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次世代組織サミットin大阪〜日本企業の事例ストーリーを次世代組織のレンズで考察する|『すべては1人から始まる』著者トム・ニクソン来日記念企画

本記事は、NPO法人場とつながりラボhome’s vi/ティール組織ラボが主催した『次世代組織サミットin大阪〜日本企業の事例ストーリーを次世代組織のレンズで考察する』についてレポートしたものです。

次世代組織サミットin大阪〜日本企業の事例ストーリーを次世代組織のレンズで考察する

2025年3月に開催された『次世代サミットin大阪』は、『すべては1人から始まる―ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力』(英治出版)の著者、トム・ニクソン氏(Tom Nixon)の3年ぶりの来日を記念して開催された一連の企画の1つです。

トム・ニクソン氏(Tom Nixon)

home's vi代表の嘉村賢州さんも翻訳・監修に携わった『すべてから1人は始まる』は、ソース原理を国内で初めて体系的に紹介した書籍であり、本書は日本の人事部「HRアワード2023」に入賞するなど、ビジネスの領域においても注目を集めました。

また、主催団体であるNPO法人場とつながりラボhome’s vi/ティール組織ラボはこれまで、フレデリック・ラルー氏が提唱した『ティール組織(Reinventing Organizations)』をはじめとする海外発祥の新しい経営論や組織事例の探求・国内への紹介を行ってきており、国内企業の事例を取り上げ、新たにコラボレーションを創出していく機会を模索してきました。

そこで今回、トム・ニクソン氏の来日を機に、大阪・京都を拠点とする3社の先進的な取り組みの紹介に加え、それらの事例をソース原理や次世代組織のレンズから解説・探求していく機会として『次世代サミットin大阪』と銘打ち、開催が決定しました。

グラングリーン大阪内Blooming Campにて開催された次世代組織サミットin大阪

会場となったBlooming Campには大阪・奈良・京都・鳥取など日本各地から40名を超える参加者が集い、竹口尚樹さん(京都信用金庫)竹林正豊さん(さくらインターネット株式会社)佐々木智一さん(佐々木化学薬品株式会社)の三者三様の挑戦・実践に耳を傾けられていたほか、次世代組織、ソース原理に関しての探求を深められていました。

また、当日の通訳には『すべては1人から始まる』翻訳・監修のお一人である山田裕嗣さん(令三社)も駆けつけてくださり、白熱するトム・ニクソン氏の言葉を会場の皆さんに届けてくださいました。

トム・ニクソン氏と山田裕嗣さん(株式会社令三社)

以下、今回の企画開催に至る経緯や文脈も整理しつつ、次世代組織サミットでの学びについてまとめていこうと思います。


次世代組織サミットin大阪の開催背景

今回、開催された『次世代組織サミットin大阪』についてその学びをより豊かにするために、主催団体であるNPO法人場とつながりラボhome’s vi/ティール組織ラボのこれまでの探求を概観することが役立ちます。

以下、『次世代組織サミットin大阪』開催につながるhome's viとティール組織ラボの旅路について見ていきましょう。

場とつながりラボhome's vi

特定非営利活動法人場とつながりラボhome's viは『未来のあたりまえを今ここに』をパーパスとして掲げ、社会の一人ひとりが幸せになれる組織づくり・仕組みづくり・コミュニティづくりに挑戦する、場づくりの専門集団です。

2008年に設立されたhome's viはこれまで、国内外のさまざまなファシリテーション技法やコミュニケーション技法の調査研究と2014年以降の継続的な連続講座シリーズの実施、そして、これらの手法を用いたまちづくり活動大学での講義、企業研修、組織変革といった活動に取り組んできました。

home's viの代表理事を務める嘉村賢州さんは、集団から大規模組織に至るまで、まちづくりや教育などの非営利分野から営利組織における組織開発やイノベーション支援に至るまで、規模の大小や分野を問わず、年に100回以上のワークショップを実施するファシリテーターとしての活動を積み重ねてきた、国内のファシリテーション実践の先駆者でもあります。

