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#1314 アルバム論104|超克 / BRAHMAN(2013)

BRAHMANのアルバムもこれで7作目の紹介となります。
今回は5thアルバムの「超克(ちょうこく)」を紹介しましょう。
前作ANTIMONYから5年振りのリリースとなりました。


超克とは?

BRAHMAN初の日本語タイトルとなりますが、この超克とは「困難を乗り越え、それにうちかつこと」の意味であり、ここでいう困難とは2011年に発生した東日本大震災であり、それを乗り越えていこうという願いをアルバムタイトルに込めたことは明白です。

BRAHMANほど、震災前と震災後でメッセージが変わったバンドも無いでしょう。
僕が好きになった1999年のBRAHMANはとにかくクールで、MCどころか休憩すらさせないで演奏だけして帰る、とにかく武骨なロック兄さんだったんですが、震災後は1曲演奏した後に少し話して、「BRAHMAN、はじめます」と言って、ラス前にガッツリMCで話す感じで、熱いメッセージを送るオジサンになりました。
どちらのBRAHMANも魅力的ですね。


4thシングル「霹靂」

そういう意味で霹靂は結構エポックメーキング的な作品でした。
2011年9月にリリースされた本作は、3曲収録されていますがすべて日本語タイトルです。
これまで「青眼アルウチニ」「時の鐘」「逆光」の3曲しか日本語タイトルのなかったこのバンドが、ここまでガラッと変えてきたのは「日本という国(日本語)の大切にしたい」という思いによるものではないでしょうか?
なかなかセンセーショナルな作品でした。

このシングルのツアーのファイナルも行ってます。詳細は下記に・・・


5thシングル「露命」

5thシングルの露命は、霹靂からちょうど1年後にリリースされました。
この曲も前作よろしく、「露命」「警醒」「鼎の問」という漢字、漢字、漢字!という漢字(感じ)で、「おれは、英語を、辞めるぞー!ジョジョー!」という決意の表れに感じます。

と、なると、本作の収録曲はもちろん、タイトルも日本語になったのは言うまでも無いでしょう(カヴァーを除く)

前作もそうでしたが、BRAHMANはシングルのc/wまでアルバムに収録するタイプのアーティストなので、本作も初めて出会う曲が少なく・・・
その辺が哀しかった記憶がありますね。



超克 魂の全曲紹介

1. 初期衝動

とにかく攻撃的なオープニングナンバーです。
賽の河原がTHE 1曲目って感じだったので、そのまま1曲目と思っていましたが、それを上回る曲を持ってきました。

タイトル通りで、キャリア20年近くにして「初期衝動」という曲を歌う感じが果てしなくカッコいいですが、この辺も震災以降で変わっていったBRAHMANの第2章的な意味合いで、新たに仕切り直したNEW BRAHMANというバンドの初期衝動とも思えなくもないですね。

もう全員で歌う感じがいいですね。
Aメロもいいですが、サビが特に素晴らしい。

RONZI   「胸に手を当て追い込む」
MAKOTO    「己一人の闘争」
KOHKI   「響きこの胸高鳴る」
TOSHI-LOW 「容赦なき初期衝動」
全員    「衝動!

後はラストですね。
TOSHI-LOWのクロマニヨンズを彷彿とさせる「人間!人間!人間!人間!」からのラスサビの流れは非常に秀逸です。

そんな感じで盛り上がってこのアルバムはスタートします。


2. 賽の河原

以前にBEST10でも紹介していますが、この曲はカッコいいですね。
霹靂はライブで生で聞くまでハそこまでピンと来ていなかったので、シングルの中ではこの曲が一番テンション上がりました

かなり初期衝動に近い感じの曲でして、KOHKIとMAKOTOの荒々しいコーラスと、TOSHI-LOWのヴォーカルがかなりいい感じで、とにかくライブで超盛り上がる曲です。
この曲のイントロの徐々に早くなる所とかはバンドで合わせるの凄く難しいですが、やはりこの辺をカッコよく仕上げるのはプロの技ですね。

そして何回も言ってる気がしますが、何と言っても最後の全員で歌う「此処に立つ!」がカッコいいんですけど、ライブでこの後にBASIS「其処に立つ!」に繋げるのがメチャクチャ熱いですね。

そしてちなみに賽の河原とは「龍が如く」のプレイヤーにも有名なのですが、親より早く亡くなった子供が三途の川でひたすら石を積む・・・というエグい世界の話ですね。


3. 今際の際

「いまわ」の「きわ」と読みます。
これは死ぬ寸前というか、生きると死ぬの直前の意味ですね。
賽の河原然り「死」というテーマの楽曲が多いですが、震災との関連性があるのかは謎です(無いと思ってますが)

イントロのリフからBRAHMANっぽいな・・・って曲で、アルバムの3曲目って感じの曲ですね。
前作のEpigramと近いものを感じますね。

とにかく最初から最後まで勢いで駆け抜ける曲で、KOHKIとMAKOTOが歌いまくっている曲ですね。


4. 俤

おもかげ」と呼びます。
意味はメジャーな方の面影と一緒であり、「俤」と書いて「おもかげ」と読むのをこのタイミングで知った人がほとんどではないでしょうか?

