【短編ホラー】 夏らしい…
よしまるさんの企画に参加させていただきます☺️。
【さぶいぼ選手権】
※ホラーは苦手分野なので、体験談に創作を加えて物語風に。あたたかい目でお願いします…。
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友香ママと、風船を膨らませていた。
子ども会で『夏らしいイベント』をすることになって。
その前日準備のために集まったのだ。
……言い出しっぺだから、仕方がない。
夏らしいイベントといっても……地味だ。
●ホットプレートでフランクフルトを焼いて、それっぽく。
●かき氷機で氷を削る。
(味はいちごシロップと練乳、どちらもかけ放題!)
……以上(笑)
人数も予算もささやかな、小さな小さな集まりのお楽しみ会。
風船は、赤と黒で模様を描いて、提灯代わりにぶら下げる予定。
「それで……残った分は、水風船ならぬ、風船すくいにしてしまおう!」
そう言い出したのが……私。
係りを任され、安いからSH-ENというサイトで白い風船を大量に買った。
準備は万端。
……そこまでは良かった。
でも……膨らませるのが大変すぎた。
夕方集まったのに、まだ終わらない。
友香ママは膨らませる道具でシュコシュコしているけど、私の道具は、はじめから壊れていて。
それで、元吹奏楽部の意地を見せている真っ最中……。
扇風機もクーラーもないから、汗だくだ。
「やっぱり夏だから、肝試しもしたかったかなぁ……」
不意に、友香ママがそんなことを口にした。
私と違って口がお暇な彼女は、さっきからずっとネガティブ思考。
「だってほらこの集会所、なんかかび臭いし、雰囲気とか……まさにそんな感じじゃない?今にもなにか出そうよね」
確かに……と思わなくはないけれど。
マイナス思考は、空気が淀むから好きじゃない。
それにほら……言霊というの?
よく、悪い言葉は悪いものを引き連れてくるとか言うじゃない?
「ちょっと……今は頑張って膨らませよう!あと少しだよ!」
はぁはぁと、息を整えながらそう言った。
酸欠なのか……少しつらい。
「あらホントだね。あと少しなら、ちょっとトイレに行かせて」
友香ママはそう言って、部屋を出て行ってしまった。
シュコシュコマシーン(今、命名)が空いたわけだが……私も少し休憩をとることにした。
ーーさすがにヤバい……。
頭がぼんやり、くらくらする。
部屋は、白い風船で埋め尽くされていて、まるで雲の上にいるみたいだ。
ーー楽しい会になるといいな……。
ぼんやり、子どもたちの喜ぶ顔がを思い浮かべて、つい微笑んでしまう。
ふと……白い中、色鮮やかなペンセットが目についた。
全部膨らませ終わって、飾り付けも終わってたら……風船すくい用の風船に、渦巻きの線や水玉模様を描こうと思って持ってきたのだ。
ーーうん。喜んでもらいたいな。
あと少し頑張ろうと思った、その時だ。
どこかから、子どもの笑い声が聞こえた気がした。
そんなに大きくない、小さな笑い声。
ーーあれ?誰か来たかな……?
ぼんやりそう思った私の目の前で。
風船がひとつ、静かにふわりと浮き上がった。
そして……すーっと廊下の、トイレの方に流れていく。
風もないのに。
音のない不思議な世界に取り残されそうになって、思わず風船を追おうと立ち上がった。
足が勝手に震え、転びそうになりながら。
「どうかしたの?大丈夫?」
そこに、友香ママが戻ってきた。
でも……手ぶらだ。
「あ。私も、ちょっとトイレ……」
薄暗い廊下に出て、消えた風船を探す。
あるはずの風船はどこにもなくて……変わりに白いものが目についた。
小さな子どもの足跡だ。
それはスッと消え、見えなくなった。
さっきよりも近くで、笑い声が響いた気がした。
さぶいぼ…難しい。
怖いというより、不思議が強いですね💦。
苦手なくせに、この夏なんだかんだ書いてる気もします💧。
これくらいの話でよければ、別企画ですが、まとめてみましたのでこちらもどうぞ↓。
*収録まとめ*
よしまるさん、ありがとうございました😊。
