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【南アルプス深南部】千頭山〜池口岳|柴沢小屋とダルマ崩れを越える34km縦走・深南部の核心へ

静かな山を歩いていると、
「この先には何があるんだろう」と思う瞬間があります。

今回歩いたのは、深南部の奥深く。
兵越峠から中ノ尾根山、柴沢小屋、千頭山、そして池口岳へ。

増水した沢、揺れる吊り橋、不明瞭な尾根、ダルマ崩れ。
簡単な山行ではありませんでしたが、深南部らしい“判断の連続”がとても印象に残る二日間でした。

念願だった柴沢小屋と千頭山。
ようやく歩くことができました。


はじめに

千頭山と池口岳をつなぐルートは、深南部の中でも特に奥深さを感じる山域です。

一般登山道とは違い、
不明瞭な尾根、崩壊地、古い道跡を読みながら進む区間も多く、歩きごたえがあります。

今回の記事では、

・兵越峠〜中ノ尾根山の様子
・柴沢小屋周辺の状況
・千頭山〜ダルマ崩れの通過
・池口岳までのルート状況

を中心にまとめています。

深南部らしい静かな山を歩きたい方、
ルートファインディングを楽しみたい方の参考になれば嬉しいです。


山行概要

山名: 千頭山・池口岳・合地山・中ノ尾根山
山域: 南アルプス深南部
日付: 2026年5月5日〜6日
天候: 晴れ時々曇り

コース

1日目

兵越峠 → 朝日山 → 白倉山 → 笠松山 → 三又山 → 中ノ尾根山 → 合地山 → 柴沢小屋

2日目

柴沢 → 千頭山 → ダルマ崩れ → 池口岳 → 池口岳登山口

距離: 34.7km
累積標高: 3674m
行動時間: 約19時間

体力度:★★★★★(深南部・ロング縦走経験者向け)


コース全体図

※兵越峠から中ノ尾根山を経由し、柴沢小屋で一泊。
翌日は千頭山、ダルマ崩れを越えて池口岳へ抜ける縦走ルート。


この山を選んだ理由

深南部シーズンが始まると、
毎年歩きたくなる尾根があります。

今回ずっと気になっていたのが、柴沢小屋と千頭山。

昔の光岳登山口周辺の雰囲気も見てみたく、
一泊二日なら何とか届きそうだと思い計画しました。

静岡の山を線でつなぐように歩いていると、
「この尾根の先はどうなっているんだろう」と気になる場所が増えていきます。

今回のルートも、そんな“気になっていた場所”をつなぐ山旅でした。


兵越峠〜中ノ尾根山

兵越峠からスタート。

朝日山までは比較的歩きやすいものの、
アップダウンが多く、テント装備だとじわじわ脚にきます。

平森山は静かな森。
白倉山は気持ちの良い笹原。
笠松山は苔とバイカオウレン。

ピークごとに雰囲気が変わり、歩いていて飽きません。

三又山周辺では霧氷も残っていて幻想的。
中央アルプスの展望も素晴らしかったです。

中ノ尾根山が見えてくると、
「あそこまで行けば」と不思議と元気が出ました。

ただし、三又山以降は不明瞭区間が増加。

特にドーム前後はガレの縁が切れ落ちている場所もあり、足元注意です。

最後は笹原を直登して中ノ尾根山へ。

何度歩いても、本当に良い山だと思います。

大きくて丸い中ノ尾根山

合地山から柴沢への下降

ここから一気に深南部らしさが増します。

倒木、急斜面、不明瞭な尾根。
さらに尾根方向が変わる場所もあり、ルート判断が重要でした。

特に広い尾根は方向を失いやすく、
コンパス確認がかなり重要。

山友さんが素早く方向を合わせながら進んでくださり、本当に助かりました。

合地山までは「あと少し」と思っていましたが、
むしろ核心はその先。

柴沢へ近づくと尾根が細くなり、かなり緊張感があります。

最後はロープを使用して寸又川左岸林道へ下降。

振り返ると、よく下ったなと思う斜面でした。

最後はロープを使用して寸又川左岸林道へ下降
寸又川左岸林道にある光岳登山口

柴沢小屋と増水した沢

柴沢へ到着してホッとしたのも束の間。

前日の雨の影響で、沢がかなり増水していました。

前日の雨の影響で沢が増水

翌日の渡渉は厳しい。
そこで問題になったのが、千頭山側へ渡る吊り橋です。

確認へ向かうと、

「これ、本当に渡るの…?」

というレベルの高度感。

しかも揺れる。

途中、一部板が欠損しており、ワイヤー上を歩く箇所もありました。

かなり緊張しましたが、
安全確認をしながら翌朝通過することに決定。

ワイヤーはしっかりしており渡れそう

柴沢小屋へ戻ってからの時間は、とても静かで贅沢でした。

いただいたきのこ汁も本当に美味しかったです。


千頭山とダルマ崩れ

翌朝。

見ているだけで足が震える吊り橋でしたが、
渡り始めると逆に集中。

手元と足元だけを見て、何とか通過しました。

橋を渡ってすぐのトラバース道は崩壊していたため、四足歩行で直登。

その後は古い道跡やテープを拾いながら進みます。

そして、念願だった千頭山へ。

到着できた時は本当に嬉しかったです。

ただ、ここからが今回最大の核心部。
ダルマ崩れです。

現地で安全そうなラインを探しながら、谷側へ下降。

根がしっかりした場所を選びつつ、一歩ずつ慎重に進みました。

思っていた以上に緊張感があり、
「絶対にミスできない」と感じる区間。

尾根へ復帰できた時は、本当にホッとしました。

ダルマ崩れを渡る

池口岳へ

ダルマ崩れ通過後も終わりではありません。

池口岳南峰までは急登が続きます。

笹が増えてくると、ようやく近づいてきた感覚。

南峰へ到着した時は達成感がありました。

北峰までは痩せ尾根の急登。
厳冬期とはまた違う緊張感があります。

その後は一般道へ。

とはいえ、小ピークや登り返しも多く、疲労した脚にはなかなか堪えました。

後半は少し判断力が落ちている感覚もあり、
改めて長距離山行では“最後まで集中すること”の大切さを感じました。

池口岳に到着で一安心

コース状況・注意点

兵越峠〜中ノ尾根山

・朝日山以降は不明瞭区間あり
・ドーム前後はガレ縁注意
・三又山手前は藪っぽい急登

合地山〜柴沢

・尾根方向が変わる箇所あり
・倒木と急斜面が多い
・柴沢直前は痩せ尾根

柴沢〜千頭山

・増水時は渡渉困難
・吊り橋は高度感あり、一部板欠損
・崩壊トラバースあり

ダルマ崩れ

・ライン選択重要
・谷側へ下って安全なラインを探しました
・非常に緊張感のある区間

池口岳〜下山

・小ピーク多め
・疲労時のルートミス注意
・番号標識あり

※2026年5月時点


振り返り

深南部は、
ただ長いだけではなく、“考え続ける山”だと思います。

どこを歩くか。
どこで引き返すか。
どこなら安全か。

景色だけではなく、判断そのものが山行の一部になる感覚。

今回も改めて、深南部の奥深さを感じました。

念願だった柴沢小屋、千頭山、ダルマ崩れ。

どれも簡単ではありませんでしたが、
だからこそ強く印象に残っています。

また少しずつ、静岡の山を線でつないでいきたいです。


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おわりに

静岡の山を中心に、
毎週末、稜線を歩いています。

派手な山よりも、
静かな山・深い山・条件を読む山行が好きです。

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