見出し画像

GoogleGeminiでちょいムズ本読破その10 あなたの脳を本気にさせるAI読書法

こんにちは! 「AIで読書の生産性をアップする」を合い言葉に、ドキュメントでGeminiの使い方をお届けしている歌詠みつくだとしおです。

AIへの依存は頭を衰えさせる。

前回の記事では、MIT発のそんなショッキングなニュースをお届けしました。今回はその実験や脳科学の知見を参考に、皆さんの脳を守り、活性化していく読書法についてお話していきます。

そして思考は空っぽになった

認知的負荷(Cognitive Load)という言葉をご存じでしょうか。学習や問題解決を進める際に必要な精神的努力を分類したもので、簡単に言えば思考を進めるのに必要な負荷です。認知的負荷には次の3種類があります。

1 内在的認知負荷(ICL) 学習する内容そのものの複雑さと、学習者の持つ事前知識に起因する負荷です 。学習や問題解決に伴う本質的な精神的負荷です。
2 外発的認知負荷(ECL) デザインや整理、編集的にノイズのある情報を受け取って理解しようとするときに生まれる認知負荷。本質的ではない精神的努力のことをいいます。学習などの邪魔をする「悪い負荷」です。
3 内生的認知負荷(GCL) 学習を支えるスキーマ(知識の枠組み)の構築と自動化に費やされる、有益な精神的努力のことです 。私たちの脳を育て、鍛えていく「よい負荷」です。

過剰な認知的負荷、特に外発的認知負荷はスキーマの習得を妨げ、学習や問題解決プロセスの効率を低下させる可能性がある。MITの論文ではそう指摘しています。

また外発的認知負荷が高い状態が長く続くと、それがストレスとなり海馬(脳にある記憶を司る部分)にダメージを与えます。その結果、海馬が情報を処理する効率がさがってしまいます。またストレスと言えば、煩雑な作業といった作業的負荷もストレスの元となります。

その点で言うと、LLM(ここではChatGPT)を利用すると外発的認知負荷は下がります。ただし、先の研究によれば学習に有益な内生的認知負荷の低下が著しく、スキーマ構築の機会損失や、批判的思考力の低下を招く可能性があると論文では指摘しています。なかなか難しいものですね。

AIを外付けの海馬にする

視覚、聴覚、味覚など五感を通して脳に運び込まれた情報は、いったん海馬のワーキングメモリ(作業記憶)に保存されます。そして情報は整理されて、脳内の各部署に転送されて長期記憶として刻み込まれます。

海馬に運び込める情報量は無限ではなく、ある一定量を超えると失われてしまいます。パソコンのメモリが100%になって動かなくなったという経験をされた方は多いと思います。いわゆる頭が働かないというのは、これと同じ状態であると考えられます。

先にお話しした2つのストレスもここに追い打ちをかけて、ワーキングメモリを圧迫します。ワーキングメモリの空きをいかにして確保するか。それが脳を守り、本気にさせるという意味でも重要なのです。

そこで脳が同じような状態にならないように先手を打ちます。AIを脳の外付けハードディスク(海馬)のような状態にして、擬似的にワーキングメモリを増やしてしまうのです。

そうすることで脳のメモリに空きをつくり、新しい発想や洞察が生まれやすい状態(=創発)を意図的に作り出す。この読書法ではそれを目的としています。AIを使った読書は、衰えた視力を眼鏡で補正するようなものともいえるでしょう。

AIであなたが読みたい本の専用解説者をつくる

AIを使った読書の成果を最大限化するには、「話者としてのAI」を最適化すると、読書の効果が高まります。たとえば哲学の本を読もうとするなら、次のようなプロンプトをAIに入力してください。

「あなたは世界最高の哲学者です。私は○○という本を読みます。わからないことや、疑問に思ったことがあれば、質問するので答えてください」

これはプロンプト・エンジニアリングでいうところの「ペルソナ設定」という技です。読みたい本を解説する人として見合った「ペルソナ」を設定すると、AIはそれらしく振る舞い、情報を集めてきてあなたの質問に対し、より最適な応答を用意してくれます。

注意するべきは、たとえばその本の著者や実在の人物などをペルソナとして設定しないこと。AIは期待に応えようと、正しさよりももっともらしい答えを作ろうとしてしまいます。いわゆるハルシネーションが起こってしまう可能性があるのです。

