空間翻訳社の出番 #4 空間翻訳社という役割
空間翻訳社は、どんなときに出番が来るのだろうか。
空間翻訳社とは、同じプロジェクトに関わる異なる立場の人たちの間にある認識差を埋め、判断できる形へつなぐ仕事である。
この連載「空間翻訳社の出番」では、現場で実際に起こりやすい4つの場面から、その役割を紹介していく。
#1 点群はある。でも、どう使えばいいかわからない
#2 BIMはある。でも、見えているものが違う
#3 手戻りは、なぜ起きるのか
#4 空間翻訳社という役割
第4回は、「空間翻訳社という役割」についてだ。
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ここまで、
「点群はある。でも、どう使えばいいかわからない」
「BIMはある。でも、見えているものが違う」
「手戻りは、なぜ起きるのか」
という3つの場面を紹介してきた。
どれも別々の問題に見えるかもしれない。
けれど、私には共通する原因があるように思える。
それは、「空間の認識差」だ。
同じ現場を見ていても、人によって見えているものは違う。
同じBIMモデルを見ていても、受け取る情報は違う。
同じ図面を見ていても、経験や立場によって解釈は変わる。
だから、現場では思い違いや手戻りが起きる。
これは、誰かの能力が足りないからではない。
それぞれが、自分の役割の中で正しく判断しているからこそ起きることでもある。
空間翻訳社は、その間に立つ。
測量会社でもない。
BIMモデリング会社でもない。
ソフトウェアを販売する会社でもない。
点群やBIM、CADなどのデータを整理し、それぞれの立場の人が判断しやすい形へつなぐ。
私は、この仕事を「空間を翻訳すること」だと考えている。
翻訳とは、言葉を置き換えることではない。
相手が理解できる形へ伝えることだ。
空間も同じだ。
データを増やすことが目的ではない。
モデルを作ることが目的でもない。
現場、設計者、施工者、発注者が、同じ空間を共通の認識で見られるようにすること。
それが、空間翻訳社の役割だ。
この仕事は、まだ広く知られている職種ではない。
だからこそ、これから少しずつ事例を積み重ねながら、この考え方を形にしていきたいと思っている。
「空間翻訳社の出番」シリーズでは、これからも実際の事例や現場で起きる課題を取り上げながら、空間翻訳という考え方が、どのような場面で役立つのかを紹介していく。
現場の”伝わらない”を減らすために。
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空間翻訳社の考え方について、より詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
「図面を作るのではない。判断できる空間をつくる。─空間翻訳社がこれから始めること─」
また、空間翻訳社が業務として「あえて行わないこと」は、こちらにまとめています。
「【重要】空間翻訳社が『やらないこと』──BIMモデリング納品を行わない理由」
