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【創作大賞応募作品】守護霊は過保護なサムライ




守護霊、というものがもし本当にいるとしたら、せめて静かにしていてほしい。

そう思うのは、わしだけではないだろう。

ところが今回描いたマンガの守護霊は、まったく静かにしていない。カフェで好きな人と向かい合っただけで「このような密室で二人きりは危のうございます!!」と霊体で大絶叫するのである。チェストオオ、と薩摩示現流の掛け声まで出す。コーヒーが飛ぶ。カップが跳ねる。まったくもって迷惑な守護霊なのであった。

名前を源之丞という。

江戸時代の武士である。もちろん、すでに死んでいる。にもかかわらず、現代を生きるOL・ハルカの横で腕を組み、刀の柄に手をかけ、眉間にシワを寄せている。令和の東京で、である。コンビニもスマホも知らない男が、プレゼン会議で「不吉な気配がいたします!」と叫ぶのだ。

だが、この武士の勘が、じつは当たるのである。

源之丞が睨みをきかせた企画のプレゼン相手は、後に詐欺会社だと判明した。わしはこのコマを描きながら、思わず唸った。江戸時代の直感が令和の詐欺師を見抜く。おかしいのに、なんだか痛快ではないか。

そしてハルカは怒る。「恋愛ってのはね、邪魔するもんじゃないの!」

源之丞は目を丸くする。「恋……愛? 殿方と逢引きことございますか?」「それは……婚儀の前に?」

「令和を生きて!!!」

ハルカの絶叫がマンションの一室に響く。令和を生きて。この一言に、時代のすべてが詰まっているではないか。

結局この武士は、少女マンガを手に取る。ページをめくり、胸キュンシーンを読み、涙を流す。「なんと……これが現代の恋の作法……胸が……締め付けられるでござる……!」

おかしい。笑える。でも、どこかで胸が痛い。

なぜか。

源之丞には、過去があったのである。「あの日、守るべき者を守れなかった」。燃える屋敷。失われた命。だからこの武士は、ハルカを過保護に守り続けた。笑ったハルカが、あの子に似ていたから。

わしはこのシーンを描いているとき、自分で描いておきながら画面がにじんで困ったのであった。

そして告白のシーン。ハルカと藤崎が夕暮れの公園で向かい合う。源之丞は一歩引いて、「……わかりました。今宵は、見守るだけいたします」と言う。ハルカは振り向いて叫ぶ。「絶対だからね!!」

「私も」とハルカが答えたとき、画面の隅で源之丞が泣いていた。

心の中で、「よかった」と。

過保護な武士は、今日から少しだけ離れて見守る。

それだけのことなのだが、なぜだろう、この最後のコマを仕上げたあと、わしはしばらくペンタブから手を離して糸島の空を見ていたのであった。

68歳のおっさんが、自分で描いたAIマンガで目頭を押さえている。まったく、しょうもない話なのである。

だが、しょうもなくて、いいではないか。

このマンガは全編AIで制作している。「え、AIでここまで描けるの?」と思った方は、ストアカの5時間講座で全工程をお見せしている。2,886人が受講した講座である。興味のある方はプロフィールのリンクからどうぞ。


#創作大賞2026 #マンガ部門




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