また、home's viのメンバー一人ひとりも独自の専門性を探求する経験豊かなファシリテーターであり、多くのメンバーが以下のような書籍に事例やファシリテーション手法に関する寄稿を行い、一人ひとりが本当にその人らしい個性を発揮し、活かしあいながら化学反応を起こしていくためのアイデアを紹介されています。

以上のように、年に100回以上の対話の場づくりを行ってきた賢州さんですが、ある時から「折角いい対話が生まれても次に繋がらない」「働いている人の本当に多様な個性を生かせていない」と、感じるようになったと言います。

そして賢州さんは、以下のような問いに突き当たりました。

(これは)ヒエラルキーという組織構造が阻んでいるのではないか?
人類は組織の作り方を間違えたんじゃないか?

このような中で賢州さんが出会ったコンセプトが「組織の問い直し」であり、フレデリック・ラルー氏(Frederic Laloux)の著した『Reinventing Organizatins(組織の再発明)』でした。

2014年にフレデリック・ラルー氏が出版した『Reinventing Organizations(組織の再発明)』は、2018年に英治出版から『ティール組織』として出版されることとなります。

『ティール組織』の探求の始まり

ティール組織(Reinventing Organizatins)』は2014年にフレデリック・ラルー氏によって紹介された組織運営、経営に関する新たなコンセプトで、昨年原著出版10周年を迎えました。

フレデリック・ラルー氏はある時、自身のマッキンゼーのコンサルタントとしてのキャリアや、その後コーチ、ファシリテーターとして独立し、世界中の企業・ビジネスマンを支援してきた経験から、以下のような課題意識に突き当たりました。

世界中の働く人々は仕事のやりがいを失ったり、時に病んでしまったりしている一方で、経営者の側も不安やプレッシャーに晒され、十分な稼ぎがあったとしても幸せな状態には見えない。そのようなメカニズムが人類を動かしている。

こうした背景から既存のやり方や枠組みに捉われないユニークな企業の調査に乗り出したラルー氏ですが、圧倒的に顧客からの支持を得ながら利益も生み出し、何より人々が幸せに働いている組織が、さまざまな地域、産業分野、規模で世界各地に同時発生的に生まれてきつつあるのを目撃しました。

それら世界中の調査事例をもとに自身の仮説をまとめ、ラルー氏が発表したのが『Reinventing Organizatins(組織の再発明)』であり、『ティール組織』です。

2016年、賢州さんは吉原史郎さんと共にギリシャのロードス島で開催された『NEXT-STAGE WORLD: AN INTERNATIONAL GATHERING OF ORGANIZATION RE-INVENTORS』に参加し、同年10月に東京・京都で報告会を実施しました。

世界中の『Reinventing Organizations(組織の再発明)』に触発された実践者たちの集う国際カンファレンスの報告会は、その後の国内における次世代組織の探求・実践を活発化させる契機となりました。

その後、2018年に邦訳出版された『ティール組織』(英治出版)は10万部を超えるベストセラーとなり、日本の人事部「HRアワード2018」では経営者賞を受賞、2019年にはフレデリック・ラルー氏の来日イベントも開催されました。

フレデリック・ラルー氏とhome's viメンバー

今回、次世代組織サミットの主催団体として名前を連ねているティール組織ラボは、嘉村賢州が発起人となって2020年頃から活動を開始した有志の研究団体です。

これまでティール組織に関する講座作り・実施に取り組んできたティール組織ラボは、2023年にはラルー氏の賛同と協力を得つつ、国内外の次世代組織の情報を集約し、発信するポータルサイトをオープンさせました。

そして、2025年3月からは新たなコンテンツである「次世代組織マガジン」をスタートさせています。

国内における『ソース原理』の広がり

2019年に来日したフレデリック・ラルー氏は、世界における『ティール組織』の実践や自身が書籍を書くに至ったストーリーの他、組織におけるソース(Source)の役割について初めて言及しました。これ以降、国内におけるソース原理の探求も盛んになっていきます。

