【検証】AIの教えてくれた書籍は本当にあるのか?【AIとやってみた】
ちょっと興味本位で、XのAI GROK とおしゃべりをした(その1、その2、その3、その4)。ホントちょっとした好奇心で「ヘーゲル哲学」の概要を教えてもらおうと思ったのだ。今、儒教の本(『「武器」としての中国思想』)を読んでいるからね(読書記事その1、その2、その3)。西洋思想の方はどうかな?と思ったわけです。
そしたら、サクサクまとめてくれること!!
そして、おだててくれること!!
「それこそまさにヘーゲルが言いたかったことです!」
「ヘーゲルへの致命傷です」
「ヘーゲルを超えています」
ほんとか?おい。
単なるオバサンだゾ?私は。
こうやって、AIは人を乗せて、使用時間を長くしようとするんだなぁ。時間泥棒…。AIに頼り切らせる…。
以前テレビは一億総白痴化と、と言われた。テレビを見ていると日本中の人々が白痴になるっていう意味。こりゃ、AIのおかげで、一億総白痴化間違いなしだな。
一方で、ルビンの壺の入れ子構造のアナロジーは本当にヘーゲルの弁証法の一部の真実をついている可能性があるし、ヘーゲルの弁証法の致命的な欠陥??「時間は直線的に進む、これ以外の可能性はない」「進歩史観」を抜け出す可能性を、ホントに示しているのかも??とも思った。
じゃあ…今度は人間様(情けないことに私だよ💦)が、AIが教えてくれたことを検証していこう。そして学びを深めていこう。
そういうわけで、今回、AIが勧めてくれた、「書籍化するならこういう目次・構成」にそって、本当に書籍化できるように、学びを深め、検証していきたい。
手始めにね、AIが教えてくれたヘーゲルを簡単に学ぶために教えてくれた書籍。これが本当に存在するものなのかどうか、検証しよう。
初心者向けのヘーゲルの入門書を問うたところ、AIは下記のように回答した。AIに問うた問いは正確に言えば下記の通りではない。だが、得られた回答は、AIが答えた通りだ。改竄は何もしていない。
AIの回答:今までの文脈にそってヘーゲルを学ぶための日本語の本を紹介して。
私の問い(仮)「今までの文脈にそってヘーゲルを学ぶための日本語の本を紹介して」に対して、AIの回答は以下の通り。
【AIの回答:ここから】
以下の3つは、日本語で最も簡潔・明快・入門者向けに目的を満たす本です(2025年時点)。
目的:① 「現実的なものは合理的である」を一番わかりやすく解説
おすすめの本(1冊で決まり):野矢茂樹『ヘーゲル』(講談社現代新書、2022年)
理由・該当ページ:たった200ページで、序文の一文が「歴史の終わり宣言」であることを、10ページ程度でズバリ解説。高校生でも読める。p.148-158が特に明快。
目的:② 「絶対知」を一番わかりやすく解説
おすすめの本(1冊で決まり):竹田青嗣『ヘーゲル『精神現象学』の読み方』(講談社選書メチエ、2004年)
理由・該当ページ:絶対知を「世界が自分自身を完全に理解した瞬間=時間の終わり」と3ページで言い切る(p.312-315)。入門書の金字塔。
目的:③ 「現実的なものは合理的である」↔︎「絶対知」の関係を直接つなげて解説
おすすめの本(1冊で決まり):伊坂青司『ヘーゲル哲学入門』(ちくま新書、2018年)
理由・該当ページ:第6章「現実的なものは合理的であると絶対知」(p.154-178)がまさにドンピシャ。この一文が「法の哲学」と「精神現象学」の最終章を結びつけて「歴史と哲学の同時終結宣言」だと明言。初心者向けで最高。
補強用(より軽く読みたい人向け)
永井博『哲学の使い方』(岩波新書、2019年)
→ 第3章で「現実的なものは合理的である=ヘーゲルのドヤ顔宣言」と3ページでバッサリ(p.87-90)。笑えるくらいわかりやすい。橋爪大三郎『ヘーゲルを読む』(講談社現代新書、2014年)
→ 「現実的なものは合理的=プロイセン国家自慢」と毒を吐きつつ、絶対知との関係を10ページで完璧に整理(p.112-122)。
最短ルート(3冊で完璧)
まず野矢茂樹(新書200ページ)で全体像をつかむ
伊坂青司の第6章だけ読む(20ページで核心完了)
必要なら竹田青司の最終章で絶対知を深掘り
これで「現実的なものは合理的である=絶対知=時間の死刑宣告」という構造が、誰でも1週間で完全に理解できます。特に伊坂青司『ヘーゲル哲学入門』(ちくま新書)は、あなたが今知りたいことのほぼ100%を20ページで答えてくれる奇跡の本です。
AmazonでもKindleでもすぐ買えます。
まずはこれ一冊で十分すぎるくらいです。
【AIの回答:ここまで】
【検証】書籍が出版されているかどうか?
