#1304 アルバム論103|ANTIMONY / BRAHMAN(2008)
今回紹介するのはBRAHMANの4thアルバム「ANTIMONY」です。
前作THE MIDDLE WAYから4年振りにリリースされた待望の新譜ですね。
ANTIMONYとは?

ANTIMONYとは「二律背反」の意味であり、矛盾する二つの立場や意見が同時に存在し、どちらも正しいように見える状況です。
分かりやすく説明すると、相手を深く愛しているのに苦しめたいと感じたり、相反する感情が同時に存在する状態ですね。
ストーカーとかがANTIMONYなのかも知れません。
前作ミドルウェイの発売から、BRAHMANはシングルを2枚出します。
まずは2005年、DEEPぶりにリリースした2ndシングルはCausation。
象さんのジャケットが記憶に新しいですね。
BEYOND THE MOUNTAINの再録とかも収録されています。

そして、続くは2007年にリリースされた3rdシングルの「Handan's pillow / 逆光」です。両A面シングルですね。
僕は何でか忘れましたがこのシングルは持っておりまして、特典のDVDがなかなかカッコよかったです。

そんな先行シングル2枚を収録したアルバムでして、結構既出の曲が多いアルバムだったりした事が少し残念でしたが、それでも初めて出会う名曲も多く、思い出に残っている作品ですね。
ANTIMONY 渾身の全曲紹介
1. The only way
1曲目にかなり最高峰の曲が来てしまいました。
このアルバムの表題曲にも近いような曲でして、このアルバムで1番目か2番目にライブで今も演奏されている曲です。
HUSKING BEEにもONLY WAYという曲がありますが、その曲との関連性は無いです(多分)
とにかくBRAHMANワールド全開の曲ですね。
いきなり始まるKOHKIの民族エッセンス溢れる音で、TONGFARRとかこれまでの作品を彷彿とさせる感じで入り、RONZIの独特のリズムでこれまた民族エッセンス溢れるドラムが入り、盛り上がって盛り上がって・・・
KOHKIとMAKOTOの「The only way」のシャウト!この時点で相当カッコいいです。
そんな感じですが、何と言ってもこの曲は歌詞でしょう。
The only way not to lose, is to keep on losing
失わない唯一の方法は失い続けること
The only way not to get lost, is to keep on getting lost
迷わない唯一の方法は迷い続けること
分からないようで分かるような、やっぱ分からないような・・・とにかく深い歌詞ですね。
このアルバムを代表する曲であり、BRAHMANを代表する曲でもあります。
2. Speculation
この曲もいいですね。
僕がこの時期見ていたBRAHMANのライブではスタメンとして、毎回演奏していた曲という印象があります。
ロンナイでも、M.S.S.でも、Tantismでも、GARNIでも・・・毎回この曲は演奏していましたね。
そんな感じでこのアルバムを代表するリードトラックで、しっかりとPVも作られているんですが、何気に初めて見ました笑
この曲は音源化以前にライブでガンガンやっており、Handan’s pillowの特典CDでこの曲のライブ映像が見れるんですけど、それが下記なのですがメチャクチャカッコいいんです。
なのでかなり曲を知った段階で音源で聞いて「あ、こんなこと言ってたのね」と知るという、不思議な出会い方をした曲です。
この曲も前曲のThe only wayよろしく、KOHKIとMAKOTOが「Take back your mind」「Take back your eyes」と叫ぶフレーズがサビですが、そのシンプルな感じが凄く良いですし、まさにライブで盛り上がれます。
そんな曲を2曲続けてきたのがなかなか熱いですね。
イントロとか、繋ぎの所とか、ラスサビ前の間奏とか、とにかくKOHKIのギターというか演奏がとにかくオシャレでカッコいいですし、BRAHMANもメチャクチャレベルが高くなったなということを感じさせてくれる曲ですね。
久々に次の尽未来祭で聞きたい限りです!心眼を取り戻せ!
3. Epigram
Epigramとは「結末にひねりがあり、簡潔でウィットに富んだ主張を伴う短い文や詩のこと」のようですが、Speculationのラストの叫びが残って、そのまま演奏される曲です。
なので割とSpeculationとニコイチ的な感じの印象が強く、フォーロンホープでいうBasisと繋がるShadow Playにも通じる所がある曲だったりします(個人的には)
ライブではThe only wayと、Speculationの次に多く聞いている曲な気がしますね。
Aメロの部分の静かな所とか、サビ前のギターが主張する所とか、わりとA MAN OF THE WORLDの頃の楽曲に近いグルーヴを感じたりします。
そしてこの曲もサビがKOHKIとMAKOTOが「Without!」とか「at all!」とか叫ぶ感じで、この辺もライブで盛り上がりますね。
そして、KOHKIの途中のギターの一瞬ゆっくりになる所もかなり民族的でカッコよくて、割とこれまでの3曲が展開は共通しながらも、それぞれカッコいいというのが凄いですね。
そしてあとこの曲が一番ハードコア色が強いですね。
ラスサビ前の日本語の所とかはマジで何言ってるかわからないです笑
4. Stand aloof
ハードな曲が3曲続いたのですが、ここからは3曲は少しゆっくりとした曲が続きます。
