見出し画像

糖質か脂質かより大事なこと──心臓を守る「食べ物の質」と血の巡り

皆さん、こんにちは。悠々漢方です。

健康のために食事を見直そうとすると、多くの方がまず「糖質を減らそうか、それとも脂質を減らそうか」と考えるのではないでしょうか。糖質制限、脂質制限、どちらが体にいいのか。書店にもインターネットにも情報があふれていて、いったい何を信じればいいのか迷ってしまいますよね。

「糖質か脂質か」より大事だった、ひとつのこと

ところが、心臓の健康という観点から大規模な研究を追いかけてみると、意外な事実が見えてきます。ある追跡研究では、炭水化物と脂質の「割合」そのものよりも、何を食べているかという「食品の質」のほうが、心疾患のリスクを大きく左右していたのです。

たとえば同じ「低炭水化物食」でも、野菜やナッツ、全粒穀物、良質な油を中心にした健康的な食べ方をしていた人は、冠動脈性心疾患(かんどうみゃくせいしんしっかん)のリスクが低く抑えられていました。一方で、ベーコンやバターのような動物性の脂で糖質だけを避ける非健康的な食べ方では、むしろリスクが高まる傾向がみられたといいます。糖質を減らしたつもりでも、その中身次第で結果は正反対になってしまうのですね。

食品の質は、血液検査の数値にも静かに表れます。植物性の食材や全粒穀物を中心にした食べ方は、中性脂肪を下げ、いわゆる善玉のHDLコレステロールを保ち、体の中のくすぶった炎症を穏やかにすることと関連していました。つまり「割合の数字」を追いかけるより、「今日、何を口に運ぶか」を整えるほうが、心臓にはずっと素直に届くということです。

本記事は一般的な健康・漢方知識の提供を目的としており、特定の商品の効能を保証したり、医学的な診断・治療に代わるものではありません。気になる症状や検査値の異常がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

東洋医学が昔から見ていた「質」

面白いことに、この「割合より質」という考え方は、東洋医学が何百年も前から大切にしてきた視点とよく重なります。

漢方の世界では、私たちの体をめぐる「血(けつ)」を、田畑をうるおす一本の川にたとえます。この川が澄んで、よどみなく流れているうちは、隅々まで栄養が行き渡り、体は健やかに保たれます。ところが、質の悪い食事──精製された穀物や単純な糖分、動物性の脂に偏った食事が続くと、川の流れは少しずつ濁り、ところどころに「よどみ」ができてきます。この血の流れがとどこおった状態を、漢方では「瘀血(おけつ)」と呼びます。

瘀血は、肩こりや頭の重さ、顔色のくすみ、経血のかたまりなど、さまざまなサインとして顔を出します。血管を川と見れば、よどみが積もっていく様子は、現代医学でいう動脈のこわばりや、くすぶった炎症のイメージとも、どこか響き合うところがあります。「何を食べるか」で川の水質が決まる、という感覚は、洋の東西を問わず共通しているのかもしれません。

反対に、野菜や全粒穀物、青魚やナッツのような食材は、漢方から見れば「血を養い、めぐりを助ける」側の食べ物です。よい水を注ぎ続ければ、川は自然と澄んでいきます。糖質か脂質かという割合の綱引きに疲れてしまう前に、まずは一皿の「質」を上げてあげること。それが、心臓にとっても血のめぐりにとっても、いちばん無理のない養生になります。

おすすめの漢方

血のよどみ、つまり瘀血のケアとして古くから知られているのが、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)です。桂皮(けいひ)や桃仁(とうにん)、牡丹皮(ぼたんぴ)、芍薬(しゃくやく)、茯苓(ぶくりょう)といった生薬がチームを組み、とどこおった血のめぐりをやさしく後押しするサポートとして用いられています。

もちろん、漢方は体質との相性が大切です。冷えのぼせやすい方に向く一方で、合わない体質もありますので、続けて使う場合は薬剤師や医師にご相談くださいね。

今日からできる、川を澄ませる一皿

  • 白いパンや白米を、全粒のパンや雑穀ごはんに少しずつ置き換える

  • おかずの脂は、揚げ物やバターより、青魚やオリーブオイルから

  • 間食は甘いお菓子より、素焼きのナッツをひとつかみ

  • 野菜や海藻を「もう一品」足して、食卓に彩りを増やす

どれも、明日から始められる小さな工夫ばかりです。割合の数字に縛られず、「今日の一皿の質」を少しだけ上げる。その積み重ねが、あなたの体をめぐる川を、静かに澄ませてくれます。

編集後記

「糖質制限」と聞くと、つい何を減らすかばかりに気を取られてしまいますよね。私自身、数字を追いかけて疲れてしまった時期がありました。けれど、減らすことより「何を選ぶか」に目を向けたほうが、食卓も気持ちもずっと軽くなる気がしています。今日の夕食、川を澄ませる一皿を、ひとつ選んでみませんか。

あなたの毎日が、少しでも元気で快適なものになりますように。


二十四節気と漢方

季節の移り変わりに合わせた養生や漢方のアドバイスをまとめています。

悠々漢方のKindle書籍

日々の健康管理に役立つ情報をまとめた電子書籍シリーズです。

悠々漢方のLINEスタンプ一覧

トークを彩る、かわいい漢方キャラクターたちのスタンプです。


いいなと思ったら応援しよう!

悠々漢方 記事が参考になりましたら、チップで応援いただけると励みになります。活動を応援してくださる方、チップでのサポートをお願いします。ご支援いただけると幸いです🌿