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文豪の小説を写経してみた感想(+受賞のご報告)

こんにちは!
いつもスキを押下くださりありがとうございます。

今日は、私の創作活動について初めて書いてみようと思います。
とはいえ、創作歴をメインにお話しするわけではありません。そう言い張れるものはないからです。

noteで初めて小説を書いたのはつい先月のこと。
それまで執筆経験はほぼありませんでした。小学校の読書感想文でたまに受賞していた程度、です。文芸部に所属していたこともありますが、文化祭など何かの折にだけ小説を書く、という消極的な具合でしたし、書き手としての自覚や自信は常に欠落してました。当然、出来上がるのは読むに堪えない代物ばかり。就職後も、小説家へのあこがれは疼いていたものの、7年間仕事にかまけて執筆してきませんでした。

2025年にようやく、別サイトでショートショートを投稿し始め、5月からnoteでの執筆活動を始めました。おかげさまで、ほぼ毎日いずれかの作品(記事)にスキの反応をもらえています。

そんな経験の浅い私がnoteに小説を書く前にやっていた作業。それが「写経」(他人の文章を書き写す行為)です。

写経によって得られた成果や、やってみた感想をまとめていこうと思います。
「写経を始めてみたいけど、どの作品を選べばいいか迷っている」という方がもしいらっしゃいましたら、判断材料にしていただければ幸いです。

これはもしや写経の成果……?

「写経の実践に効果はありましたか?」と問われたならば、
あった」、と今はお答えしたいと思います。

そう思ったきっかけは、先日開催された「タイトルから書く文芸賞」です。私が応募した2作品のうち、1作品が佳作に選ばれました。
受賞した作品については主催者・花澤薫氏からの寸評が付くのですが、拙作については、

応募作品のなかでは文章も会話も、物語の終わらせ方も群を抜いていると感じました。

とのことでした。

寸評を確認し、正直に、驚きました。
応募作品の中、自分の文章が抜きん出てるという自覚はありませんでしたし、もっともっと上手い人はいらっしゃったと自分では思います。
会話と締め方についても、特に時間を割いて書いた部分ではありません。投稿時間も、〆切の15分前というギリギリで、切羽詰まった状況で仕上げに取り掛かっていました。自分では「あー。もう、ぐっちゃぐちゃだな」と半ば諦めていました。

前述の通り、私には創作歴というものがほぼありません。
文芸賞・文学賞等に応募した経験はゼロ。受賞も今回が初めてです。

そんな私の書いた小説が、なぜ評価をいただけたのか。
(初参加だからこその恩情も若干含まれてたのかもしれませんが……)

要因があるとすれば、過去数ヶ月の間に実践していた「写経」ではないか、と思い当たりました。

そこで今回は私が実践した写経について以下、まとめたいと思います。

写経の方法について

本題に入ります。
私が取った写経の方法について以下、述べていきますので、ご興味がございましたらご参考ください。

写経の題材

三島由紀夫さんの『豊饒の海』(新潮文庫)です。
この作品を選んだきっかけは、文学好きの知人にすすめてもらったから。

文芸賞に応募した時点で、第1巻『春の雪』、第2巻『奔馬』、第3巻『暁の寺』(序盤まで)の書き写しが終了していました。
最終巻『天人五衰』はまだ内容を読んですらいない状態です。

ツール

Wordの縦書きを使用。原稿用紙設定はしてません。

実践期間と1日に書き写す文量

2024年12月~2025年2月の約3か月、毎日続けました。
書き写す文量は日によってまちまち。
多い時は1~2節ぐらいを一気に。
少ない時は1節のうち、4分の1くらい。
1日3行とかでもいいので、とにかく毎日書き写すのがいいだろうと考えてました。
大体1か月で1巻を写し終えるペースです。

方法と工夫

・私が取った方法
ブックストッパーに本を見開きで挟み、文章を句読点ごとに分けて「読み」「写す」を繰り返す。これだけです。
一文をじっくり頭に入れてから写す方が効果がある、とネット上に書かれてあるのを見ましたが、私はそこまではやりませんでした。

・私なりの工夫
『豊饒の海』は4巻構成なので、前半と後半でやり方を変えてみようと考え付きました。
すなわち、前半の『春の雪』『奔馬』は一読せずに、初見で書き写す。後半の『暁の寺』『天人五衰』はそれぞれ読了後に書き写す。

