を間違える。

それでも、前に立たなければならない場面がある。

今回は、「前に立つ人は、最後に逃げない」ということについて書きたい。


リーダーとは、何なのか

若い頃の私は、リーダーとは能力が高い人のことだと思っていた。

誰よりも仕事ができる人。

誰よりも正しい判断ができる人。

誰よりも強く、迷わず、前に進める人。

そんな人がリーダーなのだと思っていた。

でも、実際に人の前に立つようになって、その考えは変わった。

リーダーは、完璧な人ではない。

間違えない人でもない。

いつも強い人でもない。

むしろ、迷いながらも決めなければならない人だ。

不安があっても、前に進まなければならない人だ。

そして、最後に逃げない人だ。

人の前に立つということは、正しいことを言うことではない。

苦しい時に、どこに立つかを問われることなのだと思う。


順調な時は、誰でも前に立てる

組織が順調な時。

成果が出ている時。

問題が起きていない時。

周囲が前向きな時。

その時は、誰でも前に立てる。

良いことを語れる。

未来を語れる。

挑戦を語れる。

でも、リーダーの本当の姿が見えるのは、順調な時ではない。

問題が起きた時。

判断を間違えた時。

組織が揺れている時。

誰かが苦しんでいる時。

結果が出ず、不安が広がっている時。

その時に、前に出るのか。

後ろに下がるのか。

人のせいにするのか。

自分の責任として引き受けるのか。

そこに、その人の本質が出る。

リーダーの価値は、うまくいっている時ではなく、苦しい時に決まる。

私はそう思っている。


逃げたくなる時がある

正直に言えば、私も逃げたくなる時がある。

決めたくない時がある。

見たくない現実がある。

向き合いたくない問題がある。

誰かに任せてしまいたい時もある。

自分ではなく、誰かが前に出てくれたらいいのにと思う時もある。

リーダーだからといって、いつも強いわけではない。

怖いものは怖い。

苦しいものは苦しい。

迷う時は迷う。

それでも、逃げられない場面がある。

なぜなら、自分が逃げた瞬間、組織の中に逃げる空気が生まれるからだ。

リーダーが問題から目をそらせば、組織も目をそらす。

リーダーが人のせいにすれば、組織も人のせいにする。

リーダーが諦めれば、組織も諦める。

だから、前に立つ人は簡単に逃げてはいけない。

弱さがあってもいい。

迷いがあってもいい。

でも、最後に向き合うことから逃げてはいけない。


前に出るとは、責めることではない

問題が起きた時、前に出るというと、強く指示を出すことだと思われるかもしれない。

厳しく叱ること。

責任者を追及すること。

すぐに答えを出すこと。

もちろん、必要な時もある。

でも、私が思う「前に出る」とは、少し違う。

前に出るとは、まず自分が引き受けることだ。

何が起きているのかを見る。

誰が困っているのかを知る。

どこで止まっているのかを確認する。

必要なら、自分が矢面に立つ。

現場や部下だけに背負わせない。

問題が起きた時に、リーダーが最初に考えるべきことは、

誰が悪いのか。

ではない。

自分は、何を引き受けるべきか。

だと思う。

責めることは簡単だ。

でも、責めても組織は強くならない。

問題に向き合い、学びに変え、次に進める。

その空気をつくることが、前に立つ人の役割なのだと思う。


決めることから逃げない

リーダーには、決めなければならない時がある。

全員が納得する答えなどない。

十分な情報がそろわない時もある。

どちらを選んでも、誰かに負荷がかかることもある。

正解が見えない中で、それでも決めなければならない。

これが一番苦しい。

決めなければ、批判されない。

曖昧にしておけば、自分の責任は薄く見える。

誰かに判断を委ねれば、自分は傷つかずに済む。

でも、それでは前に立つ人とは言えない。

決めるとは、責任を引き受けることだ。

選ばなかった未来も含めて、引き受けることだ。

後から間違いに気付くこともある。

もっと良い判断があったと思うこともある。

それでも、その時の自分が考え抜いて決めたなら、逃げずに向き合うしかない。

リーダーに必要なのは、常に正解を選ぶ力ではない。

決めた後に、その責任から逃げない力なのだと思う。


人は、逃げない姿を見ている

人は、リーダーの言葉を聞いている。

でも、それ以上に見ている。

苦しい時に、どう振る舞うのか。

都合が悪くなった時に、どう向き合うのか。

失敗した時に、誰のせいにするのか。

部下が困っている時に、助けるのか。

自分に火の粉が飛ぶ時に、前に出るのか。

人は、そういうところを見ている。

そして、そこで信頼するかどうかを決めている。

どれだけ立派な言葉を並べても、苦しい時に逃げる人にはついていけない。

逆に、完璧ではなくても、最後に逃げない人には人がついてくる。

この人は、苦しい時に見捨てない。

この人は、最後に責任を取る。

この人は、都合が悪くても向き合う。

そう思えるから、人は安心して前に進める。

リーダーの信頼は、言葉ではなく、逃げなかった記憶でできているのだと思う。


強さとは、弱さを隠すことではない

私は、リーダーは強くなければならないと思っていた。

迷ってはいけない。

弱音を吐いてはいけない。

不安を見せてはいけない。

いつも堂々としていなければならない。

そう思っていた。

でも、今は少し違う。

本当の強さとは、弱さを隠すことではない。

弱さを認めた上で、それでも前に進むことだと思う。

分からないことは、分からないと言う。

迷っている時は、迷っていると認める。

助けが必要な時は、助けてほしいと言う。

でも、最後に責任からは逃げない。

その姿の方が、人は信頼できるのではないかと思う。

完璧なリーダーなどいない。

いるのは、未熟さを抱えながらも、前に立ち続けようとする人だ。

私も、そういう人間でありたい。


前に立つ人の条件

前に立つ人の条件とは、何だろう。

能力があること。

判断が早いこと。

経験が豊富なこと。

人を動かせること。

もちろん、それらも大切だ。

でも、それだけでは足りない。

私が今思う、前に立つ人の条件は一つだ。

最後に逃げないこと。

苦しい時に、誰よりも先に現実を見る。

問題が起きた時に、誰かのせいにしない。

決めなければならない時に、曖昧にしない。

人が不安な時に、前に立つ。

失敗した時に、責任を引き受ける。

その積み重ねが、リーダーをつくっていく。

人は、肩書きでリーダーになるのではない。

逃げずに向き合った時間によって、リーダーになっていくのだと思う。


今日も、前に立つ

私は、まだ理想のリーダーではない。

今でも迷う。

今でも不安になる。

今でも判断を間違える。

今でも逃げたくなる時がある。

それでも、前に立つことから逃げたくない。

誰かが不安な時に、自分が先に現実を見る。

誰かが迷っている時に、自分が決める。

誰かが苦しんでいる時に、自分が引き受ける。

それが、前に立つ人の役割だと思うからだ。

リーダーとは、強い人のことではない。

完璧な人のことでもない。

最後に逃げない人のことだ。

だから私は今日も、自分に問い続ける。

苦しい時に、自分はどこに立つのか。

都合が悪い時に、自分は何を選ぶのか。

人が不安な時に、自分は前に出られるのか。

前に立つ人は、最後に逃げない。

その覚悟が、人を安心させ、組織を前へ進めていくのだと思う。

── Flow Thinker R.

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