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夜明けの街に旅が始まる

光が点々と港に浮かぶ



夜をくぐる。海を渡り、また高松の港へと到着する。
高揚感を手に、自転車を走らせる。冷たい空気が
流れていく。やがて闇が薄くなり、夜明けが近づく。
一日の始まりに、高松の港から街の風景へと進む。



船の明かりが夜に浮かぶ



青い旗が風に揺れる


瀬戸内をめぐる旅を繰り返す



船はゆっくりと岸から離れ



神戸の港を後にし



この夜の先へと向かう



神戸から高松への航路を


重ねては、風景が積層していく




船は高松東港に着く。いつものように自転車を広げ



夜の街へと走り出す。旅を続けるほどに



出会いの数が増えていく。夜にそっと止まるフクロウは



まかしまい、という名の石の彫刻


流政之の足跡もたどる旅



今回の旅の基点となる高松港もまだ暗く



夜明けまでの時をつなぐように



アートをたどる。まだ起き出す前の街が



静かに動き出すように


アートは視点に変化を与え




街を動的なものにする


視点を沿わせ、ずらしては、目を凝らす



青い幟の連なるバスターミナル



石と同化するのは島の人のシルエット



アートは日常にふとした気づきを忍ばせる



瀬戸内を舞台にした石の物語にも


ふれる旅を重ねている




バスターミナルの先の高松駅から明かりがもれる



前回の旅では、この駅から西へと向かい


瀬戸内のアートをたどる旅をした



駅前をぐるりとめぐり、港で出迎えてくれるのは


様々な色が積層する二本の柱


変わる角度に、異なる時間。広がる風景の差異に目を留め



自らの足で移動しては、視点を動かす



だんだんと近づいてくる赤い光は



堤防の先端に立つ灯台のせとしるべ



世界初というガラスの灯台は


赤い光を湛えては、旅の色をつなぐ




触れられるほどの距離で、温かな光に包まれる



少しずつ白みがかる空と街



東の空には朝焼けがかすかに浮かぶ



まだ薄灰色をした空の下


鏡面に映り込むゆるやかなシルエット



きらりと磨かれた黒い石



ゆるやかな曲線の連続と、ごつごつした質感が



彫刻の動きをより高める。港を後にし



高松の街の中に設置された石の彫刻は


おいでまあせ、という名の流政之が手掛けたもの


いつか美術館の風景へと思いをはせながら



石の連続に導かれてはその先へ



赤く燃えるような灯台に、神戸の港を彩る赤い光
を重ねる。海を渡り、瀬戸内へとまたやってきた。
石にふれる。人が往来し始める。駅が動き出す。
彫刻が風景をつなぐ。夜明けの街に、旅が始まる。


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