ただの思いつきです。「読者視点」と「作者視点」の両方から写経してみたらどうなるかな? という。

どこまで忠実に写したか

旧仮名遣いが頻繁に使われている作品でしたが、そこは忠実に書き写しました。変換で出て来ない漢字があったら、ネットで調べてコピペ。
基本的には作品の頭から最後まで写しました。
例外的に写経を省略したのは『奔馬』の一か所。〈神風連史話〉という「作中作」があります。文体がかなり独特で、これを書き写して果たして意味があるだろうか、と考えた結果、その部分だけは省略しました。
現在写経中の『暁の寺』にもこれから、主人公が哲学的な問答をひたすら続ける難所が出てきますが、そこはちゃんと写すつもりです。

写経をやってみた感想

題材にさせてもらったのが三島由紀夫さんの文章ということで、最初は難儀しました。慣れない旧仮名遣いだし、知らない単語ばかりで「漢検でも受けるのかな」と思いました。しかし、クスッと笑える悪態や、納得のいく表現を見つけた時は文豪の力量を窺えて感動を覚えました。

第1巻『春の雪』(衝撃的な最後でした。)を写し終えた時点で、三島さんの文章に大分慣れました。すぐに次巻『奔馬』に取り掛かかったのですが、主人公の真直ぐさと相まって、すいすい写経が進み、楽しかったです。
第三巻『暁の寺』の序盤を書き写している間に体調不良を起こしたので、ここで写経は中断。1か月療養して、小康状態になり、ショートショートを書き始め今に至ります。

継続は根付くもの

最近、微量ながら『暁の寺』の続きをやっておりますが、ブランクを挟んだせいで『奔馬』の時ほどスムーズにはいきません。数ヶ月間の努力は無駄になっちゃったなーと思ってました。
しかし、創作歴(ほぼ)ゼロの状態で、佳作を受賞、文章について評価いただけたということは、それなりの文章力が身に着いてきたという一応の証左にはなるのではないでしょうか。しかも、当作は「めちゃくちゃ上手い文章書いてやる」という気力を込めていたわけではないので(私の思う「悲しみの風景」がちゃんと伝わればいい、とだけ考えてました)、無意識で人に読んでもらえるレベルの文章を書けていたのかもしれません。

写経にのめり込む危険と、優れた文章の魔力

写経のデメリットとして、「作家の文体が移ってしまう」ということが挙げられます。
私も最近は特に、比喩表現が影響を受けているな~と自覚があります。三島さんの表現、納得がいくし面白いので、こんな比喩がパッと思い付けたらいいなあとは常々思います。

しかし、この記事で三島由紀夫さんについて書いてた時、一つ気付いたことがあって怖くなりました。

私が書いた「悲しみの風景」2の最後、『金閣寺』っぽいな……。

私は『金閣寺』は途中までしか読んでません(冒頭で主人公の父が亡くなった描写が衝撃的で、そこで止めてしまいました)。
主人公が金閣寺に放火する展開は知識として知っていましたが、「悲しみの風景」2を執筆中は全く意識していませんでした。ふわっと思い付いて、書いてみて、そのまま採用したラストです。
写経によって移るのは文体だけではないのかもしれない。そう考えるととても怖ろしいです。
これが偶然かどうかはさておき、理想・目標としている作家がいない限り、特定人物の文章を集中的に写経するのは避けた方がいいと思います。できるだけ色んなタイプの作家の文章を写すのがよいのではないでしょうか。

これから写経したい作品・作家

・川端康成さんの『舞姫』『掌の小説』
・安部公房さんの『他人の顔』
・向田邦子さんの『思い出トランプ』
・小川洋子さんの短編小説全般
・顎木あくみさんの『わたしの幸せな結婚』
・cosMo@暴走Pさんの歌詞
など。いろいろ写経してみたいと思います。
「この作品の文章いいよ!」というものがありましたら、ぜひ教えてください。

私の「推し」作品

最後に、誠に勝手ながら「タイトルから書く文芸賞」で気になった作品を紹介させていただきます。

今回の文芸賞に参加するきっかけを作ってくださった増田肉うどんさん。「リアリティ」や「優れた写真とは何か」について考えさせてくれる作品です。個人的には応募作品の中で一番印象に残るラストでした!
作品の最後に主人公が撮った写真がどんな風に評価されたのか、気になります。

今回優秀賞を受賞されたdeko(朝野にわ)さん。
個人的には、こちらの方が応募された3作品の中で一番好きです。アボカドでつながる夫婦の青春と現在のお話。モチーフを巧みに使ってらっしゃると思います! この文章を読んで、「このままじゃいかん」と自作品を見直しました。

全作品リストはこちらからご確認いただけます。

拙作はこちら。上が佳作をいただいたものになります。

最後まで読んでくださりありがとうございます!
またこのような企画があれば挑戦したいです。

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