208話 セオリの夢 In Seori’s Dream 【六代御前編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~
セオリの夢に清成が現れた。
いつもより慌てた様子である。
セオリ殿、急ぎお知らせしたい。

波男殿が、一夜瓢の弦を登って天界に行かれた。
瀬織殿に逢いに行くといって一人で登っていった。
セオリ殿、お会いしていないか?
「え?」

何のことでしょう?
セオリは聞き返した。
セオリは、ずっとナビオと逢っていない。
ナビオは本当は、私ではなくコノハが好きなのだ。

それがわかった以上、一緒にいないことが一番だ。
そう思った。

スケッチをすると思い出す。

思い出さないように、スケッチをやめた。

スケッチをやめた時、ほかにやりたいことなどないことに気が付いた。
涙が止まらなくなった。

悪いのは、ナビオだ。
私ではない。

けれど・・・
ナビオがいないことが、こんなにつまらないことだとは思ってもみなかった。

悪いのは、ナビオだ。
私ではない。

いや、悪いのは、コノハだ。
私ではない。
そういえば、コノハが変なことを言っていた・・・

「ナビオの中にある記憶が、私の中にある記憶を抱きしめた。かしらね」
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