AI時代の創作メモ|現代人は読解力がなくなったのか。『考えなくていい物語』が人気の理由(#創作論 #Web小説 #note #エッセイ #書籍化 #生成AI #画像生成AI)
こんにちは。こんばんは。
普段はラノベを書いている「うら表紙」と申します。
最近のアニメランキングを見ていると、
「異世界のんびり農家」や「神の庭付き楠木邸」のような作品が
トップを席巻していますよね。
これらの作品には、ある共通点があります。
主人公の感情表現は控えめで、物語は淡々と進む。
因果関係を細かく積み上げるというより、
いつの間にかキャラが増え、
起こった事象に明確な理由が存在しない。
一昔前の劇作法なら、
「主人公の葛藤はどこへ行った?」
と言われそうな構成です。
それなのに、
今は驚くほど多くの人に支持されています。
私自身も楽しく観ているので、
その理由がなんとなくわかるんですよね。
こういう作品には、
自分のコンディションに関係なく、
いつでも気軽に楽しめる軽さがあるんです。
現代人は、
仕事やSNSで他人の感情や承認欲求に
触れる時間があまりにも長くなりました。
その結果、
「共感疲労」とでも呼びたくなる状態に
なっているのではないでしょうか。
誰かの苦悩を追体験したり、
複雑な伏線を整理したり。
そうした作品が面白くないわけではありません。
ただ、
疲れている日は、それすら負担になってしまうのです。
だからこそ、
少しよそ見をしていても内容が分かるくらいの
「低負荷なエンタメ」が求められる。
安心して身を預けられる作品には、
確かな需要があります。
ところが一方で、
『日本三國』や『ゴールデンカムイ』のように、
認知負荷も感情負荷も重い作品も高い人気を誇っています。
最初は、
「視聴者層がまったく違うのかな?」
と思っていました。
でも、どうやらそうではなさそうです。
同じ人が、
その日の疲労度や心の余裕に合わせて、
作品を自然と選び分けている。
そう考えると、とても腑に落ちました。
よく考えてみると、私自身もそうだったのです。
余裕がある日は、骨太な物語をじっくり味わいたくなる。
逆に疲れている日は、
頭を空っぽにして楽しめる作品へ自然と手が伸びます。
ここまで考えていて、
以前見た海外の起業家の話を思い出しました。
「現代のビジネスは、人の意思ではなく、脳の報酬系を直接刺激して時間を奪う方向へ進化している」
という恐ろしい内容です。
ショート動画などをスワイプするたびにドーパミンを出させ、
気づけば1時間経っている……という、あのシステム。
この考え方をエンタメに当てはめると、
ちょっと怖くなってきます。
・複雑な説明はできるだけ省く
・葛藤は最小限にする
・強い力で問題を解決する
・仲間が増え、賞賛される
そうした心地よい出来事をテンポよく積み重ねていく。
……あれ?最近人気の作品と似ている気が…。
もちろん、それが悪いと言いたいわけではありません。
私自身、その心地よさを楽しんでいますから。
ただ、ひょっとすると私たちは、
自分が思っている以上に
「脳が気持ちいいと感じる設計」に
惹かれているのかもしれません。
では、私たち生身の人間は効率化されたドーパミン発生装置に
どうやって対抗したらいいのでしょうか。
結局のところ、
計算通りにいかない「人間の面倒くささ」や、
傷つくリスクを負ってでも伝えたい「不器用な熱量」
といったものに向き合うしかないのかもしれません。
迂闊に生きると気づかないうちに脳ハックされてしまう時代。
だからこそ、
エンタメも食事と同じように、
偏らず楽しむことが大切なのかもしれません。
あとがき:
脳ハックといえば、うちの姫猫様の存在です。彼女たちから見つめられるだけで、私の脳はドバドバとだらしなく幸福物質を分泌させます。たとえそれが、お膝の上耐久膀胱レースになったとしても、苦しみより幸福が余裕で勝ります。夜中の運動会で思いっきり顔を踏まれても、早朝4時に朝ご飯を要求されても、私の脳はハックされたままです。もはや完全なシステムエラーです。おそらくですが、世界最強のドーパミン発生装置は“猫”だと思います。
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── 創作純喫茶「ミケ」のドアを開ける。
カランコロン

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