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冷房の部屋で、お腹だけを守る5つの工夫

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皆さん、こんにちは。悠々漢方です。

七月も終わりに近づき、冷房なしでは過ごせない日が続いていますね。職場でも電車でも、店に入っても、涼しい空気があるのが当たり前になりました。この暑さのなかで、冷房は我慢するものではありません。しっかり使うべきものだと思います。

ただ、涼しさの恩恵を受けながら、お腹だけがひとり寒がっている。この季節、そういう方がとても多いのです。

東洋医学では、食べたものを消化して身体の力に変える働きを「脾胃(ひい)」と呼びます。お腹の中にある小さな「かまど」のような存在だと考えると、イメージしやすくなります。冷房の風と冷たい飲み物は、そのかまどの火を少しずつ弱らせていきます。

そこで今日は、冷房を切らずに、お腹だけを守るための工夫を五つ、ご紹介します。どれも今日から始められて、特別な道具もほとんどいりません。

工夫1:風の通り道から、お腹を外す

冷房でいちばん冷えるのは、設定温度が低い部屋ではありません。風が直接、当たり続けている場所です。

同じ26度の部屋でも、吹き出し口の真下に一日座っている人と、部屋の隅にいる人とでは、身体が奪われる熱の量がまったく違います。まずは、自分の席が「風の通り道」になっていないかを、一度確かめてみてください。

席を選べるなら、吹き出し口の正面と真下を避けます。動かせない席なら、風向きの板を少し上向きにするだけでも変わります。冷たい空気は自然に下りてくるので、天井に沿わせるように送ると、身体への直撃が減ります。

もうひとつ、扇風機やサーキュレーターを弱く回して空気を混ぜる方法もあります。部屋の温度が均一になると、設定温度を下げすぎずに済みます。

温度の数字より、風が当たっているかどうか。お腹にこたえるのは、後者のほうです。

工夫2:一枚を、お腹と足首に

冷えは、足元とお腹から入ってくると考えられています。この二か所に一枚を足すだけで、身体から逃げていく熱がずいぶん違ってきます。

薄手の腹巻きが手軽ですが、抵抗があれば、ストールを腰に巻く、ひざ掛けをお腹まで上げる、それだけでも構いません。足首は、靴下を一枚。素足にサンダルで一日冷房の部屋にいると、足首から静かに冷えていきます。

大切なのは、続けられる形にしておくことです。毎朝「今日は持っていこうか」と考えていると、忘れる日が出てきます。職場に一枚、置きっぱなしにしておく。車に一枚、入れておく。意志ではなく、仕組みで守るほうがうまくいきます。

工夫3:冷たい飲み物は、やめずに「飲み方」を変える

ここは、はっきりお伝えしておきたいところです。

夏に冷たいものを楽しむのを、すべてやめる必要はありません。楽しみを削る養生は続きませんし、この暑さのなかで水分を控えるのは、かえって危ないことです。

変えるのは、量ではなく飲み方です。

ひとつめは、一気に流し込まないこと。同じ一杯でも、喉を鳴らして一息に飲むのと、少しずつ口に含むのとでは、お腹に届く冷たさの強さが変わります。

ふたつめは、氷をひとつ減らすこと。あるいは、冷蔵庫から出して少し置いてから飲むこと。ほんの数度のことですが、一日に何杯も重なれば、その差は小さくありません。

みっつめは、一杯目だけ常温にすること。帰宅して喉が渇いている、いちばん勢いよく飲んでしまう一杯を常温にできれば、それだけでかまどにかかる水の量はぐっと減ります。

我慢ではなく、順番と速さを変える。それくらいのほうが、夏の終わりまで続きます。

工夫4:一日一回、温かい汁物をお腹に通す

冷房の部屋で一日過ごすと、身体は外側からずっと冷やされ続けます。だからこそ、内側から一回だけ温めておく時間をつくります。

味噌汁でも、スープでも、お吸い物でも構いません。朝でも夜でも構いません。一日のどこかで一度、温かいものがお腹をゆっくり通っていく。それだけです。

もし薬味にショウガを使う習慣があれば、冷たい麺のほうではなく、この温かい汁物のほうへ移してみてください。同じ食材でも、冷たいものと一緒に摂れば、せっかくの温かさが打ち消されてしまいます。

冷房の部屋で冷たい麺だけを食べて一日が終わる。その日を、週に何日か減らす。それくらいの感覚で十分です。

工夫5:夜、湯船につかる日をつくる

夏は、どうしてもシャワーだけで済ませがちです。汗を流せばさっぱりしますし、暑い日に湯船は気が進まないという声もよく聞きます。

けれど、冷房の部屋で一日を過ごした日ほど、身体は内側に冷えを抱えています。シャワーは表面の汗を流してくれますが、その冷えまでは届きません。

熱いお湯に長くつかる必要はありません。ぬるめのお湯に、短い時間。それでも、お腹や腰のあたりのこわばりがほどけていくのが分かります。

毎日でなくても構いません。週に二日か三日、湯船につかる日をつくる。それだけで、一週間の身体の残り方が変わってきます。

五つ全部を、やらなくていい

ここまで五つ挙げましたが、全部やろうとすると、たいてい続きません。

どれかひとつだけ選ぶなら、こんな目安で考えてみてください。

  • 職場や電車の冷房が強くて困っている → 工夫1と工夫2

  • 冷たい飲み物をよく飲んでいる自覚がある → 工夫3

  • 食欲が落ちて、冷たいものばかり選んでいる → 工夫4

  • 一日の終わりに、身体が固まっている感じがする → 工夫5

養生は、点数を競うものではありません。ひとつを一週間続けられたら、それが自分に合った工夫です。

それでも、お腹の調子が戻らないときは

工夫を重ねても変わらないときには、漢方という選択肢もあります。

冷えて働きが鈍ったお腹に対して、漢方では「冷やさない、そして温める」という方向で考えていきます。人参湯(にんじんとう)は、冷えて弱ったお腹を内側から温めることを目的とした処方で、冷たいものを摂りすぎた後の胃腸の不調が話題になるとき、よく名前の挙がる処方です。

※漢方薬は体質(証)や症状によって、合うものが一人ひとり異なります。ご自身に合った漢方薬を選ぶためには、自己判断をなさらず、必ず漢方に詳しい薬剤師や医師にご相談ください。

そしてもうひとつ、お伝えしておきたいことがあります。

次のような様子があるときは、養生や漢方を考える前に、医療機関へご相談ください。

  • 体重が減ってきている

  • 食欲がない状態が、数週間以上続いている

  • 便に血が混じる、黒っぽい便が出る

  • 強い腹痛がある

  • 発熱を伴う

夏の不調を、すべて「夏バテ」や「冷え」で説明してしまわないこと。それも、大切な養生のひとつです。

今日の小さな養生:明日の自分に、一枚置いておく

今日の一歩は、今夜のうちに終わります。

明日、自分が長く座る場所に、一枚だけ置いておいてください。職場の引き出しに腹巻きを一枚。椅子の背にストールを一枚。それだけです。

明日の朝の自分は、暑さのなかで支度をしていて、お腹の冷えのことなど考えていません。今夜のうちに置いておけば、明日の自分は何も判断しなくて済みます。

養生が続く人と続かない人の違いは、意志の強さではなく、こういう小さな仕組みの有無にあります。

明日は、今週お話ししてきた夏の冷えと胃腸のことを、一本にまとめた保存版をお届けしますね。

あなたの毎日が、少しでも元気で快適なものになりますように。

悠々漢方


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