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アメリカのHPVワクチン裁判資料 デンマークの医師からの警告を無視

SNSでは「HPVワクチンの薬害で騒いでいるのは日本だけだ」という人がいますが、他国でも訴訟は起きています。アメリカでは6月に大きな動きがあり、約200件あったHPVワクチンに関する訴訟をまとめて、製薬会社(メルク社)が約5000万ドル(約80億円)を支払って和解することになったそうです。その中の1人、Jennifer Robiさんの訴訟は大きな意味があったのですが、その訴訟も和解となりました。Robiさんの裁判資料からは様々なことが明らかになっているので、少しずつ掘り起こそうと思います。この記事は、2本目です。

デンマークの医師 Jesper Mehlsen氏

前回の続きです。

Robiさんが闘いの中で得た情報は、裁判資料として下記でも公開されています。

これらの資料は訴訟に勝つために証拠として提出されたものであり、陰謀論でもデマでもありません。

今回も、アメリカでの訴訟について詳しく報じている数少ないメディアの1つ、「Children’s Health Defense」(スポンサーに頼らない独立系のメディア)の記事を元に裁判資料を確認しました。

専門的な内容なので翻訳サイトも使いますが、訳し間違いなどがあるかもしれません。もし見つけましたら、コメントでご指摘ください。

HPVワクチン「ガーダシル」の製造元であるメルク社は、北米以外ではMSD (Merck Sharp and Dohme) という社名でビジネスを行っているので、日本ではMSDです。

Merck Ignored Gardasil Safety Warnings From Its Own Trial Investigator, Court Documents Reveal

記事のリードには、デンマークの医師Jesper Mehlsen氏が一部の接種者に見られるPOTS(体位性頻脈症候群)や慢性疲労に似た症状について、その原因はHPVワクチン(ガーダシル)である可能性が高いと結論付けたということと、メルク社に対する訴訟で証拠として提出された報告書の中で、Mehlsen氏は同社が安全性に関する警告を無視していたと指摘していることが書かれています。

記事にも書かれていますが、Mehlsen氏はメルク社のガーダシル臨床試験を主導していた医師です。

裁判資料にもそのことが書かれています。

Expert Report - Probable side effects to vaccination with Gardasil; in Robi v Merck より

HPVと子宮頸がんとの関連を示す研究をしていた経歴があり、メルク社による4価および9価のガーダシルワクチンに関する研究において主任研究者を務めたと書かれています。さらに、35年以上にわたって自律神経障害に関する研究を行ってきました。

そのような人物からの警告であったことが、非常に重要だと思います。Mehlsen氏は、いわゆる「反ワク」ではない立場の医師なのです。

記事には、Mehlsen氏は2014年12月時点で、ガーダシルに関連する自己免疫性の有害事象を特定し、メルク社に警告を試みたが、同社の米国事務所は彼の懸念を無視し、研究者から提出された有害事象報告書の受け入れを拒否したと書かれています。

Mehlsen氏が提出した報告書によると、2011年、HPVワクチン接種直後から起立不耐症を主とする症状を訴える患者が初めて確認され、 同様の病歴を持つ患者数が増加したので、アンケート調査、標準的な血液検査、自己免疫に関する検査、ミトコンドリア機能の解析、免疫系の解析、および心血管系の自律神経調節機能の測定を通じて、体系的にデータを収集し始めたそうです。この研究は、デンマーク政府からの助成金によって資金提供を受け、最初の53名の患者に関する論文を2015年に発表しました。

論文では、 「報告された症状には一貫性が見られ、また我々の所見と他者による報告との間にも整合性が認められました。我々の所見は、HPVワクチンとの因果関係を確定するものでも否定するものでもありませんが、これらの患者に見られる症状の背後にある病態生理を解明し、因果関係の可能性とその性質を評価し、さらには標的を絞った治療法を確立するために、さらなる研究が緊急に必要であることを示唆しています」と結論づけています。

その後、対照群を含む839名の紹介患者を対象とした追跡調査に関する論文を、2022年に『Journal of Autoimmunity』に掲載。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0896841122001299

分析の結果、HPVワクチン接種による副反応が疑われる少女や若年女性は、ME/CFS(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)やロングCOVID(新型コロナウイルス感染症の長期後遺症)の一部に見られるものと酷似した自己免疫疾患に合致する症状や生物学的マーカーを有していることが明らかになったとしています。さらに、何らかの基礎疾患や素因が、一部の個人においてワクチン関連の有害事象に対する脆弱性を生じさせている可能性が示唆されるので、個人の脆弱性の可能性についてさらなる調査と検討を行うべきであるとのことです。

