塾なし6年の戦略 ~夏・天王山まで
この記事は【中学受験シリーズ】の一部です。
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① 中学受験にかかった総額120万円
5年1月末、我が家はすべての塾をやめました。
進学くらぶも、適性検査塾も。
ここから受験本番まで、息子はどこかの塾に「完全所属」することなく走り切ります。単発の講座や模試を活用しながら、塾の外側で組み立てていく受験——それが6年生の戦略でした。
1. なぜ5年1月末にすべてやめたのか
進学くらぶを退会した理由はシンプルでした。 四谷大塚のカリキュラムが5年生で一通り終わったこと。そして東京の塾である進学くらぶには、関西の志望校に特化した対策が期待できないと判断したからです。
適性検査塾を退会した理由は、ある日の出来事がきっかけでした。
息子が塾から持ち帰ってきたのは、「新小学問題集6年」。 パラパラとめくった瞬間、親子ともに同じことを思いました。
…このままではレベルが低すぎる。
作文と面接以外の対策は、もうここにいなくてもできる。 そう判断して、集団授業からは外れました。
塾を変えるのではなく一度すべて外し、ここから設計をやり直しました。
2. コベツバwebとの出会い
塾をすべてやめた直後、正直なところ不安がなかったといえば嘘になります。 でも息子は、むしろ前向きでした。
以前から気になっていたコベツバwebを、ここで本格的に始めることにしました。
浜学園出身の先生が、標準語で淡々と話しながらホワイトボードにリズミカルに書いていくスタイル。声も話し方もシンプルで、息子の肌に合ったようです。
コベツバの魅力は、「武器」を集めていく感覚にあります。 解法の道具が一つひとつ増えていく——男の子はこれが好きなんですよね。 やる気のスイッチが、確かに入りました。
取り組み方はシンプルで、苦手をひたすら潰していく。それだけです。
※当時のコベツバwebは現在と仕様が異なります。掲載している記録はその当時のものが今の表示スタイルになっています。




3. 浜学園は「通う場所」ではなく「使う場所」
この時期、SNSで知り合った終了組の保護者の方から、浜学園の教材を譲っていただきました。
最レ5年算数のやり直しと、6年マスター算数をしっかりやり込む。 塾に通わずにこれができたのは、本当にありがたかったです。
そして6年生になってから、公開学力テストを受け始めます。完全所属の塾がない以上、立ち位置の把握が何より重要でした。
2月・3月・4月・5月と受け続け、
3月でVクラス認定(偏差値 約60)
5月でようやく4科が100傑入り(偏差値 約63)
マスター講座は受講していませんでしたが、この流れでお声がけをいただき「塾生」として籍を置くことになり、お世話係さんがついてくださいました。そして西宮本部の事務の方には本当に最後の最後までお世話になりました。
その後は6月・9月・12月の公開、さらに自宅模試や1日だけの7冠特訓や灘・東大寺・洛星・洛南・開成などの模試も受け始めます。
最後まで、浜での立ち位置は「一つの軸」として使い続けました。
4. 夏の天王山 馬渕教室へ
夏前に、馬渕教室の公開模試を受けました。 4月の時点で偏差値64.5を取り、Nクラスの入室資格を得ました。
馬渕教室には最難関クラスとして「SSST」と「Nクラス」があります。
息子が入ったのはNクラス——灘・東大寺などの最難関を目指す子が集まるコースです。
ただ、息子は灘を目指したことは一度もありません。公立中高一貫が第一志望であり、1・2日目の灘を受験することはできません。馬渕側から「Nクラスに入ってほしい」と指定された形です。塾としても灘・東大寺の合格実績を積み重ねたい事情があり、それが一致した結果でした。
馬渕教室は季節講習を無料で実施していますが、通常の校舎レベルの講習では我が家の目的には合わないと判断していました。Nクラスなら入る意味がある——そういう条件のもと、まず夏期講習だけという約束で入室することになりました。

時間割を見ていただければわかるとおり、授業は9時から18時まで。帰宅後も宿題があり、翌日の復習テストに備えての予習——特に語句の暗記をこなすと、就寝は1時半、起床は7時半という日々でした。睡眠時間にして6時間。休みはあるものの、それが丸々1か月続きました。
語句の対策については、当時洛南の受験も視野に入れていたため、無駄にはならないと割り切って取り組んでいました。
この天王山を乗り切ったことが、9月以降の後半戦につながっていきます。塾なしで乗り切るためのさまざまな特待をいただくことになるのですが、それは次の記事で書きます。
そしてもう一つ、この夏に起きた思わぬ出来事があります。「灘コース」の夏期講習で出会ったひとりの仲間が、なんと今では息子と同じ学校に通う親友になっているのです。中学受験の縁とは、不思議なものです。
※馬渕教室への入塾ルート・特待についての詳細は、別記事で書く予定です(有料)。
5. 春から夏の「塾なし」とは何だったのか
振り返ると、この時期の学習はシンプルな構造でした。
コベツバwebで算数の武器を一つずつ積み上げながら、浜学園の公開学力テストで関西での立ち位置を確かめる。これが春の骨格でした。完全所属の塾がなくなって不安がなかったといえば嘘ですが、「次のテストで何点取れるか」より「苦手をひとつ潰せたか」を問う日々の積み重ねが、確実に前進している感覚をくれていました。
塾なしになり、浜で関西での立ち位置を確かめながら、コベツバで算数を強化する——その繰り返しの中に、夏の馬渕Nクラスという一点突破を組み込んだのが前半戦でした。
6. 各塾の偏差値について
偏差値の物差しについて補足しておきます。塾が違えば偏差値の「出方」が変わります。
目安としては
日能研の偏差値-10=浜学園の偏差値
馬渕の偏差値=浜学園の偏差値+5前後
日能研の偏差値-5前後=四谷大塚の偏差値(偏差値帯によっては差はなし)
息子の場合、進学くらぶ(四谷大塚)在籍時には偏差値65〜69の間にいましたが、夏前の時点で浜学園の公開では63、馬渕の公開では64という数字でした。同じ子が同じ時期に受けても、塾によってここまで数字が変わります。偏差値は「どの塾の物差しか」とセットで読む必要があります。
9月以降の後半戦については、別の記事に続きます。
【中学受験シリーズ】
① 中学受験にかかった総額120万円
② 浜学園から進学くらぶへ|我が家の設計変更
③ 4年9月、20週ビハインドからSコースへ
④ 図形の極を3つの塾で受けてわかったこと
⑤ A3プリンターは必要か?
⑥中学受験に方程式は使うのか
⑦適性検査塾と進学くらぶ どっち(公立中高一貫対策)
⑧公立中高一貫校に「難関私立レベルの学力」が必要な理由
⑨塾なし6年の戦略 ~前編 夏・天王山まで
⑩歴史の攻略法「大河ドラマ」
⑪塾なし6年の戦略 ~後編 9月から本番まで
