99話 文化祭 急 Festival Finale: The Choir’s Guest 【波打際編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~
体育館の一番前の席に、校長と高齢の男性が並んで座っていた。
校長は得意げに、コンクールで銅賞を取ったことを説明しているようだ。
曲が終わると、二人は拍手をして席を立ち、体育館を出ていった。

その様子を見ていたシンゴが、隣のユリアを小突いた。
「なあ……あの人、あの時の人じゃないか?」
「え? どこ?」
ユリアが目を向けると、白いひげの老人が校長に付き添われて歩いている。
その瞬間、ユリアの目が大きく見開かれた。
「そうだ……あの時の人だ!」
山での戦いのあと、武士とともに朝日の中へ消えていった――
あの老人。
「なんで……ここに?」
追いかけようとしたが、合唱曲を聴き終えた観客の大群が一斉に動き出し、
波に阻まれるようにして見失ってしまった。

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