メルク社とEMA(欧州医薬品庁)の対応

Mehlsen氏は2014年12月2日、当時メルク社のグローバル臨床試験業務担当副社長であった医師に対し、メールで注意喚起しようと試みたところ、メルク・デンマーク法人はこれに理解を示したものの、メルク米国本社がMehlsen氏の懸念を退けたと書かれています。

そしてEMA(欧州医薬品庁)は2015年、ガーダシルと有害事象との関連を示唆する報告を無視して、製造元からのデータや専門家の見解に基づき、HPVワクチン接種と重篤な自己免疫疾患や神経系有害事象との間に関連性はないと宣言したと書かれています。

Mehlsen氏は、プラセボ問題(下記参照)についても言及しています。

プラセボが生理食塩水ではなくアジュバントが含まれていたことについて、EMAの専門家グループ(外部)の医師2名によってブリーフィング・ノートで指摘されていたのに、EMAの公式報告書には記載されなかったそうです。

アメリカの裁判資料を読むと、厚労省と同様に、FDAもEMAも国民の安全より製薬会社の利益を守ろうとしているような言動です。このようなことが行われているのに、厚労省やFDA、EMAがいう「安全」を信じられるでしょうか。

Mehlsen氏の報告書には、他の論文からの考察も記されています。その中で、日本の名古屋市調査については、いわゆる名古屋スタディと呼ばれている鈴木論文ではなく、同じデータを再解析した八重・椿論文(下記)を取り上げています。

「名古屋調査のデータを用いたこの解析に基づくと、HPVワクチン接種と、認知機能障害や運動障害といった特定の症状との間に、関連性が存在する可能性がある。HPVワクチン接種とこれらの症状との間の明確な因果関係については、依然として不確実であるが、症状の重篤さを考慮すると、HPVワクチンの安全性を確認するためには、より包括的かつ大規模な研究が不可欠であると著者らは考えている」と記しています。

名古屋市の調査とは、郵送アンケートです。あのような郵送アンケートで、接種と症状との「因果関係がない」と言えるはずがありません(下記参照)。だからこそ、さらなる調査が必要だったのに、実施されませんでした。


Mehlsen氏は、報告書を下記のように締めくくっています。

私の教育、経験、研究、調査、分析、文献の検討、および本報告書で特定された資料に基づき、医学的・科学的に相当な程度の確信をもって以下の通り見解を述べます。すなわち、ガーダシルは、POTS(体位性頻脈症候群)、ならびに筋痛性脳脊髄炎(ME/CFS)や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患後症候群に類似した自己免疫疾患の有力な原因であると考えられます。これらの症候群においては、ガーダシルに起因する自律神経系の機能障害が顕著であり、重度の起立不耐性、すなわちPOTSの症状を呈しています。

もう一度書きますが、Mehlsen氏はHPVと子宮頸がんとの関連を示す研究をしていた経歴があり、メルク社による4価および9価のガーダシルワクチンに関する研究において主任研究者を務め、さらに、35年以上にわたって自律神経障害に関する研究を行ってきた医師です。けれども、過去の経験だけで判断しているのではありません。

HPVワクチン接種後の患者を診察した結果、これまでの経験からは判断できないようなことが起きていて、ガーダシルが有力な原因として考えられるから、関連を調べるべきだと言っているのです。

これに対して、被告側が反論の資料を出しています。

Defendants Motion in Limine 23 to Exclude Evidence, Testimony, and or Argument re:Jesper Mehlsen, in: Robi vs Merck より

長々と反論が書かれているので全部に目を通したわけではありませがん、結論にMehlsen氏は「圧倒的な権威ある知見を無視している」と書かれています。

「圧倒的な権威ある知見」は、安全性への懸念につながる新たな可能性が発見されても、ゆるがないものなのでしょうか。

様々な報告が出ているにも関わらず、メルク社は自分たちで被害者の体内で何が起きているか調べようとせずに、「権威ある知見」に頼ってMehlsen氏への反論を提出しています。

Mehlsen氏は当初から、さらなる研究が緊急に必要であると言っていました。メルク社によるガーダシルワクチンの研究において主任研究者を務めた医師の警告を、なぜメルク社は無視し続けているのでしょうか。

このままでは、今後も無視し続けるでしょう。きちんと研究や調査を進め、本当の意味で安全を確認するためには、日本の裁判で勝訴しなければなりません。勝訴するためには、世論の後押しが必要なのです。

裁判の目的などについては、下記にも詳しく書かれています。

裁判所宛

厚労省宛

夏休み中には、全国各地で原告さんたちの「声」が聞けるイベントがたくさん開催されます。オンライン参加できるものもあるので、ぜひ原告さんたちに起きている「事実」を知ろうとしてください。自分で知ろうとしなければ、国や製薬会社が流してくる「被告にとって都合のよい情報」しか入ってこないのです。

HPVワクチン問題イベントスケジュール








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