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aoming
重さだけで測る言葉について
地下駐車場の排気口から絶えず低周波の唸りが届く資料室である。ここは天井が低く、湿り気を含んだ紙の香りが鼻腔をくすぐる。これはバニラの匂いか。その奥のデスクで、老眼鏡を額に載せた女性が、分厚い資料の束をめくっている。
なにも一から十まで資料を集めればいいってもんじゃない。最低限が揃っていれば見た目は繋がる。どうせ誰もその本質なんて考えもしないだろうからね。仮に不審な点に気づいたからと言って誰がどのように指摘するだろうか。女性は老眼鏡をおろしてコーヒーカップを口につけた。
休憩中の慰みにと、やりかけのルービックキューブがデスクに置いてある。ばらばらになった色の断片を然るべき位置へ、スライドさせようと指を動かす。だが1面を揃えるのがやっとで2面にいけたことがない。いっそシールを貼り替えて最初の状態に戻してやろうか。
そう、いつだってそういうことのほうが話が早い。話が早いに越したことはないんだ。然るべき立場の元へ書類が回って印鑑を突かれたらそれでおしまい。そういうことで私の役割は機能しているのだから。
廊下の向こうから台車の車輪が軋む音、ローラーが地面を擦り付ける音……いつものけたたましい騒音が聴こえてくる。集荷係がやってくるのだ。集荷の女は、私のデスクに積まれた資料の束を、興味なさそうにシュレッダーの投入口に放り込んだ。しばらく無言でそれを眺めていたが、一応訊ねてみた。内容は確認しなくていいのかと。
重さが合っていればいいんですよと女は答えて、棚から適当な紙束をバサバサと台車に載せていった。でもね、色が違っていたので。
あ、ところですだれの買い方知ってますか?
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