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空間翻訳社の出番 #2 BIMはある。でも、見えているものが違う

空間翻訳社は、どんなときに出番が来るのだろうか。

この連載「空間翻訳社の出番」では、現場で実際に起こりやすい4つの場面から、その役割を紹介していく。

#1 点群はある。でも、どう使えばいいかわからない
#2 BIMはある。でも、見えているものが違う
#3 手戻りは、なぜ起きるのか
#4 空間翻訳社という役割

第2回は、「BIMはある。でも、見えているものが違う」という場面だ。



「BIMがあれば、みんな同じものを見て仕事ができる。」

そんなイメージを持たれることがある。

確かに、BIMは建物の情報を一つのモデルに集約できる優れた仕組みだ。

しかし、BIMがあることと、関係者の認識が一致していることは、同じではない。

設計者は設計意図を見る。

施工者は施工手順や納まりを見る。

発注者は完成後の姿を見る。

設備担当は配管や機器の配置を見る。

維持管理を担当する人は、将来の点検や更新を考える。

全員が同じBIMモデルを開いていても、見ているものは違う。

だから、

「そんなつもりではなかった。」

「そこは確認できていると思っていた。」

「完成イメージが違っていた。」

ということが起こる。

これは、誰かが間違っているという話ではない。

立場が違えば、必要な情報も違うからだ。

だからこそ必要なのは、「同じデータを見ること」ではなく、「同じ認識を持てること」。

空間翻訳社は、BIMモデルを作ることを目的にはしていない。

BIMに含まれる情報と、現場で起きている状況の間にある認識の差を整理し、必要な人へ、必要な形で伝える。

あるときは点群と重ねて現況を確認する。

あるときはCAD図面と照らし合わせる。

あるときはNavisworksなどを使い、関係者全員が確認しやすい形へまとめる。

使うツールは目的によって変わる。

変わらないのは、「関係者が同じ空間を同じように理解できる状態をつくる」という目的だ。

BIMはゴールではない。

共通認識をつくるための手段の一つである。

そして、その共通認識を支えることこそ、空間翻訳社の出番だ。



今回紹介したのは、空間翻訳社が関わる場面の一例だ。

空間翻訳社が目指していること全体については、こちらの記事で紹介している。

図面を作るのではない。判断できる空間をつくる。─空間翻訳社がこれから始めること─

また、空間翻訳社が「あえて行わないこと」については、こちらにまとめている。

【重要】空間翻訳社が『やらないこと』──BIMモデリング納品を行わない理由

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