【4コママンガ】「彼氏できた」に父がとった行動
夕食後のリビング。「彼氏できた」と何気なく報告する陽菜に、父・慎一は一瞬フリーズ。動揺を悟られまいと、テーブルの新聞を無言で広げて顔を隠す。しかし手が震え、新聞はガサガサと不自然に揺れ続ける。見かねた陽菜が新聞越しに顔を覗き込むと、そこには涙目の父の姿が。娘の前だけ強がる父の、隠しきれない愛情がにじむ一コマ。

「娘の彼氏報告」
夕食の途中、娘がふと箸を止めて言った。
「あ、そうだ。彼氏できたから」
その一言で、慎一の箸が空中で止まった。口に運びかけた白米はそのまま宙ぶらりん。頭の中では、なぜか会ったこともない誰かとの結婚式のシーンまで再生されている。
「……へえ」
それだけ言うのが精一杯だった。表情を作ろうとすればするほど、顔は強張っていく。気づけば、テーブルの上の新聞に手が伸びていた。
無言で広げた新聞は、逆さまだった。
「……新聞、逆さまだよ」
娘の冷静な指摘にも、慎一は何も答えない。ただガサガサと不自然な音を立てながら、必死に何かをやり過ごそうとしていた。読めもしない文字を睨みつけながら。
しばらくして、娘がひょいと新聞を覗き込む。
「え、泣いてるの」
新聞の陰から現れたのは、目を真っ赤にした父の顔だった。
「泣いてない。花粉症だ」
真冬に、花粉症。誰も信じない言い訳を、それでも本人は真顔で言い張っている。娘は小さく「へんなの」とだけ呟いて、また視線をテレビに戻した。
彼氏ができたと聞いて、嬉しいのか寂しいのか、自分でもよくわからない。ただ確かなのは、娘が話してくれたという事実だけで、こんなに動揺してしまう自分がいる、ということだった。
新聞は、今日も逆さまのまま。