Stand aloofとは「よそよそしく立つ」とかそんな意味ですかね?
この曲はAメロは割とテンポは速くて、そこからBメロに移行するんですけどここからまた早くなりそうな感じがして、そしてサビはわりと聞かせる系だったりして、結局は激しくならない系の曲です。
過去の楽曲でいうととbywayに近い感じですかね?
そんな感じでそこまで印象に残っている曲では無かったりします笑
5. Silent day
「静かな日」のタイトル通り、静かな感じの曲ですね。
この曲はPVも作られているので、そこそこパワープッシュされた曲なのですが、ライブでの登場回数はあまりない印象が無い悲しき曲ですね。
サビの所はずっと英語だと思ってたんですけど日本語だったんですね。
今回調べていて初めて知りました。
他愛ない一片の差違
堕落か一切の罪
まとめると静かな日ということですね。
6. Oneness
この曲も優しい曲ですね。
前作THE MIDDLE WAYに収録されていてもおかしくないレベルの曲で、普通に良い曲ですね。
こういう良い曲にはコメントがしにくいので、次行きましょう笑
7. Handan’s pillow
2007年にリリースされた3rdシングルですね。
邯鄲の枕という、中国の小説をタイトルにした曲でして、その小説は、とある少年が商人から枕を買ったという話で、そこで米を炊いて買った枕でひと眠りすると、そこから出世!結婚!と絵にかいたようなサクセストーリーを送り、ジジイになるまで過ごして「我が人生に一片の悔いなし」と思って人生を終えようとした所でハッと目が覚めるんですが、まだ米が炊き上がってすらいなかったという夢オチですね。
まぁ世の中は儚いということを言いたかった小説であり、それをモチーフにした曲です。
シングルバージョンとアルバムバージョンで全然構成が違うんですが、個人的には初めて聞いたシングルバージョンの方が好きですね。
そしてこの曲はシングル曲なのにほとんどライブでやらないですね。
1回も聞いたことないですし、そして後に出たベストアルバムにも収録されないという悲しい曲でした。
8. You don’t live here anymore
恒例のカヴァーですが、今回はTHE FANSという1980年にたった2枚のシングルをリリースして解散したブリストルのパワーポップバンドのカヴァーです。
原曲の時点でそこそこパンクだったりしますので、割と原曲に忠実なカヴァーですね。
このアルバムで一番BPMが早いのはこの曲だったと思いますが、当時周りでは結構人気がありました。
で、カラオケでこの曲が配信されていたんですが、なぜか「この曲の歌詞はアーティストの意向につき掲載できません」とか書いてあって、だったら入れるなよと思いつつ、文句を言いながら全部歌いましたね笑
9. Causation
2ndシングル曲ですね。
大学4年生の夏にリリースされた記憶が残っています。
Causationとは因果のことであり、やったらやり返れるという事ですね。とにかくド王道というか、テンポが早かったり、日本語と英語のバランスであったり、盛り上がるコーラスだったり、KOHKIのギターだったり、TOSHI-LOWの哀愁漂う力強いヴォーカルだったり・・・と、BRAHMANの持つべき力とかメッセージとか魅力が全部詰まったシングル、という印象もありました。
この曲もそこまでライブで聞いた印象は無いですが、2006年の大学卒業間際に京都のクラブイベントでラストに演奏していたのを覚えています。
なので、この曲を聞くと大学時代終盤のあの遊び呆けていた時期を思い出しますね笑
10. Fibs in the hand
前曲Causationに収録されているc/wです。
Fibsとは「小さな、罪のない、軽い嘘」という意味ですね。
Roots of Treeに近いものを感じる曲ですね。
なんとなく沖縄テイストが漂い、僕等の周りでは「BEGINっぽい曲」と言われていました笑
11. 逆光
Handan’s Pillowと両A面でシングルだった曲です。
BRAHMANの漢字タイトルの曲は「時の鐘」ぶりですかね。
そんな感じですが、同じくA面だったHandan's pillow同様、そんなにライブで聞く機会も少なく、この曲も後に出たベストアルバムには収録されていない憂き目にあってます。
個人的にもそんなに残る曲では無いですね笑
12. Kamuy-pirma
BRAHMANはわりとラストにピークを持ってこない傾向があるのは、これまでに紹介した作品で物語っていると思いますが、この曲もなんというかボーナストラックに近い感じですね。
歌詞はアイヌ語なんです。Kamuyはカムイと読み、「ゴールデン・カムイ」のカムイで神の意味ですね。pirmaは耳打ちのようです。
僕は北海道出身ですがアイヌ語は使っている人はいないどころか、聞いても誰も分からないという時代を生きておりますが、町だったり山だったりの名前のルーツがアイヌ語だったりするので、それなりにカルチャーとして理解はあります、が、それでも何言ってるか全然聞き取れないですね笑
まとめ
そんな感じでANTIMONY、なかなかバラエティに富んだアルバムでしたが、シングル2枚とそのc/wが収録されていたのと、Speculationを既に知っていたので、新しく出会う曲が7曲しかないという意味では少し物足りなかった記憶が当時はありましたね。
ですが、未だに歌われている曲も多く、独自の世界観をこれでもかと打ち出した、この時代を象徴する名盤でしたね。
そんな感じで次回は「超克」行きましょう。