ソース原理(Source Principle)とは、経営コンサルタント、コーチであるピーター・カーニック氏(Peter Koenig)によって発見・体系化された、人の創造性の源泉、創造性の源泉に伴う権威影響力創造的なコラボレーションに関する洞察・知見の体系です。

不動産業界で成功したビジネスマンとしてキャリアを積み重ねていたピーター・カーニック氏は、クライアントたちとの交渉の中で相手側が不合理な判断・意思決定を行う場面を目にしてきたといいます。

このことをさらに突き詰めていくと、『お金と人の関係』がビジネスにおける成功、人生の充実に大きく影響していることに気づき、彼の『お金と人の関係』の調査が始まりました。

そして、お金に対する一人ひとりの価値観・投影(projection)ついて診断・介入できるシステムであるマネーワーク(moneywork)の発明を機に、ソース原理(Source Principle)は発見・体系化されました。

ソース原理を発見・体系化したピーター・カーニック氏には、世界各地にソース原理、マネーワークを学び、独自に発展させているお弟子さんに当たる人々がおり、彼ら彼女らが中心となってソース原理に関する記事や書籍をまとめ、紹介されています。(トム・ニクソン氏もまた、その1人です)

フレデリック・ラルー氏は2014年の『Reinventing Organizations』出版後にピーター・カーニック氏と出会い、彼からソース原理を学んでいたとのことで、2016年のイラスト解説版『Reinventing Organizations』や以下の動画内でソース原理(Source Principle)について言及されています。

ラルー氏来日後、嘉村賢州さんは山田裕嗣さん青野英明さんと共に『すべては1人から始まる―ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力』の翻訳・監修に携わることとなり、2022年夏にトム・ニクソン氏の初来日が実現します。

トム・ニクソン氏の初来日時には北海道美瑛町オンライン東京京都屋久島と全国各地でイベント、ワークショップが開催され、その一部はブログやアーカイブ動画等の記録にまとめられています。

home's viは上記のプログラムの内、2022年8月に京都で開催されたトム・ニクソン氏招聘イベントを主催しました。

2022年の来日企画後に出版された『すべては1人から始まる』は日本の人事部「HRアワード2023」に入賞したほか、2024年10月にはソース原理の関連書籍であるソース原理[入門+探求ガイド]が出版されました。

すべては1人から始まる』と『ソース原理[入門+探求ガイド]

さらに、『ソース原理[入門+探求ガイド]』著者であるステファン・メルケルバッハ氏(Stefan Merckelbach)は2024年中に2回も来日されるなど、ソース原理を学ぶための文献や企業・団体における実践者も少しずつ増えてきつつあります。

国内における上記のような背景・文脈がある中、2025年3月にトム・ニクソン氏は3年ぶりに来日が決定し、今回の『次世代サミットin大阪』が開催されました。

当日の会場となったBlooming Campには多くの方が詰めかけていました

次世代組織サミットin大阪

今回の『次世代サミットin大阪』は、『すべては1人から始まる』(英治出版)著者トム・ニクソン氏の来日を記念して開催された一連の特別企画群の1つです。

PR TIMESのプレスリリース

今回の次世代組織サミットは大きく二部構成に分かれ、 前半は『ティール組織』解説者・嘉村賢州による『次世代組織の潮流』とトム・ニクソン氏によるソース原理の解説・ストーリーテリング、後半は関西の企業3社の取り組みを次世代組織及びソース原理のレンズで読み解くトークセッションが行われました。

後半のトークセッションでは竹口尚樹さん(京都信用金庫)竹林正豊さん(さくらインターネット株式会社)佐々木智一さん(佐々木化学薬品株式会社)に登壇いただき、三社三様の事例を共有いただきました。

また、本編終了後にはトム・ニクソン氏への質疑応答セッションのほか、質疑の終了後は参加者同士が自由に交流できるネットワーキングの時間も設けられ、こちらも盛り上がりを見せていました。

