「おまえの魔法は、強すぎたんだ」|葬送のフリーレン
フリーレンたち魔法使いは、
魔法を身に付けるために必要な知識を
魔導書から学ぶ。
魔導書とは教科書であり、本であり
体系的な「知」を象徴していると考えられる。
しかし魔導書以外でも、学ぶべき「知」として
『葬送のフリーレン』のなかで
繰り返し言及されるものがある。
それが魔法史、すなわち歴史だ。
S1E3『人を殺す魔法』でフリーレンはフェルンに対し、
魔法史を学ぶことの大切さについて、何度も話している。
ある時フェルンは、
「防御魔法」の練習ばかりしていることについて
以下のように話す。
防御魔法一つで、
ほとんどの攻撃魔法が防げますからね。
強力すぎて、不思議です。
これを聞いたフリーレンは、
渡した魔法史の本を読んでいないフェルンを叱る。
魔法は実践だけが大事なわけではなく
魔法史の勉強も重要なのだと説く。
このエピソードの後半で、この伏線は回収される。
80年前に一度フリーレンが戦い、
当時は倒すことができなかった強靭な敵、
魔族のクバールとの再戦の時だ。
クバールは、その一生をかけて開発した
人間を殺す魔法とも呼ばれる「ゾルトラーク」で
フリーレンたちに攻撃をしかける。
しかしこれは、フェルンの防御魔法によってはね返される。
かつてフリーレンが倒せなかったクバール相手に、
その攻撃を自分が防げたことに、フェルンは戸惑う。
ゾルトラークは、フェルンが「一般攻撃魔法」として
当たり前に使える魔法だったのだ。
クバールに向かって、フリーレンは言う。
クバール、おまえの魔法は、強すぎたんだ。
おまえが封印されてから、大陸中の魔法使いがゾルトラークをこぞって研究・解析した。
わずか数年で、ゾルトラークは人類の魔法体系に組み込まれ、
新しい防御術式による強力な防御魔法が開発された。
80年は、人間にとっては長い。
研究を重ね、新しい技術を開発・習得するのに
十分な年月だ。
人類はゾルトラークを解析し、理解し、洗練させ、
多くの魔法使いが「一般攻撃魔法」として使えるまでになった。
そして今回の戦いで、
クバールはあっけなく、倒される。
歴史から学び、勉強と修練を積むことで
人類は魔族という「力による支配」に
立ち向かい、勝つことができたのだ。
現実社会に生きる私たちにとっても、
これはとても示唆深い。
今何が起きているのかを的確に理解し、
過去に犯した同じ過ちを繰り返さないためにも、
私たちは歴史から学ぶべきなのだろう。
🪄
本コラムをおもしろいと思っていただけた方には、以下もオススメです。


