「だって私はフェルンのことをなめているから」|葬送のフリーレン
アニメ『葬送のフリーレン』のS1E26『魔法の高み』では、フリーレンとフェルンの2人は、一級魔法使いの選抜試験を突破するために、ダンジョンでフリーレンの複製体と戦う。
この戦いで2人は、フリーレン自身の「おごりと油断」という弱点を突いて、彼女の複製体を倒すことになる。
この流れの前半については、前回の記事をご一読いただきたい。
(「私、フリーレン様を殺せるかもしれません」)
フリーレンの実力・魔力・技術だけでなく、「心の働き」までも精密に模倣する複製体には、フリーレンと同じ弱点があるはずだ。
その弱点とは、「魔法を使う一瞬だけ魔力探知が途切れる」というもの。
激しい対人戦を繰り広げながら、フリーレンとフェルンは、この隙が生まれるタイミングを見計らっている。
しかしその機会は、なかなか訪れない。
フリーレンとフェルンは2人がかりでも、一体のフリーレンの複製体相手に、苦戦する。
このとき、戦いの直前に2人が交わした会話の回想シーンが流れる。
そこでフリーレンはフェルンに、彼女の複製体と戦うにあたり、魔力探知の隙だけでは複製体を殺せるほどのものにはならない、と話している。
これに対しフェルンも、「もっと大きな隙があれば勝てるのですが」と返す。
そして2人は、「もっと大きな隙を作る」という方向で計画を立てていく。
フリーレンが「フェルンが勝てると思っているのなら、勝てる」と続けると、フェルンが「なぜですか」と聞き返す。
それに対し、フリーレンは以下のように答える。
だって私は、フェルンのことをなめているから。
戦う相手を見くびる「おごりと油断」は、致命的な隙を生む。
『葬送のフリーレン』の物語全体を通して、繰り返し出てくるテーマである。
それをフリーレンが、自身を例に挙げて言及しているのだ。
フェルンは一瞬息をのんだ後、以下のように返す。
それはよかったです。
なら充分、勝機はありますね。
ここで場面は、フリーレンの複製体との戦闘シーンに戻る。
フェルンはフリーレンの複製体に致命傷を与えるが、これまでに見たこともない魔法で反撃される。
杖は破壊され、フェルンは、身動きが取れなくなる。
力の差に圧倒されるフェルンだが、心の中ではこう思っている。
この攻撃を、私は魔法として認識できていない。
すごいです、フリーレン様。
これが魔法の高みなのですね。
でも、らしくないです。
隙だらけです。
ここへきてフリーレンの複製体は、背後への警戒を完全に怠る。
その隙をつかれ、フリーレンの攻撃を受け、倒されるのだ。
この時、複製体にとって致命的な隙となったのは、事前に想定していた「魔法を使う一瞬だけ魔力探知が途切れる」という弱点ではない、と私は考えている。
なぜならこれは、魔法を使った「直後」の油断だからだ。
今まで見せたこともないほどの強い魔法を使い、圧倒的な魔力の差をフェルンに見せつけた、その力の顕示こそが、致命的な隙を生んだのではないか。
つまりそれは、「おごりと油断」だ。
「フェルンのことをなめている」と言ったフリーレンの心の動きを、複製体は精密に模倣した。
その油断が、仇となった。
今までにも何度も引用してきたフランメの言葉を、再度また、ここに書きたい。
魔族が、魔法使いが、そして私たち自身が、自らの身を滅ぼすものとは何なのか。
今まで研鑽を積んできた魔法に対する、自信と信頼。
要するに、クソみたいなおごりと油断だ。
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