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彼が初めて、自分の言葉で話した日

これは「承認のコップ」シリーズ6部作の5話目です。
単話でもお楽しみいただけます。
5話目6話目は有料記事になります。


「わるいよ」

その一言に、私は少し驚いた。

軽口ばかりだった彼が、
初めて、はっきりと自分を否定した。

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「いつから始めたの?」

小5とか

「まぁ、遅めだね」

そう

「遅いと難しいでしょ」

まぁね

「ということは、あなたのせいではないね」

せいでしょ

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「始めるのが遅かった。
 自分で自信をもってやってるとは言えなかった」

まあ

「そして、頭は悪くない」

それは違う

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「勉強してるかしてないか、
 頑張ったか頑張ってないか、客観的に見てるでしょ。
 バカはいつまでたってもわからん。
 風邪ひいてるかもひいてないかもわからん。
 風邪を自覚してない。
 だから『バカは風邪をひかない』となるわけで」

まあ

「頭が悪い!! もうだめだ!! うごご!
 っていうくらいに悪いと思ってるの?」

そうではないけど

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「少なくとも私はこうやって、
 私の言ってることを理解しているあなたを、
 バカだとは思っていないよ」

ふぅん

「おっと、授業が始まるチャイムだね。
 授業がんばって」

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彼はその後、

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