#1324 アルバム論105|梵唄 -bonbai- / BRAHMAN(2018)
そんな感じで尽未来祭のタイムテーブルも発表されて、盛り上がりつつあるBRAHMANですが、アルバム紹介もあと2枚。
てなわけで本日は前回の超克から5年振りに、2018年にリリースされた6thアルバム「梵唄 -bonbai-」を紹介しましょう。
梵唄 -bonbai-とは?

梵唄 -bonbai-とは「仏教で仏の徳を讃えるために経文などを節をつけて唱えること」で、声明の同義語で、仏教の儀式で用いられる歌唱や唱法を指すとのことです。
そんな和式なスタイルなのですが、前作に引き続き漢字タイトルのアルバムで、漢字の曲も多いのですが、タイトルが英語の曲持ったり、全歌詞英語の曲もあったり、ちょっと昔に戻った感じもあったりですね。
そしてこのアルバムも、先行シングルの「其限」「不倶戴天」「今夜」という先行シングルが収録され、あげくにはそのc/wの「怒涛の彼方」「ナミノウタゲ」も収録され、確か「守破離」「天馬空を行く」も既出曲だった気がするんで、アルバム収録曲の大半が既出曲だったのは、少し聞きごたえが無い印象がありましたね。
そんな感じで、正直リリースされた時も聞いてはいましたが、正直そこまでしっかり聞いてなかったんです。
それでも、この年になって聞いてみるとなかなか染みる曲もあったりで…今は凄くいいアルバムだったんだなと評価している、そんなアルバムです。
梵唄 -bonbai- 魂の全曲解説
1. 真善美
これまでのBRAHMANのアルバムに収録されている1曲目は、かなりパワーのある曲が収録されてきた印象があります。
That’s Allは割とプロローグ的な感じで、次のThere's~とセットで1曲という感じもありますが、以降のFor One's Life、The Void、The only way、初期衝動と、ライブで最高に盛り上がる曲が収録されていたりします。
で、この真善美は、どちらかというとThat's All的な位置づけの曲な気がします。もう歌詞がそれを物語っているんですね。
さぁ幕が開くとは
終わりが来ることだ
一度きりの意味を
お前が問う番だ
まさにアルバムの世界が始まっていく1曲目でもあり、ライブの1曲目でもいい感じで盛り上がる曲ですね。
ちなみに真善美の意味は「人間の最高の価値としての、真と善と美」というそのままだったりします笑
2. 雷同
この雷同は、これまでの曲でいう古くはBeyond The Mountainとか、The voidとか、Boxみたいな感じで速いリズムにKOHKIの印象的な民族的なギターソロが良い感じで響くイントロから始まる曲で「BRAHMANっぽい」感じの曲です。
この曲もKOHKIとMAKOTOのコーラスの掛け合いが非常に激しくもカッコよく、ライブで鬼の様にコーラスできる感じで盛り上がる曲ですね。
この雷同とは付和雷同の「雷同」ですね。
何も考えずに声の大きい方に従う有象無象に対して、NOをつけ付けるハードコア・パンクな曲で、僕が一番好きなBRAHMANの真髄のような曲ですね。
3. EVERMORE FOREVER MORE
雷同に続いて、ライブで映えるエッジの効いた曲が続きます。
そんな感じでそ久々に全歌詞英語の曲ですが、「メロコア」という感じの曲でBPMも早く、かなり久々の帰ってきた感のがある曲ですね。
ここまでどストレートの全歌詞英語のメロコア風な曲だと、僕の中ではboxぶりとかそんな印象があります。
久々にこういう曲がやりたくなったというのもあるでしょうが、まだまだこういう曲もできるぜ!という証明ですよね。
そんな感じでカッコいい曲です。
4. AFTER-SENSATION
このアルバムのリードトラックとしてPVも作られた曲です。
この曲はタイトルは英語ですが歌詞は日本語でして、その日本語がこれまでにないカジュアルな感じなのが印象的です。
「そうだね」とか「歩いていくんだ」とか、これまでのTOSHI-LOWの歌詞ではないワードであり、なかなかセンセーショナルでしたし、正にAfter Sensationという感じでしたね。
この曲はとにかくテンポがかなりイカれていて、賽の河原にも近いグルーヴを感じるのですが、バンドでコピーするのはなかなか難易度Xな曲だったりします。
5. 其限
6thシングルになるんですかね。
BRAHMANのこれまでの経歴を辿ったドキュメント映画「ブラフマン」の主題歌で、「それきり」と読みます。
映画自体がBRAHMANの20年を振り返る的な内容だったようなので、その主題歌として作られたので、BRAHMAN的にもひとつの節目的な感じで作られた曲のようですね。
正直個人的にはそんな心に残る曲では無かったりするのですが・・・歌詞はなかなか深かったりします。
6. 今夜
この曲はここ最近のBRAHMANの曲の中で一番好きな曲ですね。
これまではアルバムの中の1曲という印象しかなかったのですが、2024年1月のBAD FOOD STUFFで演奏していたこの曲がメチャクチャ良かったんです。とにかくアコースティック調の曲なのですが、メロウで、優しくて・・・これまでの僕が好きだったBRAHMANとは相反する曲ですが、とにかく素晴らしい曲でした。
上記で紹介したAfter-Sensationのように、これまでのBRAHMANには無い歌詞ですが、バンドの進化を感じますね。
