【重要】空間翻訳社が「やらないこと」──BIMモデリング納品を行わない理由
空間翻訳社は、点群データとBIMデータを活用し、現場と設計の間にある空間認識の差を埋めることを目的としている。
そのため、業務範囲を明確に定めている。
空間翻訳社では、BIMモデリングそのものを成果物として納品することは行わない。
理由は、BIMモデルが単なる3D形状データではないためである。
BIMモデルには、部材情報、属性情報、数量情報などが含まれ、設計・施工・積算など、その後の工程に影響する情報となる。
もし、外部で作成したモデルをもとに、
「数量が違った」
「材料情報が違った」
「積算金額に影響が出た」
という事態が発生した場合、その影響は単なるデータ修正では終わらない。
金額、工程、発注判断など、実際の業務に関わる問題へ発展する可能性がある。
そのため、BIMモデルを設計情報や積算情報として利用する範囲については、その責任を持つ立場で管理されるべきである。
空間翻訳社は、その領域を担うものではない。
支給されたBIMデータは修正しない
空間翻訳社では、お預かりしたBIMデータについて、設計変更の反映や属性情報の修正は行わない。
これは、BIMを扱えないからではない。
BIMモデルは設計情報そのものであり、どの変更が正式な設計内容であるかを判断できる立場は設計者にあるためである。
例えば、
「設計変更がまだ反映されていないBIMです」
というデータをお預かりした場合でも、その内容を空間翻訳社で修正することはない。
支給されたBIMデータをそのまま使用し、点群データとの統合、現況との比較、確認結果の整理を行う。
設計変更の反映やBIMモデルの更新は、設計者が責任を持って管理すべき領域である。
空間翻訳社は、その責任範囲を尊重した上で、空間情報の整理と可視化を担当する。
空間翻訳社の標準サービス
空間翻訳社の標準サービスは、既存のBIMデータや設計データをお預かりし、点群データと統合することである。
具体的には、
・BIMデータと点群データの統合
・現況との比較
・干渉箇所やクリアランス不足箇所の確認
・重要箇所の整理
・確認結果のレポート化
を行う。
目的は、BIMモデルを完成させることではない。
現場の状況と計画情報を同じ空間上で比較し、判断できる状態を作ることである。
BIMデータが存在しない場合の対応
現場によっては、2D図面しか存在せず、点群データだけが用意されているケースもある。
その場合、目的に応じて必要な範囲のみ部分的なモデリングを行う。
例えば、
・既存設備との干渉確認
・新設設備の配置確認
・必要なクリアランスの確認
など、確認対象となる範囲を限定してRevitでモデル化する。
この場合のRevitデータは、空間確認を行うための中間データである。
BIMモデル納品を目的としたものではなく、確認作業を成立させるための手段である。
そのため、納品する成果物は、点群と確認用モデルを統合した閲覧用データ、および確認結果をまとめたレポートとなる。
作成したRevitデータそのものは納品しない。
Navisworks統合データでできること
点群データと確認用モデルを統合したNavisworksデータでは、単に3D空間を閲覧するだけではなく、現場確認に必要な基本的な検証を行うことができる。
例えば、
・任意箇所の距離確認
・対象物間のクリアランス確認
・位置関係の確認
・現況と計画データの重なり確認
などである。
これにより、現場へ赴く前に空間上で確認すべき箇所を把握し、関係者間で共通認識を持つことが可能となる。
ただし、これらは設計変更や施工判断を代行するものではない。
空間翻訳社が提供するのは、判断のために必要となる空間情報を整理し、確認しやすい状態にすることである。
重要箇所ビュー登録による確認環境の提供
空間翻訳社では、重要箇所として指定された位置について、レポート作成時にNavisworks上のビュー登録を行う。
納品するNavisworksデータでは、登録されたビューを呼び出すことで、レポートに掲載された内容と同じ視点から対象箇所を確認することが可能である。
これにより、レポートの写真や説明だけでは伝わりにくい空間的な位置関係を、実際の3D環境上で確認できる。
また、登録ビューを起点として、
・視点の移動
・周辺状況の確認
・対象物間の距離測定
・クリアランスの確認
など、利用者自身による追加確認も可能である。
空間翻訳社が提供するのは、確認結果だけではない。
確認すべき場所へすぐにアクセスでき、関係者が同じ空間情報を共有できる環境そのものである。
空間翻訳社が提供する価値
空間翻訳社が提供するものは、「図面をBIM化すること」ではない。
また、「何でも3Dモデルにすること」でもない。
現実空間である点群データと、設計情報であるBIMデータや図面との間にある認識差を埋めることである。
必要な範囲を見極め、必要な情報だけを可視化する。
それによって、現場確認や意思決定を支援する。
「できます」と提示された業務範囲と、依頼側が想定する業務範囲が一致しない場合、後工程で認識差が発生する。
空間翻訳社では、事前に業務範囲と責任範囲を明確にすることで、設計者・施工者・発注者が安心して利用できるサービスを提供する。
空間翻訳社のAI利用方針
空間翻訳社では、AIを作業効率を高めるための道具として活用しています。
空間認識や判断をAIへ委ねることはありません。
ただし、空間認識や判断が必要な工程では、人の確認を基本とします。
AIを使用しない工程
* 点群データの確認・整理
* データ統合
* 座標・位置合わせの確認
* ビュー登録・視点設定
* 納品データの最終確認
これらは、空間認識や現場理解が品質を左右するため、AIには任せません。
AIを活用する工程
* レポート文章の下書き・整理
* 簡易パースの画像生成・補助
* 説明資料の作成補助
* 文章の校正・要約
これらは表現を効率化する目的で利用しますが、最終確認は人が行います。
AIは、作業効率を高めるための道具です。空間翻訳社では、空間認識や判断の責任は人が負います。
現場で似たような経験や異なる考え方があれば、コメントで教えていただけるとうれしいです。
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いただいた内容は、公開の可否を確認し、個人や会社が特定されない形で今後の記事づくりの参考にさせていただきます。
……ここまで書いて気づきました。
「やらないこと」を整理していたはずが、結果として空間翻訳社が何を大切にして仕事をするのか、という企業理念の話になっていました。
