積年の嫉妬|ショートショート +おまけエッセイ #嫉妬祭り
目の前にカウンセラーがいる。
ワタシは昔からずっと心の底にへばり付いている「嫉妬」ってやつを、全て吐き出そうとした。
「聞いてください!ワタシは幼い頃から妹に嫉妬しているんです。妹は勉強が抜群にできてスポーツ万能、性格が明るくて顔も美人、非の打ち所のない完璧人間なんです。当然、親からも信頼されていていつも妹の前ではニコニコ笑顔なんです」
「それに引き換え、ワタシは勉強やスポーツが苦手、顔も妹とは似ても似つかないくらいの醜い顔、性格は暗くて嫉妬深い。よくあるパターンですが、親や周りからは妹と比較されることが多く、その度に妹に対する嫉妬心が年々増幅しているんです」
目の前にいるカウンセラーは、静かに頷いている。
「ワタシだって、いろんな人から認められたい!ワタシだって一生懸命に生きてきたんです。もっとありのままのワタシを見てほしいんです!」
「ワタシのこの気持ち、分かりますか?沢山の患者さんたちの話を聞いているから分かりますよね?いや、分かりませんね。とても幸せそうに育ってきた顔立ちだし、物腰も柔らか、きっと「嫉妬」という言葉なんて頭の片隅にもないんでしょうね」
自身を批判されていても、変わらず相づちを打つカウンセラー。
それから1時間近くワタシはしゃべりまくった。
長年成長し続けていた、妹に対する「嫉妬」をワタシから追い出すために。
ひとしきり話し終えたとき気づいたのだが、ワタシの両頬は大粒の涙で濡れていた。
ここにきて、これまで沈黙していたカウンセラーが口を開いた。
「勇気を振り絞って私に話してくれたんだね。表に出さずに自分だけで抱えていた気持ちが理解できたよ。話してくれてありがとう」
人目もくれず涙を流し、項垂れていたワタシに優しく話しかける。
「これまで気づいてあげられなくてゴメンね。カウンセラーという仕事を始めてから「嫉妬」というものがどれほど根深いか、とても勉強になったよ」
「・・・グスン」
「今まで本当に辛い思いをさせてしまってゴメンね・・・・お姉ちゃん」

(831文字)
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このショートショートは、池松潤さんの #嫉妬祭り 参加記事です。
今回2作品目を投稿しました🙂
1作目はコチラ↓↓↓
あまり他人への嫉妬はしたことがないですが、兄弟は別でした。
学生時代の自分は、3つ上の兄貴に対して嫉妬心がありました。
兄貴は、中学、高校は生徒会長、バンドのボーカルをやるなど、とにかく人前に出ることが得意。当然ながら女の子のファンもいてモテモテでした。
対する自分はどちらかと言ったら地味で目立たない、人前に出るのが苦手。兄弟でも真逆の性格でした。
高校までは兄貴と同じ学校に通いましたが、行く先々で、
「弟さんも生徒会入るの?うーん生徒会合わなさそうだね」
「お前は兄貴と違ってなんか暗いな」
大体上のことを直接言われて、大人しい自分は反論できず、悔しさ、悲しさをグッと我慢してきました。
でも、今となっては全く必要のない過去の「嫉妬」です。
人によってはオトナになっても卑屈のままもいらっしゃるでしょうけど、自分はありません。
何故ならオトナになるにつれて、そんな嫉妬よりも大事なこと。
たとえ兄弟でも所詮は赤の他人
自分は兄貴になる必要はない
自分はありのままで良いんだ
社会人になり、過去の兄貴に対する嫉妬について自分自身の中で上手く分解して心の成長の糧となったようです。
きっとこれからも嫉妬する場面があるでしょう。
でも、嫉妬ってそんなに悪いことではないです。
もし嫉妬を抱いたときに「嫉妬しちゃダメだ」と思い込まず、まず「嫉妬している」という事実を素直に受け入れます。
そして、こう問いかけるようにしています。
「嫉妬したとき、自分自身はこの後どうしたい?」と。
ここまで読んでいただきありがとうございました🍀
企画モノ以外ではこんなショートショートを書いていますので、スキマ時間に読んでいただければ嬉しいです🎵
ゆくゆくは周りから嫉妬されるくらいの作品が書きたいです(笑)
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