本編終了後にも多くの方が参加されていました

ここからは『次世代サミットin大阪』の内容に入っていきたいと思います。

次世代組織の潮流の紹介

本企画の冒頭は嘉村賢州さんによる「次世代組織の潮流」についてのオープニングトークが行われました。

嘉村賢州さん
場とつながりラボhome’s vi代表理事 / 株式会社令三社取締役 / ティール組織ラボ編集長

フレデリック・ラルー氏が『Reinventing Organizations』著した2014年以降、世界各地でこれまでの延長線上にない新たな組織運営、経営のあり方が現れ始めました。

この状況を指し、賢州さんはさながら天動説から地動説へ移り変わった時のようなパラダイムの転換が起こりつつある状況だとお話しされていました。

また、上記のようなパラダイムの転換について、賢州さんはベルカナ研究所(Berkana Institute)のTwo Loopsのモデルを活用しながら紹介してくれました。

このTwo Loopsのモデルは、システム変化やパラダイム転換が社会全体のレベルでどのように起こりうるかを捉えようとしているものです。

2つの曲線は、古いシステムが死に、それに代わって新しいシステムが台頭してくる様子を示しており、古いパラダイムから新しいパラダイムへ移行するには、橋渡しが行われることで転換がスムーズに行われていきます。

最後に、近年生まれてきつつある新たな組織運営のあり方は大きく4類型に大別できるのではないか?という次世代組織のモデルの紹介をいただき、オープニングトークが終了しました。

次世代組織の4類型について紹介する嘉村賢州さん

ソース原理の解説・紹介

「次世代組織の潮流」に続き、トム・ニクソン氏からはソース原理の解説及び、自身がどのようにソース原理を実践するに至ったかのストーリーテリングが行われました。

トム・ニクソン氏(Tom Nixon)

まず、トム・ニクソン『Work with Source(邦題:すべては1人から始まる)』を参照すると、ソース(Source)とは、あるアイデアを実現するために、最初の個人がリスクを取り、最初の無防備な一歩を踏み出したときに自然に生まれる役割を意味しています。

『Work with Source』の用語解説では、『脆弱なリスクを取って、ビジョンの実現に向けて自らを投資することで、率先して行動する個人のこと』と説明されています。

The role emerges naturally when the first individual takes the first vulnerable step to invest herself in the realisation of an idea.

Tom Nixon「Work with Source」p20

An individual who takes the initiative by taking a vulnerable risk to invest herself in the realisation of a vision.

Tom Nixon「Work with Source」p249

一見、起業家や特別な存在がソースになるような印象も受ける説明ですが、私たちが朝食を作ることや休日の予定を立てること、誰かの活動にサブソース(スペシフィックソース)として参画すること、大きなビジョンを抱いて起業することに至るまで、人生のさまざまな場面で人はソースになり得るとトムは話します。

また、何らかのソースであることについてトムはアーティストの例を出し、あるソースが開始したイニシアチブ(inisiative:活動)はアーティストにとっての作品であり、そのソースの価値観が別の誰かに継承(succession)されない限り、その活動の創造性の源泉はソースにあると紹介されていました。

トム自身、かつて自身が起業した会社から公式の役職も役割も後任に委ねて離れたものの、ソースの継承がなされていなかったためにその後その会社では優秀な人材の流出や業績の悪化を生み出しており、後にソースとして戻ることになったと付け加えられていました。

このほか、組織をソース原理のレンズで眺める場合には、人(Human)−イニシアチブ(Initiative)−公式の組織図及び組織化段階(Organizarion/Organizing)という3層で捉えることが役立つという視点や、トップダウン−ボトムアップ軸と疑念・迷い(Doubt)−明確・明晰(Clarity)軸で表されるソースの振る舞いのモデルについても紹介いただきました。