これまでハード目な曲が3曲連続で続いたんで、ゆっくりな曲が来たなと思いつつ、イントロを優しい気持ちで聞いていたんですが、サビでメッチャ盛り上がる感じで、ANSWER FOR…にも通じるものがありますね。

そんな感じの曲ですが、メロディもなかなかメロウで、結構好きな曲ですね。


5. 露命

先行シングルの表題曲ですね。
言葉の通り、「露のように、はかない命」の意味です。
BRAHMANにこれまでにない感じの曲で、結構この曲も好きですね。

全体的にいい感じなんですが、途中のギターソロが良い感じにメロウで個人的に琴線に触れるのと、ラスサビ前のベースソロも良いですね。
あえてコアな感じにしないけど、随所で歪みというかを入れる感じが非常にシャレた感じで、この3曲入りのシングルではこの曲が一番好きでしたね。


6. 空谷の跫音

「くうこく」の「きょうおん」と読みます。
もうここまで読みにくい漢字ばかりをタイトルにするのはあえてと思っていますが、これまた聞き覚えの無いワードです。
ちなみに「人のいない寂しい谷に響く足音」のことで、孤独な状況で思いがけず人の訪問や便りがあって受ける喜びをたとえる四字熟語のようで、Dir en greyでも同じタイトルの曲があったりします。

そんな感じの曲ですが、ちょっとこの曲は癒しな感じで、終始ゆったりとした感じで、ミドルウェイ的というか、ちょっとした休憩的な曲と言えるでしょう。
故に、あまり覚えてないので次行きます笑


7. 遠国

「おんごく(えんごく)」と読みます。
BRAHMANには珍しい、恐らくArrival Timeぶりにベースから始まる曲で、そこからNUMBER GIRLOMOIDE IN MY HEAD的な展開になって、KOHKIのBRAHMAN調のギターがカットインし、そこからは終始BPM速めのパンクロック的な展開の曲となりますね。

そして途中のフレーズで、MAKOTOとKOHKIが歌っていると思うんですけど、下記のフレーズが少し気になります。

烈日 落日 裏切りの連続に
衆望 欲望 連日の絶望に
憂国 売国 絶望の峡谷に

なかなかタカ派のワードが多いので、この国を憂う曲なんですかね?
サイレンとシュプレヒコールという歌詞もありますし・・・


8. 警醒

このアルバムは全体を通してKOHKIとMAKOTOがかなり歌ってるんですが、ついにTOSHI-LOWが一切参加しない曲が出てきてしまいました笑
そんな感じでKOHKIとMAKOTOが歌うという、なかなか新鮮な曲です。
シンプルな構成でライブで盛り上がる系の曲ですね。

そして気になるのはのこのニャンニャンのイラストなんですが、パップコーンの芦沢ムネトという方の作品のようですね。
なんでこれなのかは、あまり深く考えないでおきましょう笑


9. 最終章

霹靂のc/wでもあった曲ですね。
元々は「パラグラフ」というタイトルだったのですが、途中から日本語ブームに乗ってタイトルチェンジした曲だと認識しています(違うかもですが)

終始ミドルテンポで、何となくですがA FORLORN HOPEとかその辺のエッセンスを感じる曲ですね。


10. Jesus Was a Cross Maker

そして恒例のカヴァーですが、他が全部日本語なので浮きまくってます笑
元々はJudee Sillという女性の方のカヴァーのようです。


割と原曲に忠実なカヴァーですが、そこまで印象に残ったカヴァーでは無いですね。
ただ僕の音楽通の友人はこの曲を絶賛していたので、まだまだ僕の修業が足りないという事でしょう。


11. 鼎の問

「かなえ」の「とい」と読みます。
意味は「ある人の権力や地位が本物かどうかを疑い、地位を奪おうとしたり、その実力を試そうとしたりすること」とのことです。
まさにこれは震災後の何かに向けたメッセージソングでしょうね。

初めて聞いたのは確か発売前の2012年4月のBAD FOOD STUFFでした。
いきなり未発表曲を1曲目に演奏され、なかなか暴れにくかった記憶があります笑

PVでは映像が諸事情にて差し替えられたようですが、この後のライブ論で紹介するであろう「超克FINAL」のライブで演奏中に流していたこの映像(多分PV)はなかなか重い内容だった記憶があります(ここにありました)

なかなかヘヴィーなテーマでコメントに難しいですね・・・


12. 霹靂

そしてこの曲ですね。
リリースした時はあまり琴線に触れず、ただ長い曲だなという印象と、「縁よ」のところがどう考えても「ヘイヨー」にしか聞こえなかったのですが、やっぱライブで聞いたら染みるものがありました。

最後の「さあ わずか 残る(縁よ、縁よ)」のところが上がりますね。
てか「縁よ」の部分は歌詞に無いんですね、今知りました。

とにかく新しいBRAHMANを象徴する曲ですね。


13. 虚空ヲ掴ム

虚空を掴むとは「何も掴もうとしてもつかむものがなく、ひどく苦しみもがく様子を表す言葉」のようです。
そんな感じの曲でこのアルバムは終わるんですけど、なんか最後であって1曲目に戻るような、そんな感じの曲ですね。
実際に前述の超克FINALのライブでも一番最後にやって、最後と思わせてその後にThe only wayに繋がったのは凄く良かった印象があります。

そんな感じで余韻を残してこのアルバムは終わります。


まとめ

正直、ANTIMONYからのこのアルバムになってガクッと聞かなくなってしまったのですが、久々に改めて聞くとやはり新鮮ですし、色々と歌詞を見ながら聞く事で含みだったりも感じましたね。

そんな感じで聞いた時は既に30歳を過ぎてましたが、それでも懐かしさを感じる作品でした。

次は「梵唄」ですね。BRAHMANも残りあと少しです・・・

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