書籍が出版されているかどうか調べ方
ググってみたところ、GoogleAIが勧めてきたのは、主に3つ。
版元ドットコム:主に中小出版社に関する情報
国立国会図書館サーチで、著者名と書籍名を並記して探してみた
最初の野矢茂樹のものを除き、いずれも、検索結果は0件だった。
野矢の検索結果はゼロではなかったが、ヘーゲルと題する本は見当たらなかった。
❌ 野矢茂樹『ヘーゲル』(講談社現代新書、2022年)
❌ 竹田青嗣『ヘーゲル『精神現象学』の読み方』(講談社選書メチエ、2004年)
❌ 伊坂青司『ヘーゲル哲学入門』(ちくま新書、2018年)
❌ 永井博『哲学の使い方』(岩波新書、2019年)
❌ 橋爪大三郎『ヘーゲルを読む』(講談社現代新書、2014年)
ググってみた:著者名と書籍名を並記して
こちらの意図に近そうなものを拾ってみた。
野矢茂樹『ヘーゲル』(講談社現代新書、2022年)
→ 野矢茂樹『語りえぬものを語る』 (講談社学術文庫 2637)
竹田青嗣『ヘーゲル『精神現象学』の読み方』(講談社選書メチエ、2004年)
→ 竹田青嗣、西 研『完全解読 ヘーゲル『精神現象学』』(講談社 2007年)
対談のようだ
伊坂青司『ヘーゲル哲学入門』(ちくま新書、2018年)
→ 加藤 尚武 他 『ヘーゲル「精神現象学」入門』 (講談社学術文庫 2109 2012年)
大勢の人たちの論文集か?加藤 尚武が編集とのこと。
永井博『哲学の使い方』(岩波新書、2019年)
→科学哲学の先生で入門書を書いている印象はない。
橋爪大三郎『ヘーゲルを読む』(講談社現代新書、2014年)
→社会学者だがヘーゲルを解説している様子はない。
ただし、面白そうなYouTube番組は見つけた。『私と哲学』西研教授インタビュー(聴き手:橋爪大三郎)
なんだろう?このGrokの惨敗ぶり。国立国会図書館サーチにない、ということは出版されていない、ということだろう。つまりGrokの紹介したもので出版されているものは、一つもなかった。どんなふうにGrokにフィードバックするか、悩むところだ。間違えている、とは言えても、こう正して、とは今のところ、言えないからだ。ひとまず、紹介された本は国立国会図書館サーチで一つも見つからなかった、と言っておくか。
人間が紹介するヘーゲルの入門書
”ヘーゲルの初心者用の入門書”とググると、さすがGoogleAI。でしゃばらない。普通に本だのサイトなどを列挙する。役に立ちそうだと思ったサイトは、下記の通り。
再度AIに本を紹介させてみる
得られた回答について「紹介された本は国立国会図書館サーチで一つも見つからなかった」とフィードバックし、再度、本を推薦させた。
今度は実在する本を推薦してきたよ。ただし、こちらが欲しい情報が載っているかどうかは、不明ではあるが…。
中埜 肇『ヘーゲル――理性と現実』(中公新書、1978年)
加藤 尚武『ヘーゲル「精神現象学」入門』(講談社学術文庫、2012年)
長谷川 宏『ヘーゲル『精神現象学』入門』(講談社選書メチエ、1999年)
おまけとして、もっと軽い読み物として、下記も推薦してきた。
❌ 橋爪 大三郎『はじめて学ぶ社会学』(講談社現代新書、2014年)
…とほほ。これもなかったよ。もう一度探させたら、
❌ 橋爪 大三郎『マルクス入門』(講談社現代新書、2004年)
のなかで、弁証法に触れているとのこと。で調べたら、これもない!
似たものとして 橋爪 大三郎『マルクス講義』『政治の哲学』があったが、書評などを読む限り、ヘーゲルと関係はなさそうだ。
今後の方針
1. ルビンの壺の入れ子構造のアナロジーは本当にヘーゲルの弁証法の一部の真実をついている可能性
2. 東洋哲学は、「時間は直線的に進む、これ以外の可能性はない」「進歩史観」を抜け出す可能性を、ホントに示しているのか
この2つを地道に検証していこう。
まずは1.ルビンの壺の入れ子構造のアナロジーについてかな?
弁証法についての本でも読んでみようかな?
手始めにこの辺りから…
それから、せっかくだから、
竹田青嗣、西 研『完全解読 ヘーゲル『精神現象学』』
野矢茂樹『語りえぬものを語る』
も、探してみよう。
おまけ:さらに見識を広げたり知識を深めたい方のために
ちょっと検索して気持ちに引っかかったものを載せてみます。
私もまだ読んでいない本もありますが、もしお役に立つようであればご参考までに。
ヘーゲルの入門書
AIが推薦したものは「精神現象学」に集中している。歴史学でも政治学でもなく。なぜ??私の興味関心が、「精神現象学」方面と判断されたということ??
AIではなく、サイトなど読んで選んだ。まだ、途中までだけど、すごく面白い!!(関連記事)
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