The Source Compass
Tom Nixon「Work with Source」に収録

ここからは後半部のトークセッションについて見ていきましょう。

京都信用金庫の事例紹介

1923年に設立され、1971年には日本で初めて「コミュニティ・バンク宣言」を発表した京都信用金庫からは、竹口尚樹さん(京都信用金庫 常務理事/経営管理本部長 兼 洛南エリア本部長)にお越しいただきました。

竹口尚樹さん
京都信用金庫 常務理事/経営管理本部長 兼 洛南エリア本部長

常勤役職員数1800人を超え、2023年には設立100周年を迎えた京都信用金庫ですが、竹口さんからはこれからの働き方のキーワードとして以下の3つが紹介されました。

  • 対話型経営

  • 分散型組織

  • 自律型人材の育成

特に興味深い組織づくりの実践としては、分散型組織における取り組みとして紹介された「エリア自治」がありました。

京都信用金庫の営業テリトリーを10エリアに区分した上で、各エリアが自律的に事業計画の作成、エリア内の人事異動、エリア本部長への融資決済権限が行われるなど、エリア内店舗グループを1つのカンパニーとして捉えるという組織体制です。

また、自律型人材の育成では「ルーティン」「企画(発案から実施、終結までを委ねられる仕事)」という大きく2種類で仕事の整理を行われている点や、企画仕事をいかに業績や地域社会の発展に還元していくかといった現在挑戦中の課題についてもご紹介いただきました。

この他、金融機関においてソース原理はどのように実践しうるのか?という議論が竹口さんとトムの間で交わされ、この議論が本編終了後も嘉村賢州さんや参加者の方も交えて継続されていたことも印象的な出来事でした。

さくらインターネット株式会社の事例紹介

今回の会場となったBlooming Campの運営会社でもあるさくらインターネット株式会社からは、竹林正豊さん(さくらインターネット株式会社 社長室 室長)にお越しいただきました。

竹林正豊さん
さくらインターネット株式会社 社長室 室長

竹林さんは以前、会社派遣として通っていた大学院時代に嘉村賢州さんの『ティール組織』の講義を受講されており、このことは2022年のさくらインターネット初の統合報告書(財務情報・非財務情報を含めた価値創造をシェアホルダーに紹介するための資料)作成プロジェクトにも大きく影響したとお話しいただきました。

1996年に現代表の田中邦裕さんが創業し、1999年に法人化したさくらインターネットですが、現在のさくらインターネットに方向転換する契機となったのは2016年、創業20周年のリブランディングプロジェクトだったとのことです。

2007〜2008年頃に会社が傾きかけた際、利益重視・コストダウンを掲げた結果奏功しなかったことも省みられ、部門横断型・挙手性の全社を巻き込んだこのプロジェクトにより、コーポレートスローガンは現在の『「やりたいこと」を「できる」に変える』に更新され、ロゴも刷新されました。

また、このコーポレートスローガンをもとにさくらインターネット内部においても柔軟な働き方を可能にする社内制度の構築、大阪本社移転といった大きな意思決定につながりました。

「やりたいこと」を「できる」に変える』は社内外のコミュニケーションにおいても実践されており、インナー/アウター双方のブランディングの考え方や、Blooming Campをはじめとする場を活用したオープンコラボレーションの促進につながっているとのことです。

加えて、社長室には『田中さんとみんなの「やりたいこと」を「できる」に変える』という独自のパーパスがあり、創業社長の田中さんのアイデアもみんなで考えることで120%、200%へと引き上げようというコミュニケーションが行われているといった、ソース原理にも通じるお話もお伺いできました。

佐々木化学薬品株式会社の事例紹介

1946年に佐々木薬品商店として創業、1958年に株式会社化された佐々木化学薬品株式会社からは、2006年に4代目社長として就任された佐々木智一さん(佐々木化学薬品株式会社 代表取締役)にお越しいただきました。