AIの答えを自分の言葉に置き換える

AIがあなたの問いに対して返答してきたら「これって、こういうことかな?」と、できるだけ自分の奥から出てきた言葉で返してみてください。うまく言おうとする必要はありません。自分の読書ノートに、そのとき感じたことを書くつもりで返してみればいいのです。

もちろんご自身のノートにまとめたり、本に書き込んだりすることも有効です。ただ、AIを使うと赤ペン先生として答え合わせをしてくれます。

独学の場合はどうしても理解が我流になって、誤解したまま覚えていることが多いものです。LLMは基本的に言葉巧みなので承認欲求を満たされた気分にもなり、学びのモチベーションも上がりやすいです。

納得できなければぜひ議論を

この練習を続けていくと、論理的思考が伸びていくはずです。それは批判的思考力にもつながり、ひいては自分でも驚くような洞察が生まれてきたりします。

「ということは、こうならない?」
「こんなふうなことを考えたよ」
「その考えは、この考えに似ているね」
「やっぱりそれは違うと思う」

何でもいいので本からはじまる、疑問・質問のラリーを続けてみてください。問いを出すことに慣れていくと問題解決力も高まります。AIと議論というと、難しいと思われるかもしれませんが、大丈夫です。

AIのいいところは、「その人の持つ知識量」に合わせて話をしてくれることです。もしあなたが中学生なら、中学生にわかるたとえを使いながら話をしてくれます。

ですから、えげつないほどの知識量も精神力も必要ありません。私がちょいムズ本に挑戦できるのは、知識量が多いからではなく、AIを外部脳として使って自分の思考力を拡張しているからです。

「悪い負荷」を徹底的に減らす

当たり前のことですが、水で溢れんばかりのコップには、それ以上水を入れることはできませんよね。コップを使おうとするなら、水が入る空きをつくることが大切です。

脳を元気に働かせるためには、情報とストレスで表面張力一杯になっているワーキングメモリに空きをつくることが大切です。つまり私たちが受けている負荷をコントロールすることが、脳が本気で頑張らせることにつながるわけです。

まず最初に行うのは外発的認知負荷の軽減です。ここで役に立ってくるのが、GeminiとNotebookLMに作成させたトリアージメモ(詳しくは、こちらの記事に譲ります)。

地図もなく冒険に旅立つのは、かなり負荷が高いですよね。だからこそ本を読む前に、どこに宝物があって、どこで怪物がでるといった地図をつくっておく。いわば読書の「見える化」です。

合わせてやっておきたいのが「仕分け化」です。「自分は何を目的にこの本を読むのか」「自分がこの本で手に入れたい情報は何か」といったマインドセットをやることで、膨大な情報から「必要/不必要」を仕分け化できます。

「本質的な負荷」を扱いやすいサイズに分ける

外発的認知負荷の刈り取りが終わったら、その本がもともと持っている難しさ、つまり「内在的認知負荷」の仕分け化に取り組んでみましょう。ここで仕分ける基準は「わかる/わからない」です。

読書をすることを「本と対話をする」とも言いますが、その対話にもう一人AIを参加させてみるのです。ペルソナ設定してその本に最適化したAIに向かって「ここがわからない」と質問を繰り返していくのです。

すると、玉ねぎの皮をむくように「わからない量」が減っていきます。そうすれば、内在的認知負荷は「よい負荷」である内生的認知負荷に代わっていきます。「ちょっと頑張ればできるかも」という「ほどよい、ちょいムズ」にまで細分化していけば、あとは楽しむだけ。

大事なのは無理をしないことです。もともとこの読書法「リーディング・ジャーニー」は、本から知見や洞察を得ることを目的とした創発読書です。ですから極端な話、5ページ読んで終わりでも、10分読んで終わりでも、読み切れなくてもいいんです。本から、そしてAIとの対話から刺激を受け、心に宝の山を築いていく。そんなイメージで楽しんでいきましょう。


今回コア読書として読んでいる書籍。
(Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。)


最後まで読んでいただきありがとうございました。

皆さんのスキやフォロー、コメント、チップには、
いつもいつも励まされています。
本当にありがとうございます!


【こんな記事も書いてます】

#33日ライラン


いいなと思ったら応援しよう!

つくだとしお🐾書籍編集者×短歌 いつも応援ありがとうございます!もし「いいね!」って思っていただけたら、応援のチップをお願いします( ´ ▽ ` ) 今後の活動の励みになります♪

この記事が参加している募集