五臓会議──その不調、原因はひとつとはかぎりません
「眠れない」
その相談が体の中に届いたとき、まっさきに疑われるのは心(しん)です。眠りをあずかる係だからです。
けれど、五臓が集まって順に話を聞いていくと、心だけでは終わりませんでした。
肝・心・脾・肺・腎。この五つが会議をひらいて、持ち主の不調を話し合います。













五ページ目に出てくる漢文は、『黄帝内経・素問』霊蘭秘典論の一節です。
凡此十二官者 不得相失也
この十二の官は、どれひとつ互いを失ってはならない。
二千年前の書物は、体の各部を「官(役人)」として書いていました。心は君主の官、肺は相傅(そうふ)の官、肝は将軍の官、脾は倉廩(そうりん)の官、腎は作強(さくきょう)の官。会議という形は、この本の見方をそのまま絵にしたものです。
不調が出ると、原因をひとつに決めたくなります。決まれば、そこだけ手当てすればよくなるからです。
でもこの一行は、そうではないと言っています。ひとつに決めてしまうと、見落とすのです。
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