空間翻訳社の出番 #1 点群はある。でも、どう使えばいいかわからない
空間翻訳社は、どんなときに出番が来るのだろうか。
この連載「空間翻訳社の出番」では、現場で実際に起こりやすい4つの場面から、その役割を紹介していく。
#1 点群はある。でも、どう使えばいいかわからない
#2 BIMはある。でも、見えているものが違う
#3 手戻りは、なぜ起きるのか
#4 空間翻訳社という役割
第1回は、「点群はある。でも、どう使えばいいかわからない」という場面だ。
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「点群を取得しました。」
最近、この言葉を耳にする機会が増えた。
レーザースキャナーやドローン、iPhoneのLiDARなどで取得した点群データは、現場を高精度に記録できる技術として広く使われ始めている。
しかし、その先では、こんな声も聞こえてくる。
「点群はある。でも、このあと何をすればいいのかわからない。」
これは、決して珍しい話ではない。
点群は、現況を非常に正確に記録したデータだ。
けれど、そのままでは設計者、施工者、発注者がすぐに活用できるとは限らない。
ある人はRevitで使いたい。
ある人はCAD図面と重ねて確認したい。
ある人は完成イメージを共有したい。
ある人は現場で安全に判断したい。
同じ点群データでも、立場によって「欲しい情報」はまったく違う。
だから私は、「点群を取得すること」と「点群を活用すること」は別の仕事だと考えている。
点群をBIMモデルへ変換する会社もある。
点群を解析する会社もある。
どちらも重要な仕事だ。
一方で、点群を取得したあと、設計や施工、維持管理へつなぐまでには、まだ埋まっていない仕事がある。
「このデータを、誰が、どう使うのか。」
その視点でデータを整理し、関係者が同じ空間を、同じ認識で判断できる状態へ近づけること。
それが、私が考える「空間翻訳」の役割だ。
空間翻訳社は、測量会社でもなければ、BIMモデリング会社でもない。
点群というデータを、人が判断できる空間情報へ翻訳する。
そのために必要な整理や変換、認識合わせを支援する。
それが、空間翻訳社の出番だ。
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今回紹介したのは、空間翻訳社が関わる場面の一例だ。
空間翻訳社という考え方そのものについては、こちらの記事で紹介している。
「図面を作るのではない。判断できる空間をつくる。─空間翻訳社がこれから始めること─」
また、空間翻訳社が「あえて行わないこと」については、こちらにまとめている。
「【重要】空間翻訳社が『やらないこと』──BIMモデリング納品を行わない理由」