震災を経て、こうして進化していく感じが素晴らしい。
昔はそれを違和感に思う時期もありましたが、今こうして聞くと凄くクリアに胸に響く、そんな曲ですね。
そして今年のRISING SUNで北海道に行った流れでしょうか。
試合の最中でTOSHI-LOWが1曲、この曲を歌っていたんですが凄く良かった。SLANGのKOとか、TBHのBOSSと一緒にやったりしているので、その縁かも知れませんね。
そして札幌公式もこんな感じの粋な動画を作っております。
僕の愛するもの同士のコラボは嬉しい所ですが、コンサドーレはもう少し頑張っ(略
7. 守破離 feat.KO(SLANG)
そんな感じでSLANGのKOとコラボの曲で、キックボクシングのイベント「Knock Out」というイベントのテーマソングともなった曲です。
Knock OutはK.Oとも言いますので、まさにKOがうってつけだったことでしょう。
守破離は元々歌舞伎擁護と記憶していますが、結構ビジネスシーンとかでも使われる用語ですよね。まずは教えてもらったルールを守り、ある程度できるようになったら最適の方法にするため従来のルールを破り、最終的には離れるというのはどの世界にも言える事で、横山健がリスペクトする彫師さんもこの曲を座右の銘としており、そこから拝借した「SHU HA RI」というBBQ CHICKENSの曲もあったりしますね。
で、この曲はメッチャ短くて1分半くらいで終わりますし、featuringと言っておきながらKOのパートもメッチャ短いんですけど・・・笑
とにかくいい感じのハードコアでカッコいいです。
KOが歌うK.O(ケーオー)は非常に熱いですね。
そしてとにかくシンプルに終わるんですが、格闘技という興業のオープニングとしてはこれ以上無いでしょう。最高に熱い曲ですね。
8. 怒涛の彼方
この曲もこれまでのBRAHMANにない曲です。
元々の不倶戴天のシングルのc/wに収録されていた時はノーマルバージョンだったのですが、このアルバムバージョンはホーンセクションが入っているんですね。しかもスカパラに吹いてもらっているというのが凄い。
BRAHMANにホーンはちょっと合わないんじゃないかなと思ったりもしていましたが全然そんなこともなく、思ったより自然でしたね。
これまた新たな世界観というか、引き出しを感じさせてくれる曲でしたね。
9. 不倶戴天
不倶戴天とは、共に天の下で生きていけないほど強い恨みや憎しみを持つことの意味で、不倶戴天の敵とか言いますね。
そんな感じでテーマとしては怒りなので、なかなかハードコアな曲です。
これまたこれまでのBRAHMANに無かったドストレートの怒りが込められた曲ですが、なかなか展開がシンプルでカッコいいです。
Aメロは相変わらずKOHKIとMAKOTOの野太いコーラスが栄える感じなんですけど、BメロはひたすらTOSHI-LOWがラップではなく独白というか、激しい勢いで語り、そして最後は「不!倶!戴!天!」と終わる感じで、PVも併せてカッコいいですね。
マスコミのような団体に向けてのメッセージと見受けられますね・・・
10. ナミノウタゲ
この曲は今夜のc/wというか両A面シングルですね。
このナミは波であり、3.11の津波の事と推察されますが、表題曲の今夜同様、とにかく優しく、とにかくメロウで染みる曲です。
昔のResult of nextとかの時期と比べると、明らかにバンドの表現が変わっていますが、こういうBRAHMANも悪く無いですね。
色々な示唆を感じさせるPVも非常に秀逸です。
11. 天馬空を行く
この曲は配信限定シングルですね。
ナミノウタゲ同様、メロウな感じのメロディで始まるのですが、この曲は天馬、そうペガサスの名前の通りに激しく展開していきます。
ペガサスと言えばファルシオンですね。
そんな感じで最後に盛り上げて、エンディングに進みます。
12. 満月の夕
そしてラストに恒例のカヴァーを持ってきました。
今回セレクトしたのが「満月の夕」という曲でして、ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬とヒートウェイヴの山口洋が共作した楽曲で、1995年の阪神大震災の応援歌としてリリースされました。
で、その後、ガガガSPがカヴァーして、僕はそこで存在を知ったのですが、そこから東日本大震災を経て、改めてBRAHMANがこの曲に思いを乗せた感じですね。
割と原曲に忠実なカヴァーで、三線が入ったり「アイヤイーヤーサーサー」が入ったりして、実際に中川敬、山口洋の両名も参加しております。
そして個人的に響いたのが2024年のB.F.S.でしたが、この年の元旦に能登半島地震があったのも影響し、急遽この曲をやると宣言し、歌ったのは非常に刺さりましたね。
カヴァーを最後に持ってきたのは今回が初めてですが、この位置でもっともしっくり来ますね。
まとめ
そんな感じでパンクな曲もあったり、ハードコアな曲があったり、ホーンが入ったり、そして癒しというか聞かせる系の曲があったりと、BRAHMANの色々な歴史をこの1枚で知ることができます。
冒頭でも触れました通り、昔はそこまで聞き込んだアルバムでは無かったんですが、今回こうして聞いてみて、バランスの取れた凄く良いアルバムであった事を実感しましたね。
そんな感じで次回がついにBRAHMAN最後!
最後は最近の7thアルバム「viraha」を紹介しましょう。
