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成功の快楽に依存する人、安心の快楽に依存する人──安藤百福の失敗と挑戦

ある知人は「起業とか挑戦とかには興味がない。ちゃんとお給料を毎月もらって、安定している方が安心する。」と言った。

一方で、別の知人は事業を精算し、次の挑戦を始めている。

大多数は、安定を選び、挑戦を遠ざけ続けるが、
一部の人は、失敗を恐れず挑戦を繰り返すのはなぜなのか?



安藤百福の物語

安藤百福は失敗を恐れず挑戦を繰り返す人間の典型だ。

戦後、拘留や財産没収によって無一文になったにもかかわらず、彼は60歳を過ぎてからも挑戦をやめなかった。

自宅裏庭の小屋にこもり、失敗を重ねながらも「チキンラーメン」を発明した。

さらに1971年、アメリカで米兵が紙コップに砕いたラーメンを入れて食べているのを目撃すると、その光景から「カップヌードル」の着想を得る。

常識を覆す発明は、すべて「もう一度成功の快楽を味わいたい」という執念にも似た衝動に突き動かされていた。

起業家 安藤百福は戦後、財産を失い、投獄され、無一文からの再出発を余儀なくされた。60歳を過ぎてなお、飢えに苦しむ人々を見て「すぐに食べられるラーメン」を開発。失敗を重ねながらも執念で完成させ、世界初のインスタントラーメンを生み出した。

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「成功依存」と「安心依存」

心理学者B.F.スキナーの「スキナー箱」実験は、この構造を説明する。
ネズミは最初こそ偶然でレバーを押すが、餌という報酬を得ると、その快楽が行動を繰り返させる。

つまり、「成功体験」が強化され、依存していく。
そうすると、さらなる成功を繰り返すために求め、失敗も気にせず繰り返す。

一方で、心理学者キャロル・ドゥエックの「成長マインドセット」は別の側面を示す。
失敗を学習の機会と見る人は挑戦を続けるが、失敗を「能力不足」とみなす人は挑戦を避け、安定にしがみつく。

これは「安心依存」とも言えるだろう。


二つの依存が生む分岐

  • 成功の快楽に依存する人は、再びあの高揚感を味わいたくて挑戦を繰り返す。

  • 失敗回避の安心に依存する人は、安定の中にとどまり続ける。

どちらが良い悪いではない。
ただし後者の選択では、大きな発明や変革に出会う確率は極端に下がる。


考えてみれば、私たちの日常も同じだ。

  • 新しいプロジェクトに挑むかどうか。

  • 自分の意見を会議で言うか黙るか。

  • 転職や独立を決断するか、今の安心を守るか。

その選択の裏には「成功的な快楽への依存」と「安心への依存」という二つの力が働いている。


成功依存と安心依存どちらを選ぶ?

成功の快楽に依存する人生と、
失敗を避け安心に依存する人生。

あなたは今、どちらに依存しているだろうか。
そしてその依存は、あなたの次の選択をどこへ導くだろうか?



「Nissin Chicken Ramen」 Ocdp 撮影 / 出典:Wikimedia Commons / CC0
世界初のインスタントラーメンとして1958年に誕生した日清食品「チキンラーメン」。安藤百福が大阪・池田の自宅裏庭に建てた小屋で研究を重ね、即席で調理でき、保存性も高い食品として開発された。写真は、袋から取り出した乾麺の姿で、お湯を注ぐだけで食べられるという革新性を端的に示している。戦後日本の食文化に革命をもたらし、世界中に広がった即席麺の原点を象徴する。

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