「頭が悪い」と思っていたのは、本人だった
これは「承認のコップ」シリーズ6部作の4話目です。
単話でもお楽しみいただけます。
5話目6話目は有料記事になります。
【前回までのあらすじ】
塾の授業中やる気がなく寝る
そして話しかけても単語で返答してくる子対策として
帰るときの挨拶が成功し
来た時の雑談までこぎつけた
なぜ勉強が嫌いで塾に来たか判明し
彼の中受の過去に踏み込むことになるが…
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後日、また彼と話す機会があった。
「そうそう、夜中にゲーム以外なんかやってんの?」
マンガ読むとか
「寝ろよ笑」
なんか寝れないんだよね
「そりゃ昼間寝てるからでしょ」
まぁね
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「ゲームって小学生の時からやってんの?」
まぁちょくちょくやってる
「夜中起きてやってるのは中学から?」
そうそう中学から
「小学校で寝れてるんなら、中学も寝ろよ笑」
小学校は受験勉強だし
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「ほぇ、そうなの? すごいね、大変じゃん」
結局ダメだったけど
「まぁでもすごいよ。私にはできんわ。
小学校の時とか、鼻垂らしてたわ」
鼻垂らしてるのは知らないけど
「誰が受験するって言いだしたの?」
親が
「自分はやりたかったの?」
別に
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「勉強、大変だったの?」
そんなに
「大変じゃなかったの?」
落ちたから
「それ、大変とは関係ないよ」
がんばってなかったのもある
「そうなの?」
やってなかったし、落ちたし
「本当にやってなかったの?」
まぁね
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「始めた時期にもよるけど、
やってないと難しいのかもね」
全くやってないわけではなかった
「うんうん」
でも落ちたから、やっても意味ない
「意味ないことはないでしょ。
頭悪くないんだから」
わるいよ
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「わるいよ」
その一言に、私は少し驚いた。
軽口ばかりだった彼が、
初めて、はっきりと自分を否定した。
このとき、私はある言葉を選んで返した。
その一言が、彼にとっての
最初の変化のきっかけになった。
なぜその言葉を選んだのか。
次回、実際の会話とあわせて書く。
▶次回:彼が初めて、自分の言葉で話した日
▶①承認のコップという話
▶②着任初日、彼はすでに授業を放棄していた
▶③挨拶だけは、絶対にやめなかった
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