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足踏みしても、いいよ。立ち止まっているあなたに届けたい物語【創作大賞2026応援】

皆さんの、「足踏みしていた時期」っていつですか。
あるいは、今も「足踏みばかり」と感じておられる方も、いらっしゃるかもしれません。

そういう時、きっと、「自分だけが置いていかれている」と焦ったり「今からどれだけ頑張ったって、他の人には追い付けない」と諦めてしまったり。

「明日が今日よりよくなっているなんて、信じられない」という日々が、私たちから希望を奪っていく。

私自身が今は脱しているとしても、今もそこにいらっしゃる方が何人もいます。でも私はもう、そんな方に、なんと声をかければいいのか、わからない。

「私にもそういう時、ありました」とか「辛いですよね」という言葉はもうその絶望に対して、薄っぺらい気がして。無力さを噛みしめながら、私自身が、そこで足踏みしてしまう。

でもそんな時、ある青春小説と出会いました。

pekomoguさんがTALESに連載されている「足踏みするかたちたち」。
全35話で完結している作品です。

読み終えてすぐ、私はレビューにこう書き始めていました。

「足踏みしても、いいんだよ。その時間が、きっと大切な宝物になるから。」

推薦レビューを書きました。

なぜ、そこまで心を動かされたのか。
今日はその理由をお伝えしたいと思います。

まず、あらすじからご紹介しますね。

主人公は、山口円(やまぐち まどか)という少女です。

極度のあがり症で、人と話すことができません。
家でも学校でも、誰とも言葉を交わせない。

そんな彼女の唯一の居場所が、仮想空間「O-UNABARA」です。

音や色は感じられるけれど、そこでご飯を食べることはできません。
現実の温かい食事とは違う、別の世界なんですよね。

もう一人の主要人物が、山田月(やまだ つき)という男の子。
寡黙で、どこか空虚さを抱えています。
円ちゃんはそんな月くんを、遠くからずっと想い続けている。声をかけることもできず、ただその姿を見つめる日々が続きます。

物語の舞台は、現代の北海道・札幌。

生きづらさを抱え、足踏みしている高校生たちの日常が、静かに描かれていきます。

あなたの足踏みを

あなたが足踏みしていた時期に、周りの人は、それを許してくれましたか。

実は、「足踏み」ができる時間は、貴重ですよね。
「何ちんたらしてるの、早くしなさい」って背中を押されるような環境では、足踏みを許してもらえない。

この「足踏みするかたちたち」に登場する人々は、主人公たちの「足踏み」を温かく見守ってくれています。

無理に背中を押さずとも、時が来ればこの人はきっと自分の力で歩き出せる。

そう信じて見守ってくれているように、私には感じられました。

著者であるpekomoguさんが、コメントの返信や掲示板で「現実は辛いからこそ、物語の中ではあたたかい『まく』で包んだ物語を届けたかった」という意味のことを、何度かおっしゃっていたように理解しています。

現実では、いつまでも足踏みしていることはできなくて。
でもこの物語に描かれる世界は優しいから、足踏みしている人を責めたり見限ったりするのではなく、許してくれるんですね。それが温かくて。

ああ、こんな世界だったら、本当にいいのにな。

奇跡のようだ。

そう思うと共に、それはたぶん、私たちがこういう世界を理想だと思った瞬間から、奇跡ではなくて、近づいてくる現実に変わると思うんです。

「ああ、私も足踏みしている人に、こんな風に接してあげたい」
「あたたかい『まく』で包み込むように、温かさを伝えたい」

そういう願いが心にともった時から、私たちは、前に進み始めるんじゃないでしょうか。理想に向かって。

私の足踏みも

思えば、私の人生も、足踏みばかりでした。

10代の頃の不登校に加えて、大人になってからの適応障害やうつ病・双極性障害の発病。仕事どころか、起き上がることもできなくなった期間。

正直に言えば、今だって、どこかで足踏みしているのかもしれません。

どうしても、先に進める日が来るとは信じられない日々。
どうせずっとこのままなんだ。どこにも行けず、羽ばたけないまま。

でもね、足踏みしているように感じる日々が、後から実は必要だったと気づくことはたくさんありました。

毎日書いているnoteでの日々も、進んでいるのか止まっているのか、足踏みしているような時もあるんです。

それでも長い時間が経って、振り返ってみれば毎日着実に積み重なっていくつながりや、あたたかさがあって。

それがこの素敵な物語との出会いにつながった。
だから、足踏みも悪くない。

足踏みしていた日々を大切に抱きしめた先に、今の私があると思うから。

今、足踏みしているあなたにも、昔していたあなたにも読んでほしい。
そんな素敵な小説でした。

pekomoguさんの創作大賞2026への挑戦を、心から応援しています。
この物語が、たくさんの人のもとに届きますように。
もし少しでも気になったら、読んでみてくれたら嬉しいです。


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