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時代を重ねた石の記憶

風景を作る線や形に沿って

島に流れる時間をたどる。時は日々続き、やがて
時代となる。漆喰に落ちる影。四半の壁が伝える
時の流れ。草花は色鮮やかに時を彩り、太陽は上り
また沈みを繰り返す。塩飽諸島に連なる花崗岩。石
は切り出され、海を渡り、時代を重ねる存在となる。


波の音に誘われ



空のリズムに乗るように



光と影が交差する風景を
 

時の流れを感じながら歩く



千日紅が風に揺れる


街には街の色があり



積み重なるのは歴史の重み



道端の漆喰に浮かぶ石と石



刻まれた矢穴の跡



かつて山の一部であった大きな石は



切り出されては運ばれた



石の記憶が展示される



芸術祭のアートをめぐる。塩飽諸島は



巨大な石の産地でもあり、各地に石切り場が存在する



はかりの上に乗せられた石



外の展示にも数字の刻まれた石が並ぶ



色や形は様々に、刻まれた数字も各々に



数字が表すのは石の重さ



外に並べられた石の中から選ばれた



ちょうど1キロの重さの石


視点によって物の見方は変わる


手の中に収まりそうな石。見上げるほどに

途方もない石の連なり。石は離れては重なり


時代を積み重ねる存在となる


石の記憶は、本島に残された石切丁場に


海に誘われるように旅をした



小豆島の風景にも重ねられる


時の流れは知るほどに長く


石が重ねる物語にふれる程に


歴史が目の前にそびえ立つ



時代の影を感じながら


過去から現在へ、そして未来へと



門をくぐるように、時をくぐり旅を積み上げる



瀬戸内海を渡った巨石は



途方もない風景を生み出して



それらが、過去の人の手によってなされたことに



歴史の限りない重みを感じる



日本が誇る大阪城を構成する石。それらは海を渡り
大阪へ運ばれた。塩飽諸島の中枢となる本島からも
切り出された多くの石。塩飽の民により運搬された
巨大な石は、時代を重ねる存在となった。大きな石
は城の塀や石垣に、小さな石は地面の下の栗石に。
石が重ねた記憶にふれ、旅の景色は広がっていく。





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