佐々木智一さん
佐々木化学薬品株式会社 代表取締役

父は中興の祖であり、優秀な経営者であったと語られた佐々木さんですが、そんな先代は以下の2つに取り組めなかったと遺言を残されたと言います。

  • オリジナル商品の開発

  • 管理職の育成

カリスマ経営者ゆえに管理職の育成にまで手を回せなかったということ、また、薬品の卸売・販売業者からの脱却を「やれ!」ではなく「できなかった」と先代はお話しされたことから佐々木さんは奮起し、上記の2点に取り組まれてきたとのことです。

薬品問屋から研究開発企業への転換は当時の社員の皆さんには驚きや戸惑いもあったとのことですが、「ものづくり」や「マーケティング」の視点を新たに社内に根付かせるべく数多くの民間企業、行政・研究機関、複数の大学との連携を取り付けることで、少しずつ変容を遂げてこられたとのことです。

また、佐々木さんが3代目、4代目、これから引き継ぐことになる5代目ではそれぞれ代ごとに経営スタイルが異なり、それらをモデル図として整理してお話しされていたことも印象的でした。

カリスマ社長の3代目の時代はピラミッド型組織だった佐々木化学薬品は、4代目の佐々木さんによって経営チームが意思決定を行うマーケティングドリブン型の組織となり、初めて親族外の社長となる5代目の代には様々な業務・役割において適正な人材一人ひとりが意思決定を行っていく「組織図のない組織」「タレント経営」へと移行していくだろう、という整理です。

自らピリオドを打って次世代に引き継ごうというスタンスや、事業承継に伴う先代から次代に向かう変遷の見える化など、事業承継の当事者であった私自身も多くの学びや気づきを得ることができました。

終わりに

以上、『次世代組織サミットin大阪』についてまとめてきました。

今回のイベントは数年来の友人であるトムとの3年ぶりの再会の機会であり、私にとっても大きな節目となった一日でした。

2022年8月。事業承継した田んぼの前にて。
トム(Tom Nixon)とパートナーのアグネス(Agnes Otzelberger)
そして、2人とのご縁を取り持ってくれた仲間たちと。

ソース原理(Source Principle)は事業承継をした私にとって、「なぜ、米作りを継いだのか?」「継いだ上で何を実現していきたいのか?」を自問していた私に一筋の光を差し込み、迷いを晴らしてくれたアイデアでした。

トムと再会するまでの3年は、事業承継して間もない私自身や家族のトランジションを終え、次の一歩を踏み出すために十分な時間を与えてくれたほか、国内においてもソース原理が少しずつ浸透し、共通言語として対話できる人が増えるにも十分な時間となりました。

今回、『次世代組織サミットin大阪』と銘打って近畿圏を中心とする企業の皆さんと実践事例や経営に関する新たなアイデアをわかちあう機会を企画してくださった嘉村賢州さん、木戸伸幸さんをはじめとする主催チームの皆さん、会場を提供いただいたBlooming Campの皆さん、そして、急遽当日の通訳を務めてくださった山田裕嗣さん、さくらさんに感謝いたします。

当日のアナウンスによると今後とも、今回のような『次世代組織サミット』は定期的に開催予定とのことで、この場から始まる新たなコラボレーションもとても楽しみです。

さらなる探求のための参考リンク

大きなアイディアを実現させる創造の源「ソース原理」とは何か|Forbes JAPAN

ソース原理 (Source Principle)と事業継承|小平勘太 /鹿児島のエネルギー商社の経営者

国内におけるソース原理(Source Principle)探求の潮流を概観する:2025年1月時点の現在地

今後の関連イベント情報

4/13(日)〜4/16(水)ホールシステムリーダーシップ探求ワークショップvol.2

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【次世代組織マガジン#02】Monthlyティール組織ラボ改め、次世代組織マガジンがスタート!|ティール組織ラボ

コンテンツ詳細については画像をクリックし、動画の概要欄をご覧ください

4/21 (月)ティール組織ラボ主催「ティール組織」概論編講座

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5/8 (木)ティール組織ラボ主催「ソース原理」